企業のWeb担当者に聞いてみた17の質問 [2015年上半期] – 発注先を選ぶ決め手は課題解決力 –

1.「企業のWeb担当者に聞いてみた17の質問」とは

アドビ システムズでは、2014年の5月と10月の2回にわたって「企業のWeb担当者に聞いてみた17の質問」と題したアンケート調査を行い、その結果をレポートし ました。この調査およびレポートは、自社のWebコンテンツの制作・発注業務に携わる企業のWeb担当者が、Webサイトの制作や、制作に関わるデザイ ナー・デベロッパーに対してどのような意識を持っているのかを明らかにすることを目的として実施しています。

本レポートはその第三弾にあたるものです。初回の調査から1年が経過し、企業のWeb担当者の意識にどのような変化が生じているかを明らかにします。

2. Web制作予算は依然として増加傾向

図2.1 今後のWeb制作の発注量について

図2.1 今後のWeb制作の発注量について

まず、今後のWeb制作業務の発注量に関する質問では、「増える」「やや増える」とした回答が全体の46%に上りました。これは2014年の36.1%に対して約10%も増加したことになります。

図2.2 今後のWeb制作の予算について

図2.2 今後のWeb制作の予算について

一方で予算については、「増える」「やや増える」が全体の33%で、2014年の30.5%に対して2.5%の増加にとどまり、経年による顕著な違いは見られませんでした。

図2.3 現在の予算を100とした時のおおよその増加割合は?

図2.3 現在の予算を100とした時のおおよその増加割合は?

ただし、「増える」と回答した人に対しておおよその増加割合を尋ねた質問では、2014年に比べて全体的に増加量が大きい傾向が見て取れまし た。このことから、Web制作の予算を増やす見込みがある企業では、従来よりも多くの予算を確保する余地があると考えることができます。Webの効果への 期待がさらに高まっていると言えるでしょう。

3. 新規Webサイト立ち上げの案件が増える見込み

図3.1 予算が増えると答えた理由は?

図3.1 予算が増えると答えた理由は?

予算が増える理由としては、「会社としてWebに関連する取り組みに積極的になっているから」と「スマホやタブレットの台頭によりWebの取 り組みの需要が増えているから」が1位、2位を占めていますが、2014年と比較するとその割合はいずれも減少しています。その一方で5.5%の増加を見 せたのが「SNSの増加によってWebの取り組みの需要が増えているから」という項目です。企業の活動にとってソーシャルメディアの影響力が増しており、 Web制作の予算にも反映されていることが分かります。

図3.2 どんな案件が増えると思いますか?

図3.2 どんな案件が増えると思いますか?

具体的にどのような案件が増えるのかという質問に対しては、2014年に引き続いて「Webサイトのモバイル対応」が39%と他を大きく引き離しており、モバイル端末を重視する傾向は依然として続いています。また、もっとも伸び率が大きかったのは11.3%から15%に増えた「新規Webサイトの立ち上げ」でした。モバイル対応だけでなく、SNSの活用をはじめとする新しい試みが必要になるにあたって、新しくWebサイトを立ち上げるニーズが高まっているものと考えられます。

「Web分析、アクセス解析」も9.7%から13%に増えています。これはユーザからのフィードバックによって効果的にWebを活用したいという意識の表れだと考えることができるでしょう。

その一方で、「モバイルアプリの制作」は2014年から4.9%減少しています。同じモバイル対応でも、アプリではなくWebサイトを重視する傾向が強くなっていることが分かりました。

図3.3 Webコンテンツを企画する時に一番重視する機器は?

図3.3 Webコンテンツを企画する時に一番重視する機器は?

Webコンテンツを企画する際に最も重視する機器についても、「スマートフォン」および「タブレット端末」の割合が上昇しており、「PC」の割合はその分減少しています。特にスマートフォンは11.8%と1割を超えました。

将来的な見込みでも、スマートフォン・タブレット端末が大幅に増加しています。ただし、2014年の結果との比較でいえば、スマートフォンが 33.8%から40.8%に上昇しているのに対して、タブレット端末は18.6%から15.1%に減少しています。タブレット端末よりもスマートフォンを 重視する傾向が一層強くなっていることがわかります。

4. 実績よりも課題解決力が重要

図4.1 発注先を選ぶ基準として、重要度の高いものは?

図4.1 発注先を選ぶ基準として、重要度の高いものは?

発注先を選ぶ基準としては、「価格」が圧倒的多数で1位を獲得しており、「提案内容」が2位に続いています。ここまでは2014年と同じ傾向 です。注目すべきは、「課題に対する解決力」が4位から3位に上がっていることでしょう。また、初回時の基準として「相手側との信頼関係」が3.5%増加 し、一方で「発注先の実績」は3.5%減少しています。見た目上の実績よりも、自社の抱えている課題に確実に対応してくれる企業を選んでいるという傾向が 見て取れます。

昨今では、モバイル端末の普及やソーシャルメディアの台頭などによって企業活動におけるWebのあり方が変わってきています。その一方で、 Web制作業務に対しても様々な課題が顕在化している時期でもあります。発注者の信頼を勝ち取るためには、技術のトレンドを追うだけでなく、課題の解決に 必要となる地力を磨いておくことが極めて重要だと言えます。