Photoshop シャープの話

こんにちは。アドビの栃谷です。前回ご紹介したPhotoshop CCのストリーミングビデオはご覧いただけましたか?

今回のメジャーアップデートは「シャープな進化」がキーワードです。このブログでは、この「シャープな進化」についてを、シリーズで説明したいと思います。と、いってもいきなり新機能の話ではありません。画像をシャープにする事のメリットや方法を、やさしく、昔のツールも紹介しながらご紹介していきます。

Photoshopを利用して、デジタルカメラで撮影した写真やスキャンした画像は、シャープ化する事をお勧めします。Photoshopのヘルプにも、このように記載されています。

「シャープにした画像では、エッジの定義が強調されます。デジタルカメラで撮影した画像でも、スキャンした画像でも、シャープにすることで大部分の画像によい効果がもたらされます。必要なシャープの適用量は、デジタルカメラやスキャナーの性能によって異なります。シャープにしても、大きくぼやけた画像を補正することはできません。」

一般的に、この「シャープにする」作業はPhotoshopのフィルターメニューにある、「アンシャープマスク」が利用されています。これはPhotoshopが登場した最初のバージョンから搭載されているツールです。他のツールで、「シャープ」「シャープ(強)」「シャープ(輪郭のみ)」もありますが、適用量の設定が無いため、「アンシャープマスク」が一般的に使われるツールである理由です。

Photoshop CCのシャープフィルターのメニュー

Photoshop バージョン1.0のフィルターメニューとアンシャープマスク

良くある質問です。

Q. シャープにする機能なのに、「アンシャープ」という名称なのはなぜ?
A. 「アンシャープ」という言葉で、シャープを反対にする、つまりぼかす機能なの?という質問を受けます。アンシャープマスクという名前は、従来のフィルムを使用した写真に使用される暗室でのテクニックです。シャープネスをあげるため、ぼけマスク(アンシャープマスク)を使い、オリジナル写真とぼけマスクを比較し、差分を検出してからエッジを強調する作業に由来します。

Q. アンシャープマスクはピンぼけの写真を直すの?
A. アンシャープマスクはよくピンぼけ写真を修正するツールとしてよく紹介されます。このツールは正しくは、「アンシャープマスクを利用する事で、画像のエッジ(輪郭)沿いにコントラストを強調し、画像をシャープにする」ツールです。その為、あたかもピンぼけ写真が、ピンがあっている写真に補正されるような仕上がりになる、ということになります。

ということで、旧来からPhotoshopを使っている方には、ちょっと物足りない話だったかと思います。ですが、過去を振り返る事で、最新版のメリットも理解できるきっかけになればと思います。

次回はアンシャープマスクの詳細を紹介する予定です。今回はPhotoshop シャープの話でした。