Adobe AnalyticsにまつわるCookieのおはなし

サードパーティCookieって?

サイトのウェブ解析、Web分析をはじめようとすると、多くのマーケターの方が一度は耳にすることになるCookie(クッキー)。これはWebサイトにおける訪問の管理や訪問者情報を一時的または永続的に保存するためものです。

Adobe Analytics(旧SiteCatalyst)でも、基本はこのCookieをベースに訪問者の特定を行なっています。

さて、訪問者の特定やデータの引き継ぎなどにも非常に便利なCookieですが、大きく2種類があります。ファーストパーティCookie(First-Party Cookie)とサードパーティCookie(Third-Party Cookie)と呼ばれるもので、このふたつの違いは以下の通り『設定元』になります。

ファーストパーティCookie
訪問先のサイト(ドメイン)が設定しているCookie

サードパーティCookie
訪問先以外のサイト(ドメイン)が設定しているCookie

サードパーティCookieは、ブラウザーの設定によってブロックされてしまうこともあります。また訪問先以外のサイト(ドメイン)が設定していると書いてしまうと不安に思われるかもしれませんが、このサードパーティCookieは計測に関わらず普段のブラウジングの中でも多く活用されています。

たとえば、この記事を読んでいるブラウザーで過去にFacebookへログインしている場合、Facebookから読むことの可能なfacebook.comが設定元のCookieがブラウザーに記録されています。これがサードパーティCookieです。このCookieに保存されている情報は、Facebookの『いいね』ボタンが読み込まれるたびに発行元であるfacebook.comに送信されます。

それぞれのメリット

Adobe Analytics(SiteCatalyst)ではファーストパーティ、サードパーティいずれのCookieを利用しても計測設定を行うことが可能です。どちらのCookieで計測するかを選択するためには、それぞれの特性を知っておく必要があります。

ファーストパーティCookieで計測すると…

サードパーティCookieで計測すると…

例:MST(※)によりグローバル全体と各国のユーザー行動を計測し、レポート分析を行う場合

グローバル全体:mysite.com, mysite.co.jp, mysite.co.uk
日本:mysite.co.jp
ユーザーAがmysite.co.jpからmysite.comに遷移した場合、
サードパーティCookieで実装されていれば同一の訪問/訪問者となる。
それによりグローバル全体のレポートにて、異なるドメイン間のユーザー行動を把握することができる。

Cookieがブラウザーの設定によりブロックされてしまう?

ファーストパーティCookieの特性として「Cookieがブロックされない」ということを挙げた通り、サードパーティCookieはブラウザー設定によりブロックされる場合があります。

設定元が閲覧サイトとは異なるドメインとなる為、セキュリティやプライバシーを考慮してSafariを筆頭にデフォルト設定でサードパーティCookieをブロックするなど、制限が強まっています。

この風潮については、ユーザーのプライバシーとビジネス機会のバランスの話になるため、とてもデリケートではありますが、Adobe Analyticsはこういったブラウザー仕様の最新動向に合わせて日々進化しています。

サードパーティCookieブロック時のAdobe Analytics

Adobe Analyticsからは主に3つのCookieが設定されます。その中に訪問者を識別するための『s_vi』というCookieが含まれています。このCookieは、ファーストパーティCookieの場合にはそのサイトのドメインから発行され、サードパーティCookieの場合は、『sc.omtrdc.net』や『.2o7.net』というドメインから設定されます。

サードパーティCookieをブラウザーがブロックする設定となっている場合、これらのドメインもブロックされることになります。その場合、Adobe Analytics(SiteCatalyst)ではIPアドレスとユーザーエージェント(※)により訪問者を識別していました。しかしこの組み合わせでは『訪問者』という個々を識別するには粒度が荒くなってしまう為、精度を向上するために新しく『s_fid』というファーストパーティCookieが設定され、この状況を回避できるようになりました。

これによりサードパーティCookieで計測導入されている場合も、ブラウザー側の設定による訪問者識別の精度低下を抑えることが可能です。この『s_fid』というCookieは、Adobe AnalyticsのコアJavaScriptのバージョンH.25.3以上から設定されるようになっています。

ここまでCookieについてお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。すでにAdobe Analyticsを導入されている場合は、こういった最新のCookieとブラウザー事情をふまえ、コアJavaScriptのバージョンアップを検討されてみるのも良いかもしれません。

※MST:Multi Suite Taggingの略称。計測情報を複数のレポートスイートに対して一度に送信するソリューション
※ユーザーエージェント:ブラウザーや接続端末のOSバージョンなどからなる情報

筆者:川島 えり子 アドビ システムズ株式会社 コンサルティング部コンサルタント
カスタマーサポート業務を経て、広告代理店にてSiteCatalystの導入支援を担当。2012年より現職。現在は、コンサルタントとして、Adobe Analyticsの導入や企業のオンラインマーケティングを成功に導くための分析・最適化のコンサルティングサービスを提供している。