PhotoshopでつくるGIFアニメバナー 第3回:パスぼかしで臨場感のあるGIFアニメバナーをつくろう
Photoshop CC(2014年06月公開)
前回は、動画ファイルを読み込んで、GIFアニメバナーをつくりました。今回は、「パスぼかし」機能を使ってコーヒーの湯気を表現し、臨場感のあるGIFアニメバナーをつくります。
東京都・秋葉原で、GIFアニメーション(以下、GIFアニメ)好きのための投稿・共有サービス「GIFMAGAZINE」のデザインを担当している大野謙介です。
第2回では、動画を読み込んで、GIFアニメバナーをつくりました。今回は、「パスぼかし」機能を使ってコーヒーの写真に湯気を表現し、臨場感のあるGIFアニメバナーをつくります。
GIFアニメを作成したら、ぜひ「GIFMAGAZINE」に投稿してください。また、2014年12月上旬にGIFアニメクリエイターの祭典「the GIFs -Award of GIF Creator-」を開催します。これを機にGIFアニメ制作に挑戦してみてはいかがでしょうか。
本記事で制作するGIFアニメバナー
1枚のコーヒーの写真をもとに、パスぼかしとトゥイーン機能を使って湯気を表現し、次のような臨場感あるGIFアニメバナーをつくります。
※コーヒーの写真は、フリー写真素材サイト「PAKUTASO(ぱくたそ)」の「ティータイム」を使用しています。PAKUTASOサイトから入手してください。
下記の手順で制作していきます。
解説の流れ
- パスぼかしで臨場感ある湯気を表現する。
- トゥイーン機能でフレーム間を補完する。
- 文字、フッターをのせてGIFアニメバナーに仕上げる。
1 パスぼかしで臨場感ある湯気を表現する
1-1 新規ファイルを作成し、写真を読み込む
[ファイル]メニュー→[新規]を選択し、幅350px、高さ240pxで新規ファイルを作成します。[ファイル]メニュー→[埋め込みを配置]あるいは[リンクを配置]を選択し、コーヒーの写真を読み込みます。読み込み後は、適当なサイズと位置に調整し、レイヤー名を「コーヒー」と変更します。
1-2 湯気のもととなるオブジェクトを描く
新規レイヤーを作成してレイヤー名を「湯気1」とし、[ブラシツール]などを選び、コーヒーカップの上側にフリーハンドで湯気をイメージしたオブジェクトを描きます。
1-3 パスぼかしで湯気に仕上げる
[フィルター]メニュー→[ぼかしギャラリー]→[パスぼかし]を選択します。
[パスぼかし]では、白丸ポイント、青い線、赤い線からなるパスが表示され、このパスに沿ってぼかしがかかります。青い線上をクリックすると白丸ポイントを増やすことができます。また、赤い線は[ぼかしシェイプ]と呼ばれるもので、ドラッグしてパスの方向やカーブなどを調整することができます。パスを編集して、ゆらゆらと揺れているようなパスを描きます。
さらに、惰性で上に流れていく様子を表現するために、[ぼかしツール]パネルで[速度]を300%、[終了点の速度]を30pxにします。[速度]はぼかしの強さを、[終了点の速度]はボケ足の長さを設定するものです。
湯気っぽい表現となりました。
続いて、「湯気1」レイヤーの[不透明度]を20%にして、レイヤーを2回コピーして「湯気2」「湯気3」と名前を変更します。この複製したレイヤーを動かして、湯気が立ち上る様子を表現します。
2 トゥイーン機能でフレーム間を補完する
2-1 [タイムライン]パネルを開き、フレームをコピーする
[ウィンドウ]メニュー→[タイムライン]を選択します。[タイムライン]パネルが開き、タイムラインの形式を選ぶボタンが表示されているので、[フレームアニメーションを作成]を選んでクリックします。
[タイムライン]パネルでフレームをコピーをします。そして、フレーム2の「湯気2」レイヤーと「湯気3」レイヤーの不透明度や位置を変更して、湯気が立ち上る様子を表現します。
「湯気2」レイヤーは[不透明度]を10%にして、[移動ツール]でわずかに上に移動します。
「湯気3」レイヤーは[不透明度]を5%にして、[移動ツール]で湯気の上側が画面外になるように移動します。
2-2 トゥイーンでフレーム間を補完する
フレーム1とフレーム2の間のフレームを補完するために、フレーム2を選択した状態で、[タイムラインパネル]の[トゥイーン]ボタンをクリックします。
[トゥイーン]ダイアログボックスが開くので、[追加するフレーム]を3にして、[パラメーター]の[位置]と[不透明度]にチェックが入っていることを確認し、[OK]ボタンをクリックします。
湯気がゆったりと立ち上る臨場感あるGIFアニメができました。
3 テキストやフッターをのせてGIFアニメバナーに仕上げる
3-1 テキストやフッターを作成する
バナーの最終調整をします。テキストやフッターを作成し、好みの場所に配置します。
3-2 GIFで書き出す
バナーのデザインが完成したら、GIFアニメに書き出します。[ファイル]メニュー→[Web用に保存]を選択します。
保存形式を[GIF]にして、[保存]ボタンをクリックして作業終了です。
3回にわたってPhotoshopの色々な機能を使って、GIFアニメを制作する方法を解説してきました。第1回でも述べましたが、GIFアニメを制作する上で、シネマグラフやコマ撮りなど様々な表現が存在します。
今回はPhotoshopを用いましたが、After EffectsやPremiereでもGIFアニメをつくることはできます。来る2014年12月、GIFアニメクリエイターの祭典「the GIFs -Award of GIF Creator-」が開催されます。ぜひ挑戦してみてくださいね。