アドビ、レンダリング プラットフォームのAdobe PDF Print Engine 3を発表 新しい拡張フレームワークのMercury RIPアーキテクチャに対応
アドビ システムズ 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:クレイグ ティーゲル 以下 アドビ)は、本日、Adobe Portable Document Format(PDF)をベースとするエンドツーエンドの印刷ワークフローに最適化された、次世代レンダリング プラットフォームであるAdobe PDF Print Engine 3を発表しました。
Adobe PDF Print Engine 3には、業界で最も高速なデジタル印刷機、大判プリンタ、プレートセッターなどを駆動するために必要な、拡張性を高めた新しいアーキテクチャとパフォーマンスの強化が組み合わされています。Adobe PDF Print Engine 3は印刷サービスプロバイダー(PSP – Print Service Provider)、印刷関連のOEMソリューションプロバイダー、およびデザイナーがグラフィックを多用した複雑なコンテンツを印刷するための最も強力なレンダリング プラットフォームです。
Adobe PDF Print Engine 3は、RIPの処理能力を拡張し、処理負荷を利用可能なハードウェアの間に動的に分散する、拡張性に富んだ並列処理フレームワークであるMercury RIP アーキテクチャとの組み合わせも対応しています。Mercury RIP Architectureは将来の高速デジタル印刷も支えるよう設計され、特にバリアブルデータプリンティング(VDP)に優れています。PDF Print Engine 3とMercury RIP アーキテクチャの組み合わせが業界最速のレンダリング技術であることは、アドビが最近実施したテストにおいても立証されています。
長年のOEMパートナー各社により、Mercury RIP アーキテクチャを活用したソリューションの開発が進められています。富士フイルムからは、JetPress 540Wを対象としたMercury RIP アーキテクチャをベースとするXMF 5.5が9月5日に発表され、今後数週間から数か月のうちに、富士ゼロックス株式会社、大日本スクリーン製造株式会社、Canon Production Systems社、EFI社、Kodak社、およびXeikon社をはじめとする多数の業界リーダー企業からMercury RIP アーキテクチャ対応の新製品が発表される予定です。
富士ゼロックス株式会社のコントローラプラットフォーム第一開発部マネージャーである加藤 統久氏は、「当社では2011年以来、色再現や高いパフォーマンスを望む、デザイナーを中心としたプロユース向けの製品ラインにAdobe PDF Print Engineを使用しています。このPDFイメージング モデルは業界最高の堅牢さを備え、またPDF Print Engine 3は今まで以上に、弊社が望む高いパフォーマンスが期待でき、要求が高いユーザーも満足できるエンジンになっています」と述べています。
大日本スクリーン製造株式会社のメディアアンドプレシジョンテクノロジーカンパニー副社長である鶴谷 佳憲氏は、「当社はMercury RIPアーキテクチャを高く評価しています。大量のデータを高速かつ正確に出力することが求められる昨今の印刷制作ワークフローにおいて、このアーキテクチャを活用することで、お客様の厳しいニーズにお応えできる製品の実現に期待しています」と述べています。
Adobe PDF Print Engine 3はInDesign、Illustrator、Photoshop、Acrobatなどのアプリケーションを含めたAdobe Creative Cloudにも対応しています。これにより最新のオーサリングツールを用いてデザインした、複雑でインパクトの高いグラフィックスであってもイメージ通りの出力が可能となります。
Adobe PDF Print Engine 3の主な新機能と、ユーザーにもたらすメリットには以下があります。
・ Adobe PDF Print Engine 3と組み合わせたMercury RIP アーキテクチャは、Print Engine上で同時に発生する複数のインスタンスを管理し、単独のシステムやネットワーク化された複数のシステムのスループットを最大限に高めます。印刷ジョブの負荷を複数の印刷機の間で並列、動的に分散することによりすべてのリソースを活用します。
・ Adobe PDF Print Engine 3は、印刷業界で急速に成長している分野であるハイボリュームワークフロー(HVTOやTranspromoなど)に連続的にストリーミングされるPDFとPDF/VTにも対応しています。
・ Adobe PDF Print Engine 3はReaderやAcrobat XIの表示に対応したコンテンツ レンダリングを行います。印刷ワークフローのすべての段階において同じAdobe PDFのコア技術が使用されるため、期待する結果が確実に得られると共に予想外のトラブル発生を解消します。
アドビのプリント アンド パブリッシング シニア バイスプレジデントであるナレシュ グプタ(Naresh Gupta)は、「アドビは30年前にPostScriptを発表し、デスクトップパブリシング革命を引き起こしましたが、今回発表したPDF Print Engine 3は印刷技術のリーダーとしてのアドビの位置付けを改めて示したものです。処理の高速化と予測性の向上は、アドビのパートナー企業の顧客である世界中の印刷会社の収益拡大に直結します」と述べています。
本日の発表はまた、2006年に発表されたPrint Engine SDK(ソフトウェア開発キット)の革新がさらに続いていることを示しました。このSDKはオフセット印刷システムを提供していた企業に最初に導入された後、現在では世界中で9万台を超える稼働中の印刷システムに使用されています。最近の3年間では、大手ベンダーへの導入が進んでいます。
Adobe PDF Print Engine 3は、バージョン2.5と2.6が提供されていた同プラットフォームの最新版です。Adobe PDF Print Engine 3に関する印刷サービスプロバイダーおよび世界の印刷OEM企業向けの詳細な情報はこちら
< http://www.adobe.com/jp/products/pdfprintengine.html >をご覧ください。