モバイルマーケティング活用術その1:モバイルに特化した新インターフェイス
みなさんはスマホ分析やモバイル計測に、取り組まれていますか?
いまや「歩きスマホ」が社会問題になるほど、街を歩けば誰もがスマートフォンを使っています。ちょっとした空き時間に、仲間や家族との会話をしながら、ネットで調べものをしたり、動画を見せ合ったり、アプリを使ってお店を探したり、欲しい商品をチェックしたりと、様々な楽しみ方をしています。モバイルはすっかり生活の一部となりました。
総務省が毎年4~6月頃に発表している「情報利用動向調査」によると、約一年前の2012年末時点で、実に約3人にひとり、世帯別では約2軒に1軒の割合で、スマホが普及しています。2013年を通じてさらに普及が進んだことを考えると、今年発表される数字はさらに大きく伸びていることでしょう。
こうした消費者の動向を受け、企業側としては、スマホサイトの強化だけでなく、スマホアプリを使った顧客エンゲージメントに、おのずと力が入っていくことでしょう。特にアプリは、昔でいう「デスクトップ」や「ブラウザーのホーム画面」のような、新しい時代の「ネットへの入口」になりつつあります。違うのは、せっかくコストをかけてアプリを開発しても、アプリは気に入られなければすぐに消されてしまう、気に入れば生活の一部になるといった、明暗の大きさではないでしょうか。
マーケティング活動のチャネルのひとつとしてアプリを捉えると、やみくもにアプリを開発しても成果が得られない…という事態が発生してしまう可能性があります。
では、モバイルアプリを企画したいマーケター、モバイルアプリの開発を担当するデベロッパーは、何をよりどころにして、アプリに取り組めばよいでしょう?そこで、アドビ本社のモバイルマーケティングのスペシャリスト、Strategic Marketing leadのレイ パン(Ray Pun)によるブログ記事の翻訳でご紹介します。
※以下はUS Digital Marketing Blog「Part 1: Mobile Marketing Just Got Easier – Meet the New App-Centric Interface」の翻訳です。
この記事は三回シリーズの一回目です。今後、二回目と三回目のリンクをここに追加していきます。
技術の進歩は目まぐるしいものがあります。モバイルを活用したいマーケター、モバイルアプリの開発者のどちらも、何か手軽な方法はないだろうか、どうしたら簡単にできるだろう、と考えています。そこで、お教えしましょう。モバイルマーケティングはもっと簡単になります。
この記事では、モバイルにまつわるエコシステムや業界トレンドについて考え、そして、2013年11月に新たに発表したAdobe Marketing Cloud用のアプリ向けインターフェイスをご紹介します。これにより、モバイルマーケターとモバイル開発者が「よりスマートに、よりカンタンに」連携できるようになるのです。
モバイルにまつわるエコシステムの課題
今のところ、アプリ技術はweb技術より困難だということが言えます。モバイルエコシステムについて、私は三つの課題があると考えています。
課題1:分断
分断というのは、何かが別々に存在し、一体化していない様子を指します。モバイルエコシステムはまさに、分断した状態にあります。モバイルの世界では、プラットフォームやデバイスタイプが分断しているため、全てのモバイル利用者をカバーするのはとても難しい状況になっています。つまり企業が、複数のデバイスタイプ、OS、アプリストアの仕組みに対応したモバイルアプリをいかにして開発できるのか、という問題です。また、展開した複数のバージョンのアプリを管理していかなければなりません。あるいは、異なるデバイスに対して一貫性を保ちつつ、クリエイティブさを発揮していく必要もあります。
課題2:時間とリソースの不足
時間や人材などのリソース不足というのは組織にとって普遍の課題で、モバイルアプリ開発についても同じことが言えるでしょう。
企業のモバイル対応の成熟カーブは、今ちょうど変化の途中にあります。つまり、モバイルをチャネルと認識していない段階から、モバイルを新たなチャネルと捉える段階、そしてモバイルは様々なチャネルのひとつに組み入れる段階、と進む訳です。ある企業ではモバイルアプリの開発に着手していない、別の企業では4年前から展開しているアプリにモバイル分析を実装している、といった開きが見られます。
ともかく、みなさんの属する企業がどの段階なのかに関わらず、現在あるリソースを振り返った上で、モバイル戦略をどの様に進めていくべきか、検討すべきでしょう。モバイルに対応するための時間やリソースが限られるとき、モバイル対策チームを設立する、というのがよく見られる対応策です。
課題3:経営陣の支援不足
経営陣は、モバイルに投資しているでしょうか?モバイルの生み出す価値に、経営陣の誰かが着目しているでしょうか?もし当てはまれば、勝ち組と言えます。そうでなくとも大丈夫、あなただけではありません。
現状、どうにもならない課題があります。モバイル施策からどんなROIが得られるか、という材料が無ければ、マーケティングチームは経営陣の後押しを得られません。ところが、機会とテクノロジーに投資をしない限り、効果を定量化してモバイルのROIを証明してみせることもできないのです。なんと皮肉でしょう。
では、何から着手したらよいでしょう?まずは、次のような事実を押さえておきましょう:
- アドビの調査「Adobe Digital Index」によれば、スマートフォンユーザーは一般に、モバイルサイトに比べてモバイルアプリに三倍の時間を使っている(参照: Adobe’s Digital Index findings on mobile app trends)
- ガートナーによると、2016年にはアプリのダウンロードが3,100億件に達すると予測されている
こうした統計情報は、モバイルアプリへの投資を決める材料のひとつになるはずです。
新たな仕掛け:アプリに特化したAdobe Marketing Cloudのインターフェイス
さてここで、新しいアプリ専用インターフェイスをご紹介しましょう。進化の著しいモバイルエコシステムの新たな担い手、Adobe Mobile Services for the Adobe Marketing Cloud(以下Adobe Mobile services)です。
新たなインターフェイスでチームプレーを
このAdobe Mobile servicesのインターフェイスは、チームは個別よりも協業したほうが効率的なはず、という信念に基づいて作られています。有用なアプリにするためには様々なことに対応しなければなりませんが、そのようにする余裕のない組織のために、テクノロジーがあります。そして、その重要な要素である、分析、最適化、ターゲティングといったことを、スムーズに行えるようになっています。
レスポンシブなインターフェイス
Adobe Mobile servicesのインターフェイスは、どのデバイスについても対応し、使いやすく、判りやすい表示で分析することができます。
賢いインターフェイス
マーケターを悩ませていたビッグデータも、もう大丈夫です。Adobe Mobile servicesのインターフェイスさえあれば、データからインサイトを導き出す分析が可能です。インサイトを得られたら、もっと良い判断も下せるでしょう。アプリの評価指標も、ひと目で判ってしまいます。
個に着目したインターフェイス
Adobe Mobile servicesのインターフェイスを使えば、マーケターの必要としていた、より的確な顧客像を把握することができます。例えば、アプリの「ライフサイクル」データ(インストール、最後の利用日からの経過日数など)やGPSデータをもとに、個別にターゲティングすることができます。これによってチームは、ある地域でアプリを使っている人や、特定のお店や球場、コンサート会場などを「お気に入りの場所」に設定している人といった、相手ごとに異なるアプリのエクスペリエンスを提供することができます。
まとめ
このAdobe Marketing Cloudの新しい側面、アプリ専用インターフェイスなら、これまでモバイルに取り組む際に課題だったことに、対処することができます。こうした新しい仕組みをうまく使えば、みなさんの仕事をもっと効率化することができるはずです。
Adobe Mobile servicesの詳細は、こちらをご覧ください。
Ray Pun