ベテランほど知らずに損してるPhotoshopの新常識(3)“ふわふわ/もこもこ”も、どんと来い![選択とマスク]で実現するスピーディな切り抜き

連載

ベテランほど知らずに損してるPhotoshopの新常識

人物や商品写真の切り抜き作業。いにしえからのPhotoshopperは、まずはパスを切ったり、チャンネルを使って選択範囲を作成されると思いますが、それなりに時間がかかります。

今回は、“ふわふわ/もこもこ”にも対応しつつ、スピーディに切り抜くために、[選択とマスク]ワークスペースを使ったワークフローをご紹介します。

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サンプルファイルは、鳥取砂丘で撮影したこちらの写真です(協力:山陰デザイン会議)。

https://blog.adobe.com/media_7b3512eabf79b91997964b1302453d58c0efe520.gif

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おおまかな流れ

切り抜き作業を[選択とマスク]ワークスペースを使って行うには、次のような手順で進めます。

  1. [選択とマスク]ワークスペースに切り換える
  2. [クイック選択ツール]でドラッグして、選択範囲を作成する
  3. [境界線調整ブラシツール]でふさふさしている部分をドラッグする
  4. [出力先]を選択し、[選択とマスク]ワークスペースを終了する

https://blog.adobe.com/media_7d303974e445c0d799266723b3d0a92f7b412568.gif

少し詳細な手順

それでは、細かくみていきましょう。

  1. 画像を開き、[選択範囲]メニューの[選択とマスク]をクリックする(キーボードショートカット:command+option+Rキー/Ctrl+Alt+Rキーを使うこともできる)
  2. [選択とマスク]ワークスペースに切り替わり、画像が薄く表示される(オニオンスキン表示)
  3. 左上のツールバーでは[クイック選択ツール]が選択されているhttps://blog.adobe.com/media_1abbd4c8854ebe7721d5ab6d37b016b56cdb6efc.gif
  4. 残したい領域をドラッグする(不要な部分はoptionキー/Altキー+ドラッグすると選択範囲から削除される)https://blog.adobe.com/media_438f13646e0a83f48a14916b32cbd39cd46259de.gif
  5. [オーバーレイ]に切り換えると、選択範囲を確認しやすいhttps://blog.adobe.com/media_e892b76f9439eed7c23aa2275ae883d696642f3b.gif
  6. [境界線調整ブラシツール]に切り替え、ブラシサイズを調節しながら“ふさふさ”したエッジの箇所をドラッグする(必要に応じて、拡大縮小やスクロールしながら)
  7. ひもの部分など、かけてしまっているところをドラッグする(“ひも”だけが抽出される)https://blog.adobe.com/media_50bc79a8cd84d06b9ad7ccf10fd277cdd7631f92.gifブラシサイズの調整は、第1回でご紹介した「キーボードショートカットでブラシプレビュー」を呼び出す方法がオススメです。
  8. [出力先]に「レイヤーマスク」を選択し、[OK]ボタンをクリックするhttps://blog.adobe.com/media_6db1c413e39a91f073625fb8e4d532f596aec67b.gif
  9. [レイヤー]パネルを開くと、レイヤーマスクが追加されていることが確認できるhttps://blog.adobe.com/media_15854ca45fb3ead6958ac15b2025b4124410927d.gif

切り抜きの精度を高めるために

あらかじめ切り抜きたいレイヤーの背面にべた塗りレイヤーを用意し、画像内で使われていないカラーを指定しておくと、切り抜きの精度を上げるのに役立ちます。

  1. [レイヤー]パネルで、「背景」レイヤーのロックアイコンをクリックhttps://blog.adobe.com/media_d3979ef8a4c9dea2d9509a033db59d567496b666.gif
  2. 「背景」レイヤーが「レイヤー0」になるhttps://blog.adobe.com/media_5a004defea8d4336ea22ff7a82785c362dd2935d.gif
  3. [レイヤー]メニューの[新規塗りつぶしレイヤー]→[べた塗り…]をクリックhttps://blog.adobe.com/media_a3b0683cb0dc09c8318b52233dbd017cb30247d6.gif
  4. 「べた塗り1」レイヤーを「レイヤー0」の背面に移動https://blog.adobe.com/media_d3e71f5c5465649df2a2fee6df98dd6251ab774a.gif
  5. [選択とマスク]ワークスペースを起動
  6. [表示モード]を「レイヤー上」に設定するhttps://blog.adobe.com/media_3bbd3c912e96fa32844ee9e71b2a4f1821ebb1d7.gif
  7. 「べた塗り1」レイヤーに設定したカラーが透けるようになり、切り抜きの結果を確認しやすくなります。https://blog.adobe.com/media_86ea7b18c0b0e3b342e162cbe99e3854f9cf38ea.gif

レイヤーマスクの調整

[選択とマスク]ワークスペースを使って切り抜きを行った後、微調整を行うには、レイヤーマスクを調整します。

レイヤーマスクのサムネールをクリックして選択し、ブラシツールで調整します。白で塗れば表示、黒で塗れば非表示になります。Xキーで切り替えながら進めます。

その際、[回転ビューツール]で、カンバスを回転させると腕の動きに沿って描きやすくなります。

https://blog.adobe.com/media_67b322e25ac9303027b9bd256a3d134928b607b9.gif

[回転ビューツール]に切り換えるには、第2回ご紹介した(バネ仕掛けのツール切り替え)で、Rキーを使うことができます。

[選択とマスク]ワークスペースの起動

[選択とマスク]ワークスペースを起動するには、次の2つのほか、いくつかの方法があります。

選択系のツールを選んでいるとき

[長方形選択ツール]、[なげなわツール]、[クイック選択ツール]などの選択系のツールを選んでいるときには、オプションバーに[選択とマスク]ボタンが表示されます。

https://blog.adobe.com/media_202a29bbf4eb5dac5a1d8b67858a81f83476c375.gif

[選択とマスク]ボタンをクリックすると、[選択とマスク]ワークスペースが起動します。

レイヤーマスクをダブルクリック

レイヤーマスクを設定しているとき、[レイヤー]パネルでレイヤーマスクアイコンをダブルクリックすると、[選択とマスク]ワークスペースが起動します。

https://blog.adobe.com/media_2420a5c85f6e2c5955831c25d9f946b58a68eec0.gif

環境設定の[ツール]カテゴリ内、[レイヤーマスクをダブルクリックしたときに選択とマスクワークスペースを起動]オプションがオンのときに限ります。

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https://blogs.adobe.com/creativestation/files/2015/10/ss-1322-20161024-231507-s.png

[属性]パネルから

レイヤーマスクを設定しているとき、[属性]パネルで[選択とマスク…]ボタンをクリックすると、[選択とマスク]ワークスペースが起動します。

https://blog.adobe.com/media_a8f09301672becb050cfba6390924811c146c1a0.gif

小さいまとめ([選択とマスク]ワークスペースの起動)

[選択とマスク]ワークスペースの起動には、次の方法があります。

https://blog.adobe.com/media_57365d0fbc9abad7aef17d96356e1c8fb4881cfa.gif

どの状態でも可能なキーボードショートカット(command+option+Rキー/Ctrl+Alt+Rキー)がオススメです。

まとめ

[選択とマスク]ワークスペースを使った切り抜きをご紹介しました。非常にスピーディに作業することができます。

ぜひ、サンプルファイルやお手持ちの画像で試してみてください。

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