Photoshop Lightroom ユーザー事例 – Sho Shibata

東京カメラ部10選PHOTOビフォーアフター Case01:Sho Shibata

▼インタビュー▼ビフォーアフター解説

なぜカメラ付属のソフトではなくPhotoshop Lightroomを使用しているのですか?

複数のメーカーのカメラを使っているのですが、各メーカーごとのソフトを使うと使い方も違いますし管理も一元化できません。ですが、Photoshop Lightroomを使えば現像環境を統一することができます。また、作品によってPhotoshopを使う場合があるのですが、Photoshop Lightroomなら画像のクオリティが高いままPhotoshopへ引き渡しができますので重宝しています。

Photoshop Lightroomを使い始めたきっかけは?

最初の頃、自分も含めて周りのカメラ仲間でRAW現像をしている人が少なかったんです。その中で写真が劇的に変 わった友人がいて、「あれ?急にうまくなったね!?」と仲間内で話題になりました。その友人に話を聞くとPhotoshop LightroomでRAW現像をしたとのこと。そしてRAW現像のプロセスが大事なことなんだなと知り、Photoshop Lightroomを使い本格的にRAW現像をはじめました。

現像にどれくらいの時間を費やしていますか?

パッと決まれば30分も掛からない場合もありますが、通常は2 ~3時間かけて現像しています。その後、一晩置いて次の日に写真を見て気になれば修正を加えていきます。同じ写真を見続けていると感覚が麻痺してしまい悪 いものが良く見えてしまったりするので、時間を空けて作業するようにしています。

Photoshop Lightroomでの現像を想定した撮影をしていますか?

多少暗く写っていてもPhotoshop LightroomでRAW現像をすれば明るくしてディテールを出すことができます。逆に白飛び(明るく写りすぎて白の階調が無い状態)してしまうと、 ディテールを引き出すのは難しいので、白飛びを避けるよう常にアンダー気味に撮影をするようにしています。ホワイトバランスなどもRAW現像で自由に設定 できますので、カメラの設定は気にせず撮影しています。乱暴な言い方ですが、ある程度適当に撮影してもPhotoshop Lightroomがあればどうにかなると思っています(笑)

良く使う機能や、その使用感を教えてください。

基本補正:ハイライト&シャドウ

良く使っています。特にハイライト。マイナス側に調整することで白飛びしそうになっている部分のディテールを引き出すことができます。この機能は本当に良く使っていますね。

基本補正:ホワイトバランス

ほとんど撮影時のままの設定が多いですが、メニューの設定にある「自動ホワイトバランス」を使うことがよくありま す。この機能はとても正確で重宝しています。僕は春に桜の写真をよく撮るのですが、夜桜の写真などはこの自動調整一発でバッチリ決まります。また、写真を ワザと青っぽく仕上げたりする場合などは、色温度も使用しています。

スポット修正ツール

レンズフードのケラレ(レンズフードなどが写真の周辺に写り込んでしまう状態)などを消したり、ゴミ取りなどに使用しています。Photoshopも使っていますが、よほど細かい部分の修正ではない限りPhotoshop Lightroomのみで作業をすませています。

ディテール:シャープ、ノイズ軽減

シャープとノイズ軽減もとてもよく使う機能です。僕はシャープを強くかけてカリカリに仕上げるのが好きなんです が、シャープを強めるとどうしてノイズが強まってしまいます。そこへノイズ軽減を使ってバランスよくノイズ除去することで、シャープながらノイズを抑えた 作品に仕上げることができます。

レンズ補正

僕にとってはマストな機能ですね。レンズプロファイルも使いますが、5のバージョンアップでUprightの補正がかなり強力になりましたよね。僕はPhotoshop Lightroomを3から使用していますが、5のバージョンアップで一番良かった機能ですね。

段階フィルター、円形フィルター

段階フィルターや円形フィルターを使ってシャープや明瞭度をかける範囲を調整したり、部分的な色味の調整を行った りしています。また、円形フィルターを使って周辺減光の処理も行っています。周辺減光に関してはレンズ補正に専用の機能がありますが、中心点の移動ができ ないので、位置を調整したい場合は円形フィルターを使いますし、レンズ補正と二重で使う場合もあります。

トーンカーブ

カーブを触って調整するのが普通だと思いますが、Photoshop Lightroomの場合は画像のポイントを選択して調整ができるので直感的で良いです。

プリセット

Photoshop Lightroomにデフォルトで入っているプリセットを使っています。プリセットで方向性を決めて、その後に細かい調整をして作品として仕上げたりもし ています。海外などでフリーのプリセットも出ていますが、種類がありすぎてどれが自分のスタイルにあったものかを判断できず、まだあまり使っていません。

あと、自分のオリジナルのプリセットは作っていません。僕の場合、毎回現像の方法が異なってしまうので、プリセットにしにくいのです。正直な話「もう一度同じ現像をしてください」と言われても、自分でもどこをイジったのか覚えてないので、同じ現像は二度とできませんね(笑)

Photoshopは使用していますか?また、どのように使用していますか?

僕は風景の写真に別撮りした人の写真を点景として合成した作品などを作っています。その合成作業にはPhotoshopを使っています。

Photoshop Lightroom用のプラグインは使用していますか?

プラグインは使っていませんが、現在モノクロ用のプラグインで「Nik Collection」の「Silver Efex」を知人に薦められており、興味があります。

Photoshop Lightroomで特にお気に入りの機能はなんですか?

ノイズ除去、レンズ補正、円形フィルターです。

Photoshop Lightroomに改善して欲しい点や、追加して欲しい機能はありますか?

特にありません。僕はあるものに合わせて使っていくタイプなので、「なんでこの機能ないんだよ」とはならないんですよね(笑)ただ、段階フィルターについてはグラデーションの中間域を変更できると良いかなと思います。

まだPhotoshop Lightroomを使用したことのが無い方へ一言。

現像に凝らない作品が、もち味の人は使わなくても良いと思いますが、現像で追い込みたい方にはお勧めします。僕の 場合はPhotoshop Lightroomが無ければ写真を作品として出すこともないでしょうね(笑 撮って出し(自分でRAW現像などは行わずカメラ内で生成されたJPEG画 像)ではちょっと眠い写真(コントラストが低くハッキリしない写真)ばかりになってしまいます。

僕はPhotoshop Lightroomを使って、写真をどういった仕上がりにしていくかを考えながら作業しています。現像していく中で写真がだんだん良くなっていき、作品と して完成していく時が一番楽しいです。そして、そうやって仕上げた自分の作品が写真の審査制サイトなどで評価されるのが楽しいです。まあ、ほとんど自己満 足の世界ですね(笑)

ビフォーアフター1

Before

After

◎基本補正:
・温度で色味を赤系に振ります。
・全体的に眠いのでコントラストを露出を上げます。
・シャドウを潰す感じでマイナスに調整します。
・明瞭度を上げてメリハリを付けます。

◎トーンカーブ:
・複数のポイントを設定して明るさを調整します。

◎ディテール:
・シャープを強め、ノイズ除去でバランスをとります。

◎円形フィルター:
・マスクを使って周辺減光させます。
この作品ではベンチのあたりに明るさの中心を置いていますが、レンズ補正の周辺減光では中心の位置を移動できないので円形フィルターを利用しています。

◎レンズ補正:
・プロファイル補正と色収差除去にチェックを入れます。
・周辺減光をマイナスにします。円形フィルターで周辺減光させましたが、更に減光させています。

ビフォーアフター2

Before

After

基本補正は1と同じように調整を行い、レンズ補正のUprightで自動補正をかけています。

基本補正のあとに段階フィルター・円形フィルターを使い、空は暗くして表情を出し、岩は明瞭度、コントラスト、シャープを使いディテールを強調し、全体的な色味や周辺減光処理などを行ってドラマチックに仕上げています。

僕の場合は、ベーシックな現像を行ったあとに、その写真をさらに追い込んで作品として仕上げるかを判断しています。作品として仕上がらなそうな場合は途中で現像は止めてしまいます。

ビフォーアフター3

Before

After

基本は2と同じような調整を行っています。

カラープリセットの「古い写真」をかけて、それをベースに調整を追い込んで作品として仕上げています。

Sho Shibata
2010年に友人の影響でカメラを購入したのがきっかけで写真撮影を始める。 風景撮影がメインであるが、レタッチを多用した写真にも挑戦中。

Photoshop Lightroom使用環境

撮影環境

東京カメラ部10選
東京カメラ部がFacebookページにてシェアした写真の中で、クチコミ度が高かった写真とその写真の撮影者。