アドビ、デジタル広告などの最新トレンドを伝える2015年第2四半期版「デジタル広告レポート」と「ソーシャルインテリジェンスレポート」を公開

モバイル非対応の企業はGoogleのモバイルゲドンの影響を受けていることが判明

【2015年7月24日】

アドビ システムズ 株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 佐分利 ユージン 以下 アドビ)は、デジタル広告やソーシャルメディアによる最新トレンドを伝えるAdobe Digital Index(ADI)による2015年第2四半期版の「デジタル広告レポート」と「ソーシャルインテリジェンスレポート」を公開しました。

今年4月末にGoogleが実施したアルゴリズムのアップデート(通称:モバイルゲドン)により、オーガニックのモバイル検索におけるモバイル対応のWebサイトの検索ランキングの順位が引き上げられました。それから2か月以上を経た現在では、Webサイトをモバイル対応にしなかった企業はその影響を受けており、Google自身もその影響を受けていることが明らかになりました。

同デジタル広告レポートによると、「モバイルゲドン」に備えなかった企業は、前年比で最大10%のトラフィックを失ったことが判明しました。

ADIのプリンシパルであるタマラ・ギャフニー(Tamara Gaffney)は、「モバイル非対応のWebサイトのトラフィックが急減したわけではありませんが、その影響はアルゴリズム変更から約2ヶ月を経て顕著に現れてきています。このようにトラフィック減少が継続していることを見れば、トラフィック回復の速攻策としてペイド検索を直ちに重視すべきであったかもしれません。しかしこのような戦略が長期的に維持可能とは限りません」と述べています。

ADIの分析によれば、モバイルWeb戦略を無視したブランドはGoogleネットワーク経由のモバイル広告において得られる価値の低下とコスト増大を経験し、またモバイルのCTR(クリック率)とCPC(クリック単価)のギャップが拡大しています。モバイルCPCが前年比16%上昇したのに対し、CTRは前年比9%減少しました。


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ADIのアナリストであるジョー・マーティン(Joe Martin)は「CPC上昇により広告への支出を拡大しなければ従来と同じ効果が得られないクリックインフレと呼ばれる状況が生じ、広告予算の肥大化を引き起こしています」と述べています。

世界のディスプレイ広告ビジネス全体が悪影響を受けるなか、Facebookはモバイルへの対応をより大きな規模で進めることにより自らの優位性を高めています。

Facebookはかつて1ページにつき4つのディスプレイ広告を掲載していましたが、モバイルユーザーに不評だったため2つに減らしました。また、Facebookはモバイルユーザーへの最適化をさらに進め、ニュースフィード中にも広告が表示されるようにしました。これらはいずれも、マーケターを困惑させる非常に大きな変更でした。実際、ページあたりの広告数を削減することでインプレッション数が低下しましたが、その見返りとしてエンゲージメントが増加しています。

また、ADIの2015年第2四半期版「ソーシャルインテリジェンスレポート」によると、Facebookペイド広告のインプレッション数が前年比で半分近く(-47%)に低下したのにもかかわらず、総クリック数は前年比で12%増加しました。

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この結果として、FacebookのCTRは前年比99%でほぼ倍増しています。これに対し段階的な変更を行ったGoogleのCTRは前年比で24%増でした。

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ADIのプリンシパル、タマラ・ギャフニーは、「Facebookには、ブランドがユーザーとコミュニケーションを取るチャンスがより多く存在します。モバイルへの対応にあたり、段階的な変更だけではマーケターにとって不十分であることをデータは示しています。モバイルへの対応にはプロセスのすべての部分において抜本的な変化が必要で、モバイルファーストと口で唱えるだけでは不十分です。私たちが慣れ親しんできたエンゲージメントやROIのものから変わろうとしている今、エクスペリエンス自体をモバイルにすることが必要です。すべてを新たな方法でモバイルエクスペリエンスの中に完全に組み込まなければなりません」と述べています。

Adobe Digital Index:2015年第二四半期デジタル広告レポート:

https://blogs.adobe.com/japan-conversations/files/2015/07/Q2-2015-ADI-Digital-Ad-Report.pdf

Adobe Digital Index:2015年第二四半期ソーシャルインテリジェンスレポート:

https://blogs.adobe.com/japan-conversations/files/2015/07/Q2-2015-ADI-Social-Intelligence-Report.pdf

Adobe Digital Index(ADI)調査について

Adobe Digital Indexは、5,000を超える様々な業界のブランドサイトからの匿名消費者データを集約して分析した調査結果です。今回の2015年第2四半期版の「デジタル広告レポート」と「ソーシャルインテリジェンスレポート」は、2014年から2015年に集約した、5,000億件を超えるFacebook投稿インプレッション、5,250億件を超えるGoogleとYahoo! Bing広告インプレッション、800万件を超えるソーシャルなストリーミングアプリケーションへの言及などの分析に基づいて作成されています。データはアドビのAdobe Marketing Cloudを構成するAdobe Media Optimizer、Adobe Analytics、Adobe Social経由で収集しました。