RAW現像処理、Camera Raw の話

ご無沙汰していました。栃谷です。そして今回のPhotoshopブログは、RAWデータ現像処理の話です。シャープの話を期待していた方、ごめんなさい。ですが読者の皆様に有益な情報を掲載するPhotoshopブログ。ですので、今回はRAWデータを現像する「Camera Raw」プラグイン情報の話とさせていただきます。

「RAWデーターって何?」という方は、ぜひPhotoshop Magazineサイトをお読みください。
「Camera Rawって何?」という方は、アドビの製品ページに掲載されている「Camera Rawについて」をご覧ください。最新バージョン番号はAdobe Camera Raw 7.4、そしてLightroomは4.4です。

ここまでで、RAWデータのメリット、それを現像するCamera Rawテクノロジー、最新のバージョンの話は終了となります。

おっと、そしてもう1つ。Adobe Labsというサイトを紹介します。これは米国にあるサイトで、アドビ社にて現在開発中、将来提供される新しいテクノロジーや、ベータ版が提供されるサイトです。あくまでもベータ版なのでメーカー保証は基本的にありませんので、ご利用の際には事前にご了承ください。

さて、これからが本題。今回のブログでは2つのポイントがあります。
まず1番目。Adobe Labsでは現在開発版(Release Candidate)の、Photoshop CS6に対応するCamera Raw 8.1 RCが配布されています。今回はハッセルのH5D-60やオリンパスのPen E-P5、E-PL6、そしてペンタックス リコーのGRなど、5社7機種がサポートされます。また、多くのレンズプロファイルも追加されました。こちらは無償で提供されているので、ぜひお試しください。
(ここで「あれ?!」と思う人は、旧来からCamera Rawを利用し、Photoshopで現像処理をしている方だと思います。ヒントはすべて記載済です)

Adobe LabsのCamera Raw 8.1RCのページ

これからが重要なお話。まずはこれまでの背景から。

最新デジタルカメラから生成されるRAWデータ対応するためには、新しくCamera Rawプラグインをアップデートする必要があります。しかし、ここで良くある話。Photoshopがバージョンアップした後、旧バージョンのPhotoshopの為に、旧バージョン用のCamera Rawプラグインをアップデートすることはありませんでした。結果、ユーザーの皆様は新しいデジタルカメラを買い替え時には、必然的にPhotoshopの最新版を購入して、最新機種カメラのRawデータ現像をしていたと思います。
具体的バージョン番号ですが、Photoshop CS6に対応するのはCamera Rawのバージョン7です。そしてCamera Raw 7で新しく対応したカメラは、Photoshop CS5以前では対応しておらず、最新版のPhotoshop CS6を購入する必要があった、ということです。

そこで疑問です。常に最新版が利用できるCreative Cloudでは、どのような対応方法になるのか?この回答が2番目のポイントです。

今回のCreative Cloud提供開始をきっかけに、Camera Rawの開発方向性が変更になりました。正式提供となる最新Camera Raw 8.1はPhotoshop CCだけでなく、Photoshop CS6でも利用可能です。逆に言えば、これから随時更新されるCamera Raw 8.xのアップデートは、Photoshop CS6でも継続して利用可能となります。これは正式に米国本社より情報開示されているブログに掲載されています。

Camera Rawの戦略方向の記載ブログ

ただし注意として、新しいカメラ対応のみです。Photoshop CCで新たに搭載された、「刷新されたスポット修正」「円形フィルター」「Uprightテクノロジー」は、Photoshop CS6では利用できません。この機能を利用したい方は、ぜひPhotoshop CCをご利用ください。

まとめると、今後RAW現像をPhotoshopでしているユーザー様は、最新デジタルカメラを買い替えたとしても、安心してPhotoshop CS6、またはPhotoshop CCを継続して使用できるということです。

以上、Raw現像処理とCamera Rawの話でした。