マルチチャネル時代の顧客理解を促進する Adobe Marketing Cloud コアサービス “Profiles & Audiences”

顧客のメディア環境が、従来のマスメディアからWebサイト(PC/モバイル)、アプリ(スマホ/タブレット)、インターネットテレビ放送、双方向のデジタルサイネージなどと多様化していく中で、企業はマルチチャネルにおける顧客の行動を把握し、カスタマージャーニーを包括したマーケティング活動を余儀なくされて来ている時代にあります。

そんな中でAdobe Marketing Cloudでは、企業が行うマーケティング活動のあらゆるタッチポイントでAdobe Marketing Cloudのソリューションを活用し、最適なカスタマーエクスペリエンスの提供するために、必要な顧客の包括な理解とその理解をマーケティング活動に利用するために必要な情報をAdobe Marketing Cloudのコアサービス “Profiles & Auiences”としてAdobe Marketing Cloud利用者に提供をしています。

先月行われたAdobe 開催する業界最大のデジタルマーケティングカンファレンス Adobe Summit 2015のKey Noteでも、コカコーラ社のタッチパネルを搭載した自動販売機や、Starwoodホテルのスマートフォンを取入れたホテルの滞在体験の事例が発表され、顧客のメディア環境のさらなる多様化が現在進行形で急速に発展ていることを肌で感じることができました。

本投稿では、Adobe Marketing Cloud のコアサービスのプロダクトマーケティング担当、Erin Peirceのブログの翻訳を持ってコアサービス “Profiles & Audiences”の詳細を紹介します。

※以下はUS Digital Marketing Blog「Customer Profiles Across the Enterprise and How to Use Them All (Yes, All) for Marketing Greatness」の翻訳です。

組織に点在する顧客のプロファイルデータをマーケティングに最大活用する

顧客のプロファイルは、正しく活用することによってマーケターの有益な資産となります。しかし、その実態は正しく理解されていないのが現状です。企業が持つエンタープライズデータの中には、膨大な量の顧客プロファイルを持つデータソースが、CRM、EC Webサイト、ロイヤルティープログラム、モバイルアプリ、データウェアハウス等に点在しています。では、数あるデータソースの中でマーケターはどれを活用すべきでしょうか?正解は、全てです。顧客から得られる如何なる情報も、活用することで顧客満足に繋がる貴重な物であり、成功への鍵です。では、どのようにしてマーケターは、点在するデータを活用すれば良いのでしょうか?顧客に関する全ての情報を包括的に管理する単一のデータソースは存在しません。また、多くの情報を持つデータソースは、常に変化する顧客の状況をリアルタイムに、そして正確に把握するための機能を備えていないことが多くあります。

アドビは、Adobe Marketing Cloudのコアサービス Profiles & Audiencesをもって、この課題の解決に取組んでいます。昨年、master marketing profileと言うテーマのもとに顧客を個別のIDで識別し統合する考え方を発表しました。今年は更なる発展を遂げ、企業が持ち得る全てのエンタープライズデータに点在する顧客の属性データをAdobe Marketing Cloudに統合し、Adobe Marketing Cloudのソリューション、チャネル、エクスペリエンスに活用できるようにすることを可能にしました。

顧客の属性情報をエクスペリエンス構築に活用することの複雑さ

顧客の属性には、人口動態情報、社会経済的情報、心理情報、世代情報、地理的情報、購買行動の趣味/趣向など様々な要素が含まれます。これらにブランド企業との関係性、購買履歴、商品使用履暦、その他の各ビジネスに固有の属性を加えると膨大な種類のデータとなり、顧客に関する情報を統合した単一のデータソースと言う、マーケターの希望とは程遠い状況にあります。

全ての種類のデータに対して万能なシステムはありません。そのため、特性を持った様々なシステムがこれまで誕生してきました。これがテクノロジーの現状で、このようにして特定の用途に特化したシステムがあることでビジネスが成立しているのも事実です。では、マーケターはデータが散在する環境の中で、どのようにして有益なカスタマーエクスペリエンスを提供していくことができるでしょう?顧客にとってマーケターの事情は関係無く、企業が自分のことを理解し、希望、要望、好みに合ったオファーやエクスペリエンスを提供しているか、と言う点以外は関心がありません。その答えは、膨大な量のエンタープライズデータを一つのデータベースに集約し静的に管理することではなく、リアルタイムにデータを反映ができるアクショナブルで完全な顧客のプロファイルを構築することです。

エクスペリエンス最適化におけるProfiles & Audiences のメリット

Profiles & Audiencesでは、物理的に顧客の属性情報を複数のデータソースから収集し、一つのプロファイルに統合すると言う、非効率で手間の掛かる方法は取っていません。Adobe Marketing Cloudでは、各ソリューションを通して顧客に共通の訪問IDを付与し、顧客プロファイルに保存します。このIDと他のデータソースから取入れた顧客の属性データを紐付けることによって、マーケティング活動に幅広く活用できるオーディエンスを形成します。このようにして、Adobe Marketing Cloudでは顧客と接触を重ねることによって、顧客の理解を深め、親和性の高いカスタマーエクスペリエンスをリアルタイムに提供することを可能にしています。

アドビでは、Profiles & Audiencesの設計と開発にあたり、顧客のコンテキストを正しく理解し、リアルタイムでアクショナブルな顧客プロファイルを構築することを要点におきました。デジタルマーケティングでは「1000分の1秒」単位で意思決定をし、最適なカスタマーエクスペリエンスを届けることが成功の鍵を握ります。Adobe Marketing Cloudの顧客プロファイルは、適切な判断をするために必要な情報やデータと連携し、これを可能にしています。

世界中の企業の顧客に最適なエクスペリエンスを提供するために、アドビが構築したプラットフォームはマーケティング施策から得られた顧客のプロファイル情報を、各企業が持つ独自のインフラストラクチャとスムーズに連携する役割を果たします。各マーケティング施策を媒介として収集されたプロファイル情報は、Webサイトやモバイルデバイスを通して繰り広げられる顧客行動のコンテキストの理解を促進するだけではなく、リアルタイムに顧客の状況を把握し、最適なエクスペリエンスを提供することを可能にします。

個人情報と3rdパーティデータの取り扱いについて

Adobe Marketing Cloudでは、顧客のプライバシーを尊守するために個人情報と3rdパーティーデータはそれを必要とする限られたソリューションでのみ利用が出来るように設計されています。Adobe Audience Managerでは、Profiles & Audiencesに蓄積された1stパーティーデータと外部の3rdパーティーやパートナーデータと連携によるオーディエンスデータの拡張、クロスチャネルのコミュニケーション、類似(Look-alike)モデルのアルゴリズムによる新規見込み客の発見などを容易に始めることができます。

Adobe Campaignでは、あらゆる顧客接点で真にパーソナライズされた高度なコミュニケーションを継続的に行うことができます。顧客一人ひとりにお気に入りの映画や、行って来たばかりの旅行に関してのトピックを投げかける事も可能です。

Adobe Audience ManagerとAdobe Campaignは、共に顧客のプライバシーを尊守しながら、Adobe Marketing CloudのProfiles & Audiencesにシームレスに連携するよう設計されています。これにより、企業のオムニチャネル戦略をサポートします。

オーディエンスデータ活用の効果を最大限に発揮する

本質的に顧客との関係性強化の鍵は、マーケターの手に握られています。顧客は直接的に、あるいは間接的に自身の欲求、ニーズ、好み、歴史、癖などの情報をマーケターに伝えています。これらの情報は組織の中でマーケターの手に届くところにあり、活用されることを望んでいることでしょう。正しくツールを使い、ータを有効活用することでもたらされるエクスペリエンスを、顧客は待ち望んでいます。

【関連リンク】

前田 龍 アドビ システムズ株式会社 マーケティング本部 プロダクト マーケティング マネージャー

アジア最大級の観光産業国の政府観光局、大手インターネット セキュリティ ソフト メーカーでデジタル マーケティング担当、プロダクト マーケティング マネージャを経て、2013年よりアドビ システムズに入社。同社では、Adobe Marketing Cloud製品のプロダクト マーケティングを担当。