AVATAR & ADOBE

ついに興行成績の世界記録を達成した映画「AVATAR」。その映像表現は多くの人を惹き付けるものでした。3D立体視やCG技術が随所に利用されていましたが、その製作現場では、アドビのクリエイティブツールが必須アイテムとして活用されていました。

まずは、製作前のコンセプト画製作にPhotoshop CS4 Extendedが利用されています。さらにPhotoshop CS4 Extendedの3Dオブジェクト読込・編集機能も、CG製作現場で欠かせないものとなっています。本編では、主人公のほか、動物、草木、背景とかなりの要素が3Dオブジェクトで表現されていますがこれらのテクスチャ製作でこの機能が多用されています。さらに、After Effects CS4も撮影現場での実写とCGの速やかな合成作業や、本編も含めて様々な場面で利用されています。またAfter Effects CS4のスクリプト機能により、立体視用に左眼・右眼の2種類の映像生成にも効果的に利用されています。本編の編集には、Avid Media Composerが利用されていますが、本作のようなCGが多用される作品の編集ではAdobe Premiere Pro CS4がもつ、様々なフォーマットをそのまま読み込み、タイムラインへ編集できる機能が有効になってきます。特定の中間コーデックを生成する必要がないため、スピーディな編集が可能となります。本作品では、実写部分をAvid Media Composerで編集し、AAF形式(Advanced Authoring Format: ノンリニア編集で一般的となったレイヤー構造に対応した編集データ交換フォーマット。EDLの進化系)で保存。そのAAFファイルをAdobe Premiere Proに読み込むことで、CGパートのムービーファイルを変換することなく、実写とあわせて編集がおこなわれました。また、「AVATAR」では本編だけでなく、予告編でも新しい取り組みがなされています。英語版で提供されているこちらの**予告編です。この予告編、ムービーファイルではなくアプリケーションとして製作されており、映像中に現れるリンクをクリックすることができる、インタラクティブ予告編となっています。このアプリケーションが、アドビのインターネットアプリケーション実行環境「AIR」で開発されているのです。アドビが持つFlashの操作性と映像を融合させただけでなく、ブラウザを利用しなくても直接コンテンツをみることができます。さらに開発されたアプリはAIRランタイムが用意されている環境であれば、ユーザーのOS環境も問いません。Macユーザーの方も、Windowsユーザーの方も、ぜひこのAIR版「AVATAR」予告編をお楽しみください。また、英語版ではありますがより詳細なレポート**(インタビュー動画あり)も公開されています。あわせてご覧ください。