マーケターの強力な援軍、Adobe Targetでパーソナライゼーション
古くて新しいテーマ、パーソナライゼーション
デジタルマーケティングの世界には、古くて新しいテーマがいろいろとあります。データや分析に基づいた「パーソナライゼーション(personalization)」もそのひとつでしょう。
情報爆発時代と言われて久しく、顧客は氾濫するさまざまな情報に翻弄されています。街を歩いた時、もし店の看板やショウウィンドウといったものが無ければ、何を売っているのか判別ができません。欲しい物を見つけるのも大偶然良いものに出会うこともないでしょう。一方、もし通り過ぎるすべてのお店から呼び込みを受けたとしたら、もうその通りは避けようと思ってしまうかもしれません。
情報は多ければ便利になる反面、多すぎる情報はかえって邪魔なものとなってしまいます。人ひとりが扱える情報量には、一定の上限があるからです。
そうした中、企業が見込み顧客の心をつかむには、「買って欲しい相手に、欲しいと感じてもらう」ための施策や工夫が欠かせません。ビッグデータ活用が取りざたされているのも、データから何かが見えてくるのではないか、という期待感からではないでしょうか。
以前から耳にしている人ならば、パーソナライゼーションは幻想だ、と思うかもしれません。また、今こそパーソナライゼーションの時代だ、という人もいます。いずれにしても、ビッグデータを活用すれば無条件に「バラ色な世界」が得られるということはありません。パーソナライゼーションは、「理想的だが扱うのは難しい」テーマではないでしょうか。
幸い、オンラインでは様々な見込み顧客の属性情報を得ることができます。問題は、適切な相手に、的確なコミュニケーションをすることができるかどうか、これに尽きるでしょう。そしてアドビは、データとコンテンツを最適に届けるソリューションを持っており、ますます進化させています。
このブログポストは、Adobe Marketing Cloudに含まれる5つのソリューションの一つ、Adobe Targetについて、Product Marketing Managerのケビン リンゼイ(Kevin Lindsay)がお伝えした内容を翻訳でお届けします。オリジナルは以前(2/28)ポストされたものですので、若干補足しています。なお、機能強化などの計画は予告なく変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。また、Adobe Targetについてはソリューション概要もあわせてご覧ください。
※以下はUS Digital Marketing Blog「Adobe Target Arms Marketers with Personalization Firepower」の翻訳です。
浸透し始めたパーソナライゼーション
この何年か、私たちのお客様の取り組みを見て感じることがあります。それは、各企業のオンラインのパーソナライゼーション戦略が、ますます洗練されたものになってきている、ということです。先進的な小売、銀行、メディア企業など、いつ、どの方とお会いしても、分析データを元に訪問者をセグメント化し、ターゲティングされたエクスペリエンスを提供する、といった取り組みを実現されていることに、驚かされます。しかし、洗練すればするほど、要件も増していきます。マーケターは訪問者に対して、もっとダイナミックなコンテンツを提供したいと考えていますが、労力はかけたくないとも感じています。訪問者像を深く理解し、より相手に即したエクスペリエンスにするためには、きちんと統制された、柔軟性の高いパーソナライゼーション戦略が求められます。また、パーソナライズされたキャンペーンの成果はどうだったのか?ということも、きちんと把握したいと多くの方々が考えています。
顧客のイノベーションに応える
これこそ、お客様の更なるパーソナライゼーション戦略を支援するために、私たちが強力な投資を行っている理由です。私たちは、より優れた、データドリブンなパーソナライズされたキャンペーンを実現すべく、イノベーションを続けています。私たちは、Adobe Marketing Cloudに含まれるソリューションのひとつ、Adobe Targetに様々な拡張を施し、テストやターゲティング機能を、コンテンツのプロモーション、レコメンデーションを、単一の製品へと統合しました。Adobe Targetを活用すれば、訪問者とのやり取りを最適化し、コンバージョンを促し、さらに末長く顧客のロイヤルティを保つ上で、マーケターの力となります。さらに私たちは、皆さんがソリューションの価値を引き出せるよう、価格体系を合理化し、サーバーコールを統一しました。
Adobe Targetでデータに基づいたパーソナライゼーションを実現し、ビジネスに貢献
進化するAdobe Target
オンラインのパーソナライゼーションをしやすくするため、計画しているAdobe Targetの主な機能強化は、次の通りです:
- 数ヶ月のうちに、Adobe AnalyticsとAdobe Targetは初めて、訪問者セグメントを共有できるようになります。これによって、的確な訪問者分析データを活用し、コンテンツのターゲティングとパーソナライズを正確かつ適切に実現できます
- 現在Adobe Targetは、Adobe Experience Managerとの統合により、マーケターとコンテンツ担当者はよりスムーズに協働し、Webサイトの構築過程でターゲティングされたコンテンツによるキャンペーンを展開しやすくなります
- 数ヶ月先には、訪問者プロファイル/cookieの期限を14日から90日へと延長できるようになります。これによりあらゆる業種で、それぞれのビジネスニーズに沿ったパーソナライズを実現できるようになります
Adobe AnalyticsとAdobe Targetでセグメントを共有
マーケターは、これまでにない動的でリッチなコンテンツを駆使して、パーソナライズされたWebサイトを展開することができます。これによって、Webサーバーやコンテンツ管理基盤に置かれたコンテンツを、有効活用できるようになります。その結果、業界有数のページ応答時間を誇る私たちのテクノロジーを引き続き向上させ、それを活用するマーケターにとっては、高度にパーソナライズされたコンテンツの提供を、Webサイトの性能を気にすることなく行うことができるのです。これは、以下のように実現しました:
- サードパーティのデータセットを、一括してAdobe Targetに統合する機能。このアップデートは現在、個別のサーバーコールをバイパスし、様々なデータソースをひとつのキャンペーンミックスへと容易に束ね、よりターゲットされたエクスペリエンスを提供できるようにします
私たちはまた、セグメントやターゲティングの自動化と高度化を、マーケターが求めていることを理解しています。そのため私たちは、柔軟なアルゴリズムによって自動化された、より高度な行動ターゲティング機能を提供することで、マーケターがもっとターゲティングを実行しやすくします。重要なものをご紹介します:
- Adobe Targetは高度な数学的モデリング技術を用いて、個々の訪問者向けのコンテンツや製品レコメンデーションを自動的に決定します。マーケターが選べるアルゴリズムには何十種類もあり、これに基づいてコンテンツをターゲティングすることができます。また近々、自動化された行動ターゲティングアルゴリズムを可視化する新機能をリリースします。これによりマーケターは、Webサイトの異なる領域に渡ってパフォーマンスを確認できます。この機能を使えば、どれが顧客に最も効いているか、それぞれの状況に応じて理解できます
- Adobe Targetのエンジニアリングチームは、アドビリサーチグループのインテグレーションラボと協働体制をとっています。この体制を通じて私たちは、ユーザーを理解し、エクスペリエンスを最適化する、新たな手法を発明、実装しようとしています。業界やビジネスニーズによって異なるターゲティングの課題をAdobe Targetによって解決できるよう、新しい自動的な行動ターゲティングのアルゴリズムをテストし、最適化しています。例えば、行動プロファイル全体ないしライフタイムバリューに基づいてターゲティングする場合と、現在の、セッション単位の行動を基にする場合の、いずれが効果的か、といったことをテストしています
イノベーションを加速させる
Adobe Targetチームは最近専任スタッフの数を倍増させており、Adobe Targetの進化に対して、今後数ヶ月にわたって取り組み続けていきます。私たちはAdobe Targetを基礎から見直し、全く新しいパーソナライゼーションおよび最適化の製品へと進化させ、分かりやすく使いやすい、ビジュアルなものにして、利用者にプロアクティブな最適化フローを提供することで、より高いビジネス成果をもたらすことを目指しています。強力な行動ターゲティングへの注力と、マーケターの業務フロー強化により、私たちはマーケターに、ターゲティングされたキャンペーンを実行するリアルタイムの意思決定エンジンを提供することを目標としています。
それぞれに最適なエクスペリエンスを
Adobe Summitの「Sneak Peak」では、生まれ変わったAdobe Targetの動く姿をいち早くご覧頂けます。またターゲティングと最適化トラックでは、皆さんの競争力強化のお役に立つセッションが多数ありますので、チェックしてみてください(訳注:US Summitは3月に開催されました)。
By Kevin Lindsay