Source Serif を発表:アドビの新しいオープンソースフォント

本日は、「フォント祭り」というべき、
フォントにまつわるお話を続けてご紹介します。

**Source Serif を発表:アドビの新しいオープンソースフォント
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アドビは新書体「Source Serif」オープンソースフォントとしてリリースすることを発表いたします。Source Serif は AdobeTypekit で利用できるほか、オリジナルのフォントファイルを入手したい場合には、SourceForge からも直接アクセス可能です。

Source Serif は定評のあるSource Sans ファミリーのセリフ体として、フランク グリースハマー(Frank Grießhammer)がデザインした書体です。Source Serifはアドビにとってのオープンソースフォントであり、また、今年で誕生 25 周年を迎えたアドビオリジナルプログラムの 100 番目の書体という記念すべき書体です。

Source Serif のデザインにあたっては、アドビの主任タイプデザイナー、ロバート スリムバック(Robert Slimbach)がグリースハマーに協力し、Source Sans との互換性を確保しています。シンプルで非常に読みやすい Source Serif フォントはデジタル環境に最適で、紙やスクリーンなど幅広いテキスト環境でその特徴がひときわ引き立ちます。

■書体デザインの背景

書体のプロポーションや組み上がりの調子を慎重に整合させることによって、Sans と Serif との間に、緊密な関係性をもたせることに成功しました。Sans 書体との調和を維持しつつ、Source Serif には独自のスタイルがあります。活字書体の歴史上、Source Sansとは明らかに異なる時期に活躍したPierre Simon Fournierの仕事を手本にしています。

Source Serifの細部をデザインする際に参考とした
Pierre Simon Fournierの書体見本。

Fournier のモデルは応用しやすいため、Matthew CarterCharter ファミリー(1987年)では、当時の低解像度の出力装置のために最適化され、また、現代における復刻といえるJoshua Dardenの Corundum Text (2006年)などが生まれ、さまざまに解釈されてきました。Source Serifは歴史的な様式を単に踏襲するのではなく、いわゆる「過渡期様式」に新たな解釈を与え、Fournierのデザインにヒントを得つつ、その特徴的なスタイルを反映させた上で、Fournierの審美観を現代にふさわしい形で蘇らせました。

■Source Serif の入手方法

Source Serif と同様、AdobeTypekitから利用でき、Webやあらゆるデスクトップアプリケーションで同期使用できます。デスクトップアプリケーションとの同期は、初めての人でも簡単に行えます。こちらから、InDesign のファイルから、Souce Serifを同期させて作業を進める様子 をご覧いただけます。

■コミュニティへの参加

現在、フランク グリースハマーはSource Serif の他の太さのバリエーションとイタリック体のデザイン作業にあたっており、今後、さらに多くの書体が追加されるほか、キリル文字やギリシャ文字にも対応する予定です。アドビではSourceForge上のSource Serifプロジェクトへの参加を通じ、より多くのユーザーがSource Serifの普及に貢献され、それによって、本書体の利用がさらに広がることを期待しています。

Source Serifのオープンプロジェクトの詳細については、こちら(Source Serif project page)をご覧ください。