フォレスターの新レポート「Forrester Wave: デジタルエクスペリエンス提供プラットフォーム、2014年第3四半期」で、アドビは「実力者」の評価

エクスペリエンスの時代

「顧客中心」という経営課題は目新しいものではありませんが、ビジネス環境が顧客主導へとシフトした今、企業に問われているのは、いかに顧客に選ばれるための全社的な努力を持続できるか、でしょう。そのために欠かせないキーワードとして、「エクスペリエンス(experience)」というキーワードが注目度を増しています。

一般に日本で見られる様々なトレンドは、北米や欧州で注目されたトピックが少し時間を置いてやってくることが多いものですが、顧客エクスペリエンスの重視、というトレンドもその一例ではないかと思います。
そのトレンドの進化を予見するかのように、米調査会社のフォレスター社が、新たな動きを見せました。企業が顧客に対して最適なエクスペリエンスを提供するためのテクノロジーとして、企業の期待とともに、テクノロジーベンダーもさまざまな新機軸を発表している現在、この市場動向に関する初めてのレポートを発表したのです。
その発表の概要について、product&industry marketingのdirectorを務めるLoni Starkによるブログ記事の翻訳でご紹介します。

※当初レポートはオリジナルの英語版をご紹介しておりましたが、このたび日本語版がリリースされましたので、ご紹介します。 The Forrester Wave:デジタルエクスペリエンス提供プラットフォーム、2014 年第3 四半期

※以下はAdobe a Strong Performer in The Forrester Wave™: Digital Experience Delivery Platforms, Q3, 2014の翻訳です。

新たな重要トピック、デジタルエクスペリエンス提供プラットフォーム

デジタルデバイスを介した他者との関係性という意味で、私たちの暮らすこの時代は、興味深いものとなっています。企業と顧客との関係のなかから形成されるやり取りや会話、結びつきも、デジタル化が進んでいます。ネット黎明期、WebへのアクセスといえばデスクトップPCだけで、企業Webサイトへの訪問もちょろちょろとした水の滴のようなものでした。それが今では、ポケットに収まるデバイス、該当の壁一面にはめ込まれたサイネージ、あるいは私たちの手首に巻かれているデバイスなど、ありとあらゆる形状/サイズのデバイスからいつでもどこでもアクセスでき、まるで溢れだす大洪水へと成長しています。

Forrester社が開催する「Forum for Customer Experience Professionals」イベント(訳注:北米東岸で2014/6開催済、米国西岸と欧州では2014/11)では、「Why Good Is Not Good Enough(訳注:「良好」では不十分な理由)」をテーマに掲げ、ブランドの差別化要因としてのカスタマーエクスペリエンスの競争時代が強調されました。
それに続く形で、同社はこのたび、第1回のデジタルエクスペリエンス提供プラットフォームに関する「Forrester Wave」レポートを公開しました。初回では「リーダー」に該当する企業こそありませんでしたが、光栄なことにアドビは、「実力者」の「パイオニア」と評され、「最善のソリューション」を擁するベンダー13社のうち、「現行の提供製品」分野で首位を獲得しました(「戦略」分野でも上位2社のベンダーに選ばれました)。

デジタル化という世界的なシフトにより、様々な変化が起こっている一方、企業が長期的な存続と繁栄を目指すにあたり注目すべき巨大なトレンドでもあります。「カスタマージャーニーの中で、顧客が求める瞬間に、クロスチャネルを通じ、より関連性が高い、コンテキストに応じたエクスペリエンスの創造/提供に力を注ぐ」ことの必要性にスポットを当てている点が、今回の新たな「Forrester Wave™」レポートの最重要ポイントであると考えます。

これはまさしくアドビの考えるビジョンと同じものですし、そのビジョンのもとでAdobe Marketing Cloudを通じ、企業各社とのコラボレーションを展開することで、顧客のコンテキストを理解しつつ、コンテンツ提供のパーソナライズ化を実現しています。Adobe Marketing Cloudは、市場をリードする包括的なソリューションであり、Web/アプリのエクスペリエンス管理を提供するAdobe Experience Manager、クロスチャネルキャンペーン管理を提供するAdobe Campaign、先進的なリアルタイムWeb/モバイル分析を提供するAdobe Analytics、A/Bテストや多変量テスト、ターゲティング、最適化を提供するAdobe Target、ソーシャルマーケティングのためのAdobe Socialなどによって、デジタルエクスペリエンスの提供を実現します。

リーダー達の積み重ねの上に

包括的なデジタルエクスペリエンスの提供を試みたことのある人は皆、結局のところこれは、いわば団体競技であることに気づきます。お客様の欲求や願望にフォーカスするには、クリエイティブ、マーケティング、ITの分野で、様々なスキルを持つ人材を結集させる必要があるのです。

これを支えるべきテクノロジーについても、同じことが言えます。

Forrester社の特定した、デジタルエクスペリエンス提供プラットフォームを構成するそれぞれの明確な要素を対象に、アドビのチームは、最善のソリューションを提供するだけでなく、共通の顧客プロファイル、データのインサイト、コンテンツアセットとの連携についても懸命に努力してきました。
今回のForrester社による評価は、デジタルエクスペリエンス提供のための各分野(例:Webコンテンツ管理Webアナリティクスオンラインテストデータ管理プラットフォーム)で、「リーダー」の評価を得るための、長い旅路の一部であると考えています。今回のレポートでは、これらの各分野を、統合的に連携させる能力についても、記載されています。アドビの掲げる目標とビジョンは、最善のソリューションの選択肢と、強固なプラットフォームを組み合わせる形で、お客様にお届けすることです。
そしてForrester社のレポートでは、次のように評価しています。「戦略の面でアドビは、各種ツールの連携による包括的ソリューションとしてのビジョンを掲げつつ、顧客プロファイルの一本化を目指すことで、差別化を図っている」

パイオニアとして、たゆまぬイノベーションを推進

私は最近、Adobe Marketing Cloudを利用してデジタルエクスペリエンスの提供を実践されている、世界中のブランド企業や広告代理店のパートナーにお会いし、戻ってきたばかりです。コミュニティの切り拓くイノベーションについて見聞きすることは、いつも大きな励みとなります。こうしたコミュニティの一員として、アドビもまた、イノベーションの足を休める訳にはいきません。

事実、今年に入って、今回発表されたレポートの発行に先立ってForrester社からの評価を受けた後も、私たちはイノベーションを続けています。
ここ最近でさらに投入した重要な新機能としては、モバイルアプリの作成、測定、最適化における提供能力の拡充、ターゲティングにおけるビジュアルワークフローや機械学習といったユーザビリティの向上や、カスタマージャーニーに応じたアトリビューションモデリング、Master Marketing Profileや共有アセットなどのコアサービス、といったイノベーションが挙げられます。

テクノロジーソリューションだけでは不十分

テクノロジー分野でのイノベーションに取り組む一方、私たちは、ブランド企業のみなさんがその顧客一人ひとりに応じたデジタルエクスペリエンスを提供する上では、テクノロジーの枠を越えて、スキルや組織、リーダシップの変革を実現しなければならない、という課題もあることを認識しています。また一方、業界では、指針やベストプラクティスも必要とされています。

幾千ものブランド企業と、世界を代表する広告代理店との協業に基づき、私たちは、これまでの学習内容を共有し、デジタル分野のマーケター、戦略家、実践者のコミュニティを結びける活動を続けています。北米EMEAで行われた今年のサミットには、数千人の参加者にご来場いただきました。さらに、今後行われる各地域のSymposium(訳注:日本では2014/6開催)では、より多くの人々をつなげることで、デジタルエクスペリエンスの提供とマーケティングに関し、ベストプラクティスやインサイトを共有していきます。

さらに、「Adobe Digital Index」や「Digital Roadblock: Marketers struggle to reinvent themselves」(PDF)調査などの一次調査では、私たちの置かれた現実と理想を取り巻く、このデジタル化への急速なシフトに関する情報を公開しています。

私たちは、これからも続く旅路に、大きな期待を抱きつつ、尽力していくことをお約束します。私たちの目の前には、興味深く、刺激的な時代が待っています。まずは無償でお届けする、Forrester社のレポートをこちら(訳注:2014/10より日本語版の提供を開始)からお読みいただければ幸いです。

Loni Stark

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