ユーザー成功事例:マガシーク株式会社

by 船井 宏樹

Posted on 05-13-2014

成功事例:マガシーク株式会社このブログで以前に取り上げた記事、「最適化組織の鍵はどこに??」の中でも紹介したように、WEBサイトの最適化活動は、小さなチームでも「まずはスタートすること」が大切です。

アパレル通販のマガシーク株式会社では、2013年に、A/Bテストや多彩なターゲティング機能を備えたソリューション「Adobe Target」を導入され、アドビのコンサルタントもサポートさせて頂きながら、この最適化組織の活性化に取り組まれました。

この活動は、初年度にして大きなビジネスインパクトを生むと共に、現場担当者への意識の変化をもたらし、まさにサイト運営にとって無くてはならない活動となりました。

このたび、マガシーク様とアドビは共同で、この体験を成功事例としてホワイトペーパーにしました。
ここではコンサルタントからの視点で、その内容をご紹介いたします。

資料ダウンロード : ユーザー事例 マガシーク株式会社

数値評価で施策精度を向上

お客様のより良いショッピング体験を目指し、マガシーク様では、過去から常にサイト機能やレイアウト等の改修を実施してこられました。しかしながら、これまでは、その改修が本当に売上向上につながっているのか?の検証が充分に行えていなかったところに課題を抱えておられました。

そこでAdobe Targetを導入し、コンテンツ改修前にA/Bテストを行うことで、施策を事前に評価できるようにしました。
既に利用されていたAdobe Analytics での分析結果も併せながら、様々なテストを企画し、ひとつひとつ、その効果を検証していきます。

様々なA/Bテストを行う中には、テストパターンのコンテンツの方が、売上効率が悪くなるという場合もあります。A/Bテストを行わない従来のワークフローだと、気付かぬ内に大きな売上ダウンを招いていたところです。

コンテンツ改修前にA/Bテストを行うことをワークフローに組み込むことで、そのビジネスインパクトを評価し、効果金額を算出することができるようになり、マーケターの施策精度向上につながりました。

小さな成功体験が周囲の興味を引き寄せる

2名の担当が中心となって始まったマガシーク様の最適化活動は、いくつかのテスト結果報告を社内で行ううちに、少しずつ周囲の関心を惹き始めます。活動への協力者が増えてきたのです。

ユーザーインターフェイスやクリエイティブのデザインを担当する方、コーディングを行うマークアップエンジニア、IT担当、そしてテストアイデアを一緒に検討するマーケターが集まり、定期的なミーティングを持つようになりました。

彼らは決して、上長の指示で集まったわけではありませんでした。最適化活動を重要と考え、なにより楽しいと感じてくださった有志のメンバーです。部署やチームの垣根を超えて集まり、2名で始まった活動は、今では10名の活動となっています。後に「UI (ユーザーインターフェース)研究会」と名付けられたこのチームは、最適化活動を更に加速させていきます。

大変すばらしい動きであると共に、最適化活動を組織的に行っている企業は、皆こういった「チームでの活動」を行っています。
マガシーク様での成功体験の原動力は、まさにこのような現場担当者が起こした、ボトムアップのムーブメントでした。

ワークショップでの活発な発言

A/Bテストのアイデアを考える上で、最も重要なのは「仮説を立てて改善のストーリーを作る」ことであると考えます。

闇雲にテストを行うのではなく、Who(どのようなお客様に)/When(どのタイミングに)/What(何を見せる必要があるのか)を整理することで、どのような改修を行うべきか?という仮説が見えてきます。

アドビのコンサルタントがファシリテートし、この仮説を立てるためのワークショップを開催しました。ディスカッションタイムでは、集まった10名のメンバーから、多くの意見が飛び交いました。そのアイデアのひとつひとつを内容ごとにグルーピングし、アイデアの数と想定されるビジネスインパクトでマトリックス化することで、優先して取り組むべき改修ポイントを絞り込むという作業を行いました。

活発に意見が飛び交う環境を作る、またその意見をロジカルに整理する、ということを行うことで、施策の方向性に皆が合意することができました。

現場担当者の意識の変化

プロジェクトを開始した当初、ご担当者様からは「普段、私たちは売上に対する貢献を感じにくい仕事をしています…」というお話を伺っていました。コンテンツを改修しても、集客プロモーションの変化や、在庫状況、アパレル通販には重要な気温の変化などの外部要因が影響して、施策自体の評価が充分にできずにいたためでした。

しかしながら、そこから1年も経たずして、その意識は変化します。様々なA/Bテストを行うことで、正当な施策評価ができるようになり、コンテンツ改修の効果が明確になったのです。

「私たちも売上を生み出すことができるんですね!」という言葉をお聞きした時には、プロジェクトをご一緒させていただけて、本当によかったと感じました。

最適化組織の活性はツールの導入だけでは実現しない

テストツールを導入した企業の全てが、このような成功体験を実感できているか?という問いには、残念ながら、その全てが「YES」と言えない現実があります。

ツールを導入しても、他の業務に手を取られて肝心のA/Bテストやターゲティング施策が実施できなかったり、テストを行うための社内調整が上手く取れなかったり、限られたごく一部のメンバーにそのノウハウが集中してしまって活動がスケールしなかったり、ということが非常に多いのです。

そのうち、いつしかテストツールに対する意識は薄れてしまう。このようなことになると、せっかく導入したツールは、言わば「宝の持ち腐れ」となってしまうどころか、企業にとっては、ツールにかかる費用はROIを生まない投資となってしまうのです。

最適化を促進するためには、1:Product(ツール導入)、2:Process(プロセス構築)、3:People(人材育成)という、「3つのP」を揃えることが非常に大切であり、そのどれが欠けても最適化組織は活性しません。

ツールを導入することはそのキッカケに過ぎず、真に大切なのは、その背景にある体制構築や担当者のマインドチェンジにあると言えます。

もし、既に何らかのテストツールを採用しておられるにもかかわらず、最適化活動がうまく進められておられない場合は、「3つのP」の何にその原因があるのか、どのようにすれば理想の形に近づけられるのかを、ぜひ考えてみてください。

必要なのはドライブすること

私たち、アドビのコンサルタントは、単にツールの技術的なサポートを行うだけではありません。ツールをご採用いただいたお客様に「真の価値」を感じていただくため、様々な形で最適化プロジェクトの支援をさせていただいております。

今回のマガシーク様の事例では、最適化担当者に必要なスキルセットの継承、チーム体制構築支援、仮説構築のためのワークショップのファシリテーションなどがそれにあたります。アドビがご提供しているコンサルティングメニューについてご興味をお持ちの方は、Adobe Consulting Services Japanの紹介ページも併せてご参照くださいませ。

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マガシーク様のプロジェクトを通じて、我々コンサルタントも改めて「小さな活動でもスタートさせること」「現場が活性化すること」の重要性を感じました。

ホワイトペーパーとして、非常に読み応えのある内容になっておりますので、ぜひご一読くださいませ。

資料ダウンロード : ユーザー事例 マガシーク株式会社

参考情報:

筆者 : 船井 宏樹 アドビ システムズ株式会社 コンサルティングサービス部 コンサルタント

流通系の事業会社にて、FC店舗スーパーバイザー/販売企画/WEBプロモーション/WEB解析・最適化マネージャー/経営企画の経験を経て、 2012年より現職。分析や設計に関与したテスト事例は200を超え、事業会社での実務経験を活かしたWEB最適化のコンサルティング支援を提供してい る。

Topics: デジタルトランスフォーメーション, パーソナライズ, ユーザー事例

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