CREATE NOW “Best of MAX” Photoshop CC 実践講座 – 広告写真レタッチ技法 アイデアとヒント
CREATE NOW “Best of MAX” セッションレポート
博報堂プロダクツ 畠山 祐二 氏(レタッチャー)
数多くの広告写真作品を手掛けるレタッチャー・畠山祐二氏が、広告写真における最新のレタッチ技術を紹介します。「眼を引くビジュアル」が必須の広告写真レタッチの使える小技からレタッチの最前線まで、実践的なテクニックやアイデアを解説します。
https://www.youtube.com/watch?v=ifY7URl7utk&index=5&list=PLF_lcvNhVWn_8HzG_fK7RrOpHS6KVDlyV
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レタッチャー仕様のPhotoshopのワークスペース(ビデオ6:45〜)
Photoshopは、あらゆるデジタルイメージ制作現場であらゆる職種のプロフェッショナルに利用され、個人・業界レベルでそれぞれ に適したワークスペースというものがあります。畠山氏が紹介したPhotoshopのワークスペースは、ペンタブレットを使用し、パス作成やブラシを多用 する、まさにレタッチャー仕様のワークスペースと言えます。
デュアルモニタで、作業用モニタとパネル&ツール配置用モニタに分けている
写真の目に見えないディテールを可視化するゴミ取りカーブ(ビデオ8:30〜)
トーンカーブを過度にかけることで、肉眼で見たときには見えない細かなゴミやシミ、同系色の境界などを可視化させるテクニックです。このゴミ取りカーブを適用した状態で補正すると、きれいに写真のゴミ取り・修復をすることができ、仕上がりの質に違いを見せることができます。
境界やグラデーションを可視化するゴミ取りカーブ
白背景×白いドレスでまったく境界線が見えない
波上のトーンカーブを適用させる
肉眼では見えなかった境界が可視化される
肌のシミ・シワを可視化するゴミ取りカーブ
https://blog.adobe.com/media_b6fe406b0599357d820413d95373f596481093a8.gif
元画像のままでは、シミを確認するのは困難
ネガにしてコントラストをつけたようなトーンカーブを適用させる
https://blog.adobe.com/media_a16ec1b6c47f849671d5f2cb2e4fc742db831357.gif
肉眼では見えなかったシミが可視化される
LightroomとPhotoshopを使って、ラジコンと渋谷の街を合成するワークフロー(ビデオ12:56〜)
畠山氏が手掛けた、ラジコンと渋谷の街を合成した広告作品のレタッチ全行程を約10分にまとめたビデオを公開します。
LightroomとPhotoshopの使い分けや、止まっているものにどう動きをつけ、複数の写真をどのように違和感なく合成するのか、広告写真レタッチャーならでわの使えるテクニックやTIPSが凝縮されています。
Lightroomでのフロー
まずはLightroomで街の写真とラジコンの写真を現像します。この段階の現像の出来が、最終的な作品の質に大きく影響するため、丁寧に行う必要があります。
- ハイライト/シャドウと各種色調補正機能で、白飛び/黒つぶれのないように街を現像
- ラジコンに街の現像内容をペースト&微調整
Photoshopでのフロー
現像後の写真をPhotoshopで合成します。Photoshop CCの機能を使うことで、写真に動きをつけたり、違和感なく全体を馴染ませたりします。
- 手前/奥のピント違い2枚のラジコン写真を1枚にスタック
- 車体をパスで切り抜く
- 遠近法ワープで街とラジコンのパースを合わせる
- スピンぼかしとパスぼかしでタイヤを回転させ、街をブレさせる
- 光だけの写真をラジコンのヘッドライト部分に当てる
- フロントガラスとサイドガラスに街の景色を写り込ませる
- 路面に車体の反射を写り込ませる
- HDRトーンでエッジを立たせる
- 全体を色調補正してラジコンと街を馴染ませる
Lightroomのスライドショー機能を使ったタイムラプス動画の作成(ビデオ25:00〜)
一定の間隔を空けて撮影した写真を、コマアニメのようにつなぎ合わせて作成した動画をタイムラプスムービーといいます。長時間に渡る風景や人の移り変わりを短時間に集約することで、時に美しく神秘的な、時にコミカルかつ驚異的な映像作品の表現として利用されています。
そのタイムラプスムービーは、Lightroomのスライドショー機能を応用することで作成することができます。Lightroomなら一括現像処 理機能などと組み合わせることで、ただ静止画をつなぎ合わせただけではない、高品質なタイムラプスムービー作品を作り出すことができます。
畠山 祐二(レタッチャー)
株式会社 博報堂プロダクツ / 博報堂プロダクツ フォトクリエイティブ
1981年秋田県生まれ。
高校生の時、友人にハーフサイズカメラを借りた事をきっかけに、大学で自宅に暗室をつくり、写真の世界にのめり込む。
雑誌で知ったレタッチに興味を持ち、2004年、(株)博報堂フォトクリエイティブ(現:博報堂プロダクツ)にレタッチャーとして入社。
フォトグラファー、アートディレクターとハイクオリティの広告写真を数多く手掛ける。
さまざまな意向をブレンドして、最終ビジュアルを生み出す事を得意とする。
主な受賞歴:広告電通賞最優秀賞、交通広告グランプリ、ADC賞4回、日経産業新聞広告賞3回、その他。