Photoshop Lightroom ユーザー事例 – 福田 悟

東京カメラ部10選PHOTOビフォーアフター Case03:福田 悟

▼インタビュー▼ビフォーアフター解説

なぜカメラ付属のソフトではなくPhotoshop Lightroomを使用しているのですか?

僕の場合は基本的にPhotoshopで仕上げますので、親和性が高いPhotoshop Lightroomを使っています。

Photoshop Lightroomを使い始めたきっかけは?

Photoshop Lightroomを知ったのはだいぶ前でしたが、使い出したのは去年からです。それまではカメラメーカー純正のソフトとDxO Optics Proという現像ソフトを使っていました。Photoshop Lightroomの名前はかなり前から聞いていましたが、個人的にファイル管 理ソフト的な機能は余計だと思っていたので最初は興味が湧きませんでした。その後、だんだん良い評判を聞くようになり値段も結構安かったので購入しまし た。それからはずっとPhotoshop Lightroomを使い続けています。

評判は直接誰かに聞くというよりはカメラ関係の雑誌やブログなどで知りました。昔から明暗の調整に苦労していたので、その辺がコントロールしやすいと知ったのが大きかったですね。

現像にどれくらいの時間を費やしていますか?

特に難しいものでなければ、Photoshopでの追い込みを合わせて10~30分ぐらいです。

Photoshop Lightroomでの現像を想定した撮影をしていますか?

白飛びしてしまうと色やディテールを再現できないので、基本的に撮影するときは露出アンダーで撮っています。最近 はカメラの性能もすごく良くなって来ているのもありますし、Photoshop Lightroomでは暗部を持ち上げてもノイズを上手く処理できて色を出すことができますので、それを意識して暗めに撮っています。 ですので撮って出しではほとんど使えない写真になっています。撮影はPhotoshop Lightroom用の素材を撮っている感覚です。

どちらかというと僕は写真を加工していくうちにイメージを作り上げていくタイプなんですが、半分は 「Photoshop Lightroomがあればこんな感じで撮っておけば大丈夫かな?」と撮るときにイメージしています。たまにうまくいかずに失敗をする時もありますけど (笑)

良く使う機能や、その使用感を教えてください。

基本補正:ハイライト&シャドウ

一番よく使う機能です。昔はダイナミックレンジを広げる為に露出を変えながら何カットも撮影してHDR合成をして いましたが、最近ではカメラの性能も上がったこともあり、Photoshop LightroomとPhotoshopのシャドウ&ハイライトのコントロールでほぼHDRの代わりになり、ワンカットから作品を作ることができます。
今でもワンカットから現像できないような状況であればHDR合成で対応しようと、念の為ブラケット撮影しているんですが、今のところHDR合成が必要になった事はないですね。

基本補正:ホワイトバランス

もちろん使っています。ホワイトバランスと明暗のコントロールがPhotoshop Lightroomで一番使っている機能ですね。

ディテール:シャープ、ノイズ軽減

特に暗い側を持ち上げたりしてる場合はPhotoshop Lightroom側でノイズを気にならない程度に取ります。シャープのほうはPhotoshopに持っていってからかけることが多いです。

レンズ補正

レンズプロファイル補正と、色収差除去を使っています。 また、水平、垂直の補正は基本的にPhotoshopで行っています。Photoshop Lightroomで補正を行うと書き出しが遅くなる気がする為なんですが、使っているパソコンのスペックや扱っている画像サイズ(7360×4912ピ クセル)も関係しているかもしれません。尚、Photoshopでの編集は作業性と保存の問題から、4500ピクセル程度にリサイズして行っています。も し大きいサイズが必要になった時はオリジナルから再度現像します。

Photoshopは使用していますか?また、どのように使用していますか?

Photoshop Lightroomでは基本的な色味や明るさ、ノイズを調整して、Photoshopでごみ取りや歪み補正、トーンカーブなどを使って仕上げています。作 業自体はPhotoshop Lightroomだけでも可能だと思いますが、Photoshopだとレイヤーを複数使って、この部分はこのレイヤーを残し、それ以外は消すというよう な処理がやりやすいので仕上げに使っています。
また、昔から建築の仕事でプレゼンテーション用に写真を修整したり図面を加工したりしているので、Photoshopに慣れているというのも大きいですね。

Photoshop Lightroom用のプラグインは使用していますか?

Nik Collectionを一応入れていますが、使っていません。

Photoshop Lightroomで特にお気に入りの機能はなんですか?

ホワイトバランスと、ハイライト&シャドウなどで明暗のコントロールが直感的にできるところですね。

Photoshop Lightroomに改善して欲しい点や、追加して欲しい機能はありますか?

特に今のところ無いですね。現状で、自分のやり方ではほぼ満足できています。

まだPhotoshop Lightroomを使用したことのが無い方へ一言。

Photoshop Lightroomを使い出すと他の現像ソフトは使わなくなりますね。 以前は渾身の1枚の写真を現像する際などには、複数の現像ソフトを使っていても、緑などが綺麗に表現できる事からカメラメーカー純正ソフトを使っていまし た。でも、Photoshop Lightroomを使用してからは純正品を使わなくなりました。今のPhotoshop LightroomとPhotoshopの連携で自分の求める色が出ていますので、ちょっとした差で純正ソフトを使う必要はないかなと思っています。

あとは、やはり明暗のコントロールがしやすいのが良いですね。評判以上のソフトでした。低価格な点も魅力です。

ビフォーアフター1

Before

After

◎基本補正:
・オートホワイトバランスの色味を色温度で実際の印象に調整します。
・ハイライトを下げ、シャドウを上げて、ダイナミックレンジを広げます。
・明瞭度を強めて全体にメリハリを付けます。
・自然な彩度をやや強めて 空の青を調整します。

◎トーンカーブ:
・ポイントを設定して明暗を調整します。

◎段階フィルター:
・上部の空と下部の雲海を個別に調整します。
空は色温度で色合いを、雲海部分は露光量をアップし ハイライト、シャドウ等を調整して雲や山の表情を出します。

◎レンズ補正:
・レンズプロファイルを選択し、色収差除去も行います。
・この作品の場合は周辺光量補正を少し暗めに設定しています。

この後は、Photoshopへ移行しゴミ取りや明暗の微調整、最終色調整を行って作品を仕上げます。

ビフォーアフター2

Before

After

基本的には1と同じような調整を行いますが、この写真は逆光でかなりアンダーに撮っていますので、ハイライト、シャドウをかなり大きく補正し、ノイズもできるだけ取るようにします。

ビフォーアフター3

Before

After

これも基本は1と同じような調整を行っています。
また、部分部分で湖面の青みを強調したり、オートホワイトバランスで白っぽくなってしまった雲の色調整や、雲の表情を出す明暗調整を重点的に行っています。

福田 悟
東京都出身、神奈川県在住。 カメラ歴は長いが、年に数回、紅葉や桜、富士山を撮りに行くだけで、人に見せたりコンテストに出すでもなく、単に撮りためるだけのオヤジ趣味。ここ数年は撮影にも殆ど行かなくなっていた。
昨年11月に人に勧められるまま、初めて東京カメラ部に写真を2枚投稿したところ、両方とも10選に入ってしまうという奇跡で、カメラ人生が大きく変わる。撮影も好きだけど、自分のイメージの色を創り上げていく画像処理が命と思っている。
最近、風景以外にもちょっと興味が出てきたところ。

Photoshop Lightroom使用環境

撮影環境

東京カメラ部10選
東京カメラ部がFacebookページにてシェアした写真の中で、クチコミ度が高かった写真とその写真の撮影者。