Adobe Social 3.0はどこが凄い?

ソーシャルメディアマーケティングの目標とは?

ソーシャルメディアを活用したマーケティングは、既に多くのマーケターが注目し、様々な手法やノウハウ、組織論などが議論されています。既存のペイド/オウンドチャネルとは特性が異なるため、何をもってビジネス成果とするか、といった考え方も異なります。新しいチャネルということもあり、みなさんも試行錯誤、工夫されていることと思います。

日本ではどちらかというと、企業情報を発信する広報業務、新商品情報を発信する販促業務、顧客対応を行うサポート業務など、業務や部門の単位で、現場の試行錯誤的に行われているケースが多いのではないでしょうか。一方で先進的な企業では、ソーシャルマーケティング選任組織を部門内に設ける、あるいは部門横断のタスクチームを組織し、個々の組織目標と調整を取りながら運営されているケースもあるでしょう。

いずれにしても、ポイントとなってくるのは、ソーシャルメディアマーケティングの目標を明確に定め、投稿や返信などの業務を効率的に進めつつ、小さな成功や失敗から学んで、活動ノウハウをチーム内で共有していく…そんな姿ではないでしょうか。

アドビは、以前はソーシャル分析ツールを持っていましたが、その後の変革を通じ(買収を含む)、総合的なソリューションへと進化したAdobe Social2013年1月に国内でも提供開始しました。

ソーシャルメディアマーケティングの分野は動きが早いため、アドビも明確な投資とすばやい開発によって、ソリューションの継続的な強化に取り組んでいます。今回はProduct Marketing Managerのローレンス マック(Lawrence Mak)によるブログポストの翻訳で、さっそく見えてきたAdobe Socialの近未来の姿をお伝えします。

※以下はUS Digital Marketing Blog「Why Adobe Social 3.0 Rocks」の翻訳です。

このたび、Adobe Socialの最新バージョンについてご紹介できるのを、大変うれしく思います。何が新しいのでしょう?たくさんあります!私たちは、ソーシャルデータをビジネスインサイトへとシームレスに変換する、という目的に注力し、製品のユーザーエクスペリエンスを大幅に見直しました。また私たちは、ソーシャルマーケターの日々のワークフローについて再考し、組織内の関係者とのコラボレーションをより効率的にしたいと考えました。私としても、多忙なソーシャルメディアマーケターとデジタルマーケターを支援する、Adobe Socialがモバイル対応したという点を強調したいです。お伝えしたいことはたくさんありますが、きっと驚くはずです。

Adobe Social 3.0は今月ベータテストに入り、提供開始(general availability)は今年Q2を予定しています。これまでの取り組みと、私がぜひともお伝えしたい新機能からいくつかを、以下にご紹介します。

ソーシャルマーケティングの変革

昨年様々なお客様と交わした会話から、ほぼすべてのデジタルマーケターの方々は、ソーシャルメディア活動によるビジネスインパクトをどうやって計測したら良いだろう、という課題をお持ちでした。確かに、複数のソーシャルページの運用、特定のソーシャルネットワークにおけるファン獲得とエンゲージメント向上の戦術、といったことについて山ほどの議論がなされています。しかし、ビジネスにとってのソーシャルの役割としてもっとも望まれていることは何か、と尋ねると、答えはたったひとつ、ソーシャルからROIを得るために手助けとなるものが欲しい、ということでした。これはAltimeter Groupの調査(2012年)にも表れていて、半数以上の企業が課題として「ソーシャルメディアをビジネス成果に結びつけることができないこと」を挙げています(出典:Altimeter, The Social Media ROI Cookbook, July 2012)。

図1: Adobe Socialのキャンペーン評価画面

Adobe Socialは昨年9月(訳注:英語圏でのリリース)に一般提供開始され、これにより企業のマーケターは、ソーシャルメディアでのやり取りを、注文、ダウンロード、ビデオ再生数、あるいはもちろん収益などといった、ビジネス指標と結び付けることができるようになりました(図1)。

ソーシャルの価値は、結果として証明されました。ガートナーによれば、4社のうち3社が、今後12ヵ月以内にソーシャルメディアへの投資を強化すると回答しています。またソーシャルマーケターは、「カスタマージャーニー」に沿った複数の顧客接点をさらに効率化するため、ソーシャルメディアと他のマーケティングチャネルとの統合や連携を強化したと回答しています。

その結果、今年の課題はどうなったでしょう?もっと多くに対応したい。より良く協業を進めたい。もっと業務を効率的に。ただもっとも重要なことは、やはり、ビジネスへのインパクトを証明したい!ということです。

よし、判りました!今年も私たちは引き続き、ソーシャルメディアとビジネス成果を結びつけるお手伝いをします。それだけでなく、この課題に真正面から取り組みます。そこでここからは、こうした課題にAdobe Social 3.0がどのように解決するか、3つの新機能をご紹介します。なお、このテーマには今年後半も取り組んでいくことになります。

注目すべき、3つの新機能

1. ソーシャルデータをビジネスインサイトへ発展させる

ソーシャルデータは膨大だけれど、時間は足りない。この収集した膨大な量のソーシャルデータから、マーケターはどうしたら、アクションにつながるインサイトを導けるのでしょう?アドビ社内のExperience Designチームは、設計図を引き直し、ユーザーインターフェイスを完全に見直し、データをアクションにつながるインサイトに変えるという目的に沿った、より判りやすい見せ方を編み出しました。

図2: 新しいAdobe Socialのキャンペーン概要画面

あなたのソーシャルマーケティングキャンペーンは、反響があったのでしょうか?それは、別のキャンペーンと比較してうまく行ったのでしょうか?あらかじめ定めたビジネスKPIに貢献したのでしょうか?こうしたキャンペーンレポートを、わずか10秒で手に入れることができるようになります(図2)。

すごいでしょう。そう思いませんか?

これであなたは、どのキャンペーンが、あらかじめ定めたビジネス指標に貢献しているのか、知ることができます。そして、特定のキャンペーンに関するポスト、アプリ、キーワードといった個別のアセットについて詳しく確認し、何が有効だったかを知ることで、今後のキャンペーンに役立てることができます。

新デザインになっても、以前と同じデータは取得しています(やはりデータを見たいという人のために)ので、ちょっとしたビジネス判断をしたい時にも、すぐにインサイトが得られます。このコンセプトは、Adobe Socialのあらゆるところに活かされています。

2. 働き方、協業の仕方を見直す

アドビのProduct Managementチームは、配信、対話の仕方、やり取りと分析、別チームや他部門、協力会社との働き方といったことについて、多くのお客様から意見を伺いました。その結果として今年私たちは、組織をまたいだ関係者との新たな協業の仕方について、様々な取り組みを行うこととし、まずはコンテンツ戦略から着手します。

図3: Adobe Socialの新しいコンテンツカレンダー

新しいコンテンツカレンダー(図3)は、ソーシャルプラットフォーム/ソーシャル資産に共通したリッチなコンテンツの作成とスケジュール設定を実現し、個々の対象者に向けてすぐにポストをカスタマイズできるようになります。

分析担当者を助けたい?それなら、キャンペーンアトリビューションは、リストからキャンペーンを選ぶだけです。広告担当者との協業?Facebookに投稿するとき、いくつかクリックするだけで、「おすすめの投稿」に指定できます。競合する関係者間で使用時間を調整したい?ソーシャルコンテンツの一覧は、新しい管理画面のひとつです。

スプレッドシートよ、さようなら。新しいコンテンツカレンダーを使えば、他チームとのコンテンツ調整は、すごく楽になります。

今後数か月、私たちはさらに革新的なコラボレーション方法、日々のワークフローを改善する方法を提供する予定です。これによって、みなさんの社内での効率性やチームワークがかなり向上するはずです。Adobe Marketing Cloudに含まれるソリューションとの連携、例えばAdobe Experience Managerのデジタルアセット管理機能や、Adobe Media Managerのソーシャル広告機能との統合も予定しています。こうしたコラボレーションの強化によって、マーケティングキャンペーンにソーシャルを統合する方法は、すっかり変わるでしょう。

3. Adobe Socialはモバイルへ:どこでも使える

たくさんいるあなたの顧客は、休むことはありません。ソーシャルチャネルの運用は、365日×24時間×7日間の対応が求められるので、社内にいても、会議中にも、イベントで外出中にも、「ソーシャルでつながる」ためにはソーシャルマーケティングツールが必要です。

新たに登場するAdobe Socialのモバイルおよびタブレット機能は、iOSおよびAndroidブラウザーに特化した、可変なレスポンシブデザインのタッチインターフェイスを提供します(図4/5)。これを使えば、顧客の動向、ビジネス機会やブランドへの脅威などをどこでも把握できます。返信したり、担当者へ転送したり、投稿されたばかりの写真を共有したり…といったことが、自宅に居ながら、できるようになるのです。

図4: スマートフォンからAdobe Social

図5: タブレットからAdobe Social

私たちは、どんなモビリティかを問わず、モバイルに注力しています。ですので、今度はあなたがCMOの執務室を訪れて、「ソーシャルキャンペーンの調子はどうなんだ?」と聞かれたとしても、近づきながらiPadをさっと取り出し、キャンペーン詳細レポートを呼び出して、サッとそれを見せ、例えば、キャンペーンから$68,000の売上が出ており、予定していたより$11,000も好調で、中でもどのつぶやきが売上の$8,000に貢献しているか、といったことを説明できるでしょう。きっと、あなたはヒーローになれます。

Adobe Socialの変革

ソーシャルマーケティングは、今年はアドビにとってすばらしい年になりました。

Adobe Socialについて詳しくは、www.adobe.com/jp/products/social.html(訳注:こちらは日本語ページ)をご覧ください。また、@AdobeMktgCloudj(訳注:日本のアカウント)でつぶやいてみてください。今後もお楽しみに。

By Lawrence Mak