ユーザー成功事例:三井住友カード株式会社

ウェブ解析ツールで取得するデータは大きく2つの目的で利用されます。1つが蓄積されたデータを分析し、そこから戦略や改善といった具体的なアクションに結びつけるものです。そしてもう1つがリアルタイムにそのデータを活用し、顧客体験につなげていくことです。

2013年に弊社ツールを導入された三井住友カード株式会社では、弊社コンサルティンググループがサポートさせて頂き、まさにこの2つを活用しながらオンラインビジネスを躍進して頂いています。今回、この成功事例を三井住友カード株式会社の皆様と共に作成させて頂きました。

ここではコンサルティング視点でこのホワイトペーパーのご紹介をさせて頂きます。

データの活用からリニューアルへ

Adobe Analytics の導入が一段落し、三井住友カードの皆様より弊社にご要望頂いたのは「Adobe Analyticsから取得できるデータを元に、会員トップページ(Vpassサービス)のリニューアルを実施したい」とのことでした。

そこで関係者の方にヒアリングをさせて頂き、そこから見える課題を含めAdobe Analyticsを通した分析を実施し、理想と現実のギャップ、どのようにサービスが利用されているかといった視点から課題点をいくつかにまとめました。

その後、この数字から見えた課題を元にコンセプトを検討し、リニューアル後のデザインにもこれらのコンセプトを反映して頂きました。さらに新しいデザインをすぐにリリースされるのではなく、Adobe Targetを利用しA/Bテストを実施し本当にリニューアル案をリリースして良いかを検討されました。

このようなページを大きく変更するようなテストの場合、成功基準を設定するのが非常に難しいのですが、導入時に検討したKBO(Key Business Objectives)とリニューアルコンセプトをベースにいくつかの効果検証指標を設定し、これらが下がらないこと、もしくはあがること、といった判断基準にてテストを実施していただきました。実際にテスト結果も良好だったため、現在の新しいデザインをリリースして頂いています。

冒頭で触れたウェブ解析データ利用の目的の1つである分析をまさに活用して頂き、そこからテストを通した検証を実施しリリースするという非常に理想的な利用をされたケースといえます。ホワイトペーパーでも触れて頂いている「感覚から論理へ」という部分をまさに実施して頂いたといえます。

データを活用したターゲティングへ

リニューアルを実施した後に、動き始めたのがターゲティングです。会員サービスの入口となるトップページでは、キャンペーンや特定の会員に実施して欲しいことなど様々な「伝えたいメッセージ」が存在します。

三井住友カード様においては、Adobe Targetをフル活用して頂き会員トップページ(Vpassサービス)にてターゲティングを実施して頂いています。

ターゲティングを実施する場合、属性情報をベースに実施するものや、行動情報をベースにする方法などがあります。三井住友カード様においては、これらを同じ場所で実施、訪問者の行動の結果、属性情報やステータスが変更になった場合にターゲティングされる内容も切り変わるような設定となっています。

このターゲティングを行うためのデータも、Adobe AnalyticsとAdobe Targetingの連携を実施しそこから得られるものを活用して頂いています。まさに冒頭で触れた目的の2つ目であるデータのリアルタイムの利用です。

そして何よりもこの実現に重要なのは社内の調整です。ターゲティングを実施するためには、実施に表示する内容の各担当者との調整やサポートサイドへの周知や運用フローといった様々な調整を経ての実施となります。

これらを実施して頂けなければ、ターゲティングをこれだけ早く実現できなかったかもしれません。

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三井住友カード様とのプロジェクトを通して私達コンサルティングチームも非常にエキサイティングな体験をさせて頂きました。

デジタルマーケティングを実現していくためには、テクノロジーだけでなく、人や組織といった部分も同時に調整/成長していく必要があります。まさにそれらがあって実施して頂けたことだと感じています。

ぜひ詳細についてはホワイトペーパーをご一読頂ければと思います。

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筆者:安西 敬介 アドビ システムズ株式会社 コンサルティング部 シニアコンサルタント
2001年に国内大手航空会社のシステム子会社に入社後、システムエンジニアとして予解約システムの開発、予約フロー設計に携わったのち、コンテンツディレクターとしてサイトリニューアルなどを手掛けた。その後は、同社内のマーケティング戦略立案支援やウェブ解析の導入や活用促進に携わった。オムニチュアへは2008年に入社。エンドユーザーとしての経験を活かし、現在は企業のオンラインマーケティングを成功に導くためのコンサルティング業務を担当している。2009年アドビシステムズによる買収にともない現職。また、業界専門媒体などで積極的に執筆活動も展開している。Twitter:@ank