ワープスタビライザーの「秘密」

Adobe After Effects CS5.5の新機能「ワープスタビライザー」は、強力な手ぶれ補正機能が簡単に利用できるということで発表当初から高い評価をいただいています。このワープスタビライザーの機能の裏側で何が行われているのでしょうか??

まず、もともとの素材はこちらです。手持ち撮影されているので、かなり手振れが見られます。

ここに「ワープスタビライザー」を適用すると、映像の分析作業が始まります。分析中は青帯に白文字で分析中とだけ表示されていますが、この裏側では何がおこなわれているのでしょうか?その答えがこちら!

映像中に含まれる特徴点を数百ポイント自動認識し、映像全体の動きを分析します。※通常のワープスタビライザーではこのようなトラッキングポイントは表示されません。

このような手作業で行えば気が遠くなるような作業を、After Effects CS5.5のワープスタビライザーではバックグラウンドで処理しているのです。そして、エフェクトをかけてデフォルト設定で得られる結果はこのようなものになります。

元の素材と見比べてみても、一目瞭然ですね!

ちなみに、ワープスタビライザーがすごいのはこの分析だけではありません。映像の補正方法も新しい技術が採用されています。それが「サブスペースワープ」です。試しにこれまでの「位置・回転・スケール」に切り替えたのがこちら。

カメラそのものが向きが細かく変化している場合、パースも変化することになり、単純な位置・回転・スケールの補正では、歪みが生じることがあります。
「サブスペースワープ」では、多数のトラッキングポイントの分析により、この歪みも抑制してくれるというわけです!

このワープスタビライザー機能は、**体験版**でもご利用いただけます。万能というわけではありませんが、ぜひご自身の素材でお試しください!