Premiere Pro CS5 update 5.0.2によるXDCAM形式MXF出力

9月にリリースしたAdobe Premiere Pro CS5 update 5.0.2では、さまざまな機能とともにXDCAM形式MXFファイルでの出力に対応しました。

これまでも、AVC-IntraやDVCPRO HDも含むP2形式MXFファイルのエクスポートに対応していましたが、今回のアップデートにより放送・業務での素材交換規格の主要な2形式での入出力が可能となり、ファイルベースでのワークフローをより推進できる編集ツールへと進化を遂げています。

実際のXDCAM形式MXF出力手順としては、これまでのファイル出力と同様に、ファイルメニューから書き出し→**メディア…**の選択で、書き出し設定画面を表示します。ここで、形式:**MPEG2 MXF **を選択すると、プリセットの一覧がXDCAM対応の形式になります。
この中には、XDCAM HD 18/25/35/50Mbpsの形式のほか、DVやIMX30/40/50のSD形式も含まれています。

ここで書き出されたMXFファイルは、PC環境へ接続されたソニーPDW-U1などのXDCAM機器へドラッグ&コピーで書き出しができ、また再生も可能です。

*2011/6/1 改訂 XDCAMドライバーアップデートにより、5.0.2で出力されたMXFファイルはソニー社製XDCAM機器による利用ができなくなります。なお、CS5.5から出力されたMXFファイルは、WindowsエクスプローラーもしくはFinder(Mac)を利用して、Professional Discへのコピーが可能となります。

Adobe Premiere Pro CS5では、64-bit環境へのネイティブ対応だけでなく、様々なテープレスフォーマットのネイティブ対応により変換無しでの再生・編集を行うことができますが、このXDCAM形式でのMXFファイル出力により、完全なテープレスでの作業環境を実現します。たとえば、AVCHDカメラやデジタル一眼カメラなどで撮影された素材であっても、変換無しでのネイティブ編集後、XDCAM HD422形式での出力といったワークフローが構築できます。出力されたMXF
ファイルは、他のXDCAM対応編集システムでの利用も可能で、映像制作業務におけるMXF(Material eXchange Format;素材交換フォーマット)の本領を発揮できることとなります。

映像のファイルフォーマットとしては、QuickTimeをはじめとして様々な形式がありますが、放送領域ではMXF形式での素材交換の一般化が来年以降加速していきますので、ぜひAdobe Premiere Pro CS5 update 5.0.2によるXDCAM形式出力をお試しください。