モバイルマーケティング活用術その2:アプリ分析の「窓」

by 国和 徳之

Posted on 03-04-2014

モバイルアプリを中心に、今回もモバイルマーケティングのポイントを紐解いていきます。

企業にとって、見込み顧客や既存顧客とコミュニケーションを行うことのできるチャネルは増える一方ですが、その中で占めるモバイルアプリの存在感も、増すばかりです。
日本国内のモバイルアプリ市場に関する統計はいくつか見られますが、2012年時点で個人向けが約140億円、法人向けが約100億円と言われています。最新の統計も見守りたいところですが、とくに重要なトレンドとしては、その伸びが二ケタの勢いで成長していることです。

インターネットの普及以降、伝統的なマスメディアによる消費者との接触が、オンラインメディアに取って変わられる流れが続いていますが、今や、オンラインメディアと消費者との接触が、モバイルアプリに移っていくという、新たな流れが生まれていると見ることもできます。

そしてこのチャネルの多様化は、機会でもあり、課題でもあると言えます。企業にとってモバイルアプリは、「新たなオウンドメディア」として捉えることができますが、アプリストアには膨大なアプリが登録され続けており、競業企業のアプリよりも利用者を増やすのもなかなか大変です。競争の激化している顧客チャネルとも言えるでしょう。
マーケターは、このモバイルアプリと言う新たなチャネルでビジネス効果を上げるために、どのようにアプリ開発者と協業しつつ、取り組むべきでしょうか。
今回もStrategic Marketing leadのレイ パン(Ray Pun)によるブログ記事の翻訳でご紹介します。

※以下はUS Digital Marketing Blog「Part 2: Mobile Marketing Just Got Easier – The Window to Amazing App Analytics」の翻訳です。

この記事は三回シリーズの二回目です。一回目は<こちら>です。三回目もお楽しみに。

顧客を見る窓

古い英語のことわざに、「眼は心の窓 (The eyes are the win­dow to the soul.)」というのがあります。

これはつまり、相手の目を見れば、その人が何を心に思い描いているかが判る、ということです。同様に、モバイルチームはAdobe Mobile servicesのアプリ分析を通じて、顧客が本当はどのように考えているのか、どう行動しているのかを見て、把握することができるのです。

シリーズ一回目では、モバイルを活用したいマーケターの仕事を楽にする、Adobe Mobile servicesのアプリに特化した新しいインターフェイスをご紹介しました。そのポイントは、チームプレー、応答性、賢さ、パーソナルでした。

増え続けるマーケターの仕事

Adobe Mobile servicesインターフェイスの目的は、モバイルにまつわる皮肉に対処することです。それは、消費者にとっては凄く便利な時代になったことで、マーケターの仕事は複雑になる一方、という事実です。大抵のマーケターに次のことを尋ねてみても、多くの人は応えられないでしょう:

フォレスター社の調査によると、残念ながらモバイル分析を行っている企業は46%に留まっています。過半数の企業は、数字としてビジネス判断の根拠を持たずに運営していることになる訳です。この課題を解決するため、今回の記事では、Adobe Mobile servicesのアプリ分析について、詳しくご紹介します。

1. 分かりやすく見せてくれるアナリティクス:モバイルの観点

Adobe Mobile servicesは、モバイルの観点、モバイルチームの視点で分析機能を提供します。

つまり、モバイルチームの関心事項を踏まえ、それにあった形で、知りたかった情報を提供します。これをそのまま活用すれぼ、チーム内の議論も捗ることでしょう。Adobe Mobile servicesは、モバイルアプリの種類に応じて情報を整理するので、このツールひとつだけで、分析に基づいて最適化までを行うことができます。

2. アプリ上での行動を明らかにするアナリティクス

マーケターが何もしていなくても、Adobe Mobile servicesはアプリ利用者の行動を把握しています。アプリのライフサイクル、現在地、キャンペーントラッキングなど、データで表せる様々な情報を収集、分析するのです。

経験豊富なモバイルマーケターなら、少なくとも、アプリのライフサイクルデータ(起動回数、クラッシュ数、最後に利用してからの経過日数、平均セッション長さなど)ならば計測しているでしょう。こうした情報は、アプリSDK(ソフトウェア開発キット)からもたらされ、開発者にとっては初めから組み込んでおくのはたやすいものです。

この分析から、アプリの挙動や顧客の好みといったインサイトを得ることができます。例えば、同じ月にアプリを利用した人のうち、しばらく利用していなかった人がいたとします。なぜでしょう?何か行動のきっかけがあったのでしょうか?あるいは、何か「刺さらなくなる」パターンがあるのでしょうか?たぶんそれは、不満なり、ユーザーフレンドリーにすべく改善しなければならないことがあるのを示しています。こうした利用者のことこそが、マーケティングチームがインサイトとして把握し、理解すべきことなのです。

GPS位置情報と、アプリ利用者がアプリを起動した位置との関係を、見過ごしていませんか。Adobe Mobile servicesなら、気にする必要はありません。

位置情報の活用はストーキングなどではなく、スマートなマーケティングです。顧客が今現在(文字通り)どこにいるのかによってターゲティングし、相手の好みに会いそうな、欲しくなりそうな、しかしまだ認識していない商品やサービスを、知らせることができます。これで何か議論の余地があるでしょうか?答えはイエスです。モバイルユーザーの中には、自分の所在地を公開したくない人もいます。それは個人の権利です。しかし許可しているユーザーには、そのデータを活用して、より的確なマーケティングを行うことができます。

例えば、特定のお気に入りの場所(店舗、スタジアム、コンサートと会場など)の近くでアプリを起動したとき、地域に基づいたオファーを提供し、パーソナライズされた応対を行うことができます。

優れたモバイルマーケティングチームなら、アプリのダウンロードを促進する様々なキャンペーンの効果を計測しています。例えばFacebookやスポーツサイトのような所でディスプレイ広告を出稿したとき、そのビジネス成果まで把握していますか?Adobe Mobile servicesを使えば、獲得系や再認知系キャンペーンの効果を計測、分析し、あらゆる組織が身に付けるべきベストプラクティスを得ることができます。

3.平和をもたらすアプリSDK

アプリSDKは、マーケティングとアプリ開発チームの間に平和をもたらします。

2008年、デジタルエコシステムの中にモバイルアプリが加わったときから、モバイルマーケターとアプリ開発者は「どうしてみんな仲良くできないの?(Why can’t we all just get along?)」と、嘆きあっていました。『アプリ開発の効率と効果を改善する(Enhancing the efficiency and effectiveness of app development)』の中でマッキンゼーグローバルイスティテュート(McK­in­sey Global Insti­tute: MGI)は、「分析(要件定義)、デザイン、構築、テスト」がアプリ開発で最もコストと時間を要する段階である、と述べています。アプリ開発は大変な作業ですが、マーケターと開発者が協力し、アプリ内に分析の仕組みを組み込めるようにすることも不可欠です。これはアプリSDKを使えば解決です。実装が簡単なうえ、ユーザーエクスペリエンスには影響しないからです。

実際、とてもシンプルです。一行のコード、五分以下の作業で、ライフサイクル指標の計測は実装できます。このキーワード(コード一行、五分)と気の効いた差し入れを持って、アプリ開発者の所に行けば、モバイルマーケティングの良きパートナーになれるはずです。

4.アプリストアの「中の人」のように分析

みなさんは、様々なアプリストアの世界の中で、自社のアプリごどんな位置付けにあるか、把握されていますか?

大抵の企業はアプリストアのインサイトを見ていませんが、それは余りに時間がかかるからでしょう。この問題を、Adobe Mobile servicesは「アプリストアの中の人」に成り代わることで解決します。アプリのパフォーマンス指標を集約するので、すぐに確認することができるようになります。これによってモバイルチームは、アプリのパフォーマンスを「見える化」し、様々なアプリストア大抵の企業はアプリストアのインサイトを見ていませんが、それは余りに時間がかかるからでしょう。この問題を、Adobe Mobile servicesは「アプリストアの中の人」に成り代わることで解決します。アプリのパフォーマンス指標を集約するので、すぐに確認することができるようになります。これによってモバイルチームは、アプリのパフォーマンスを「見える化」し、様々なアプリストア(iOS, Android, Black­Berry, Win­dows)の情報をレポート、分析できるのです。

なぜ、アプリストアの情報がそれほど重要なのでしょう?まずは、モバイルチーム自身のモチベーションのため、というのがあります。膨大なアプリが流通する中で、もし自社のアプリがきちんとダウンロードされているのかを把握しなければ、モラルやモチベーションの維持に関わります。そして次に、アプリが企業全体にどのような価値をもたらしているのか、その全体感を把握することができます。

究極的には、モバイルアプリを通じて自社に価値をもたらすことこそが、目指すべき目的です。ご紹介しましたAdobe Mobile servicesによってもたらされる新たな分析機能を使えば、モバイルマーケティングチームとモバイル開発者に、自社内で成功を収めることができるでしょう。
Adobe Mobile servicesの詳細は、こちらをご覧ください。

Ray Pun

Topics: デジタルトランスフォーメーション, パーソナライズ, 戦略/組織/プロセス

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