ドキュメントのあり方を刷新するためのアドビの新たな一歩。電子サインの機能強化とクラウド環境との連携 #AcrobatDC
アドビは、2015年前半にドキュメント業務をより効率的に遂行するAdobe Document Cloudを発表しました。私たちが業務の中でいかに文書に依存しているかは想像に難くなく、その文書処理に伴う非効率な作業はかなりの分量にのぼります。
Document Cloudを正式発表(英語)してから数か月で、2つのことが明らかになりました。1つめは、アドビの新しいサービスとアプリがお客様に受け入れられたことです。これは、お客様やパートナーから寄せられた声が示しています(英語)。2つめは、私たちの取り組みはまだ始まったばかりだということです。「電子化されていない文書」の問題が解決されていない旧来型の文書処理のプロセスは、まだたくさんあります。
本日、アドビがドキュメントのあり方を刷新するための第一歩を踏み出せることを嬉しく思います。また、これはDocument Cloudの2本柱であるAdobe Document Cloud eSignサービスとAdobe Acrobat DCの両方を大幅に強化するもので、モバイルが重要な役割を果たします。
電子サインをリードし続ける
電子サインは、世界中のあらゆる規模の企業の競争力を向上させる手段として、急速に普及しています。Forrester Research社は「2014年には2億1,000万件の書類に電子サインが活用されたが、2017年には3.5倍の7億5,400万件以上になる1」と予測しています。
アドビは、電子サインだけでなく、そのより高度で安全な手法である(アドビが開発をサポートした)電子署名にも、引き続き革新をもたらしていきます。これに関して、アドビはいくつかの新機能を発表しました(プレスリリースをご覧ください)。
- ワークフローの自動化:新たなWorkflow Designerを用いることで、送信者がいつでも簡単かつ一貫した手順で署名プロセスを行えるテンプレートを視覚的に作成できます。
- エンタープライズレベルの制御機能:契約書の送付方法を刷新することで、時間を短縮できます。
- 電子署名:EUおよび規制産業での高度な署名要件に準拠します。
- グローバルデータセンターの新設:新しいDocument Cloudデータセンターを、今年中にアイルランドとドイツで運用開始する予定です。アドビは2016年を通して世界的にデータセンターの拡充を図る計画で、これはその一環です。
また、eSignサービスおよびAcrobat DCとともに使用するモバイル版アプリAdobe eSign Manager DCをアップグレードしました。これにより、書類やフォームへの電子サインを可能にし、サイン依頼の送信、返答のリアルタイム追跡などを簡単に行うことができます。新たな機能としては、Enterprise Mobility Managementのサポート、手書きした署名を一度撮影すれば書類に用いる署名として繰り返し使用できるSignature Caputure機能、Web、モバイル、デスクトップから署名画像にアクセスできるSignature Sync機能があります。
Acrobat DC:新たなパートナーシップと継続的な革新
アドビは、Adobe Document Cloudの核となるアプリケーションAcrobat DCを引き続き進化させていきます。AcrobatがDocument Cloudの一部となり、ユーザーはメジャーリリースの発表というサイクルを待たなくとも新しい機能を利用できるようになりました。今回発表した新たなパートナーシップと、Acrobatの利用者に向けたイノベーションはその一例です。
まず、Dropboxとのパートナーシップを発表できることを非常に嬉しく思っています。これにより、個人や組織のモバイル、Web、デスクトップ上での共同作業の簡素化を支援します(プレスリリースをご覧ください)。
Dropboxは、Adobe Document Cloudのファイル同期と共有においてパートナーシップを組んだ最初の企業で、顧客の生産性向上にともに取り組んでいきます。
Dropboxは、非常に重要なサービスです。PDFは、Dropboxに保存されているビジネス文書の中で最も一般的なファイル形式であり、Dropbox上には180億ものPDFが保管されています。このことを踏まえ、AdobeとDropboxのチームは、Acrobat DCとAdobe Acrobat Reader、Dropboxのモバイル版アプリ、DropboxのWebの統合に取り組みました。
この統合によって、AcrobatおよびAcrobat Readerユーザーは、アドビのモバイル版およびデスクトップ版アプリ内から直接Dropboxに保存されているPDFにアクセスし、操作できるようになります。この統合は、デスクトップ版Acrobatについては10月13日より利用可能となりました。また、Dropboxユーザーは、Dropbox Webサイト、iOS版アプリ、Android版アプリから直接AcrobatのPDFを開き、編集、デジタルサイン、変更保存といった操作を行うことができます。iOS版Acrobat ReaderとDropboxの統合は今後数か月の間に行われる予定です。Android版アプリとWebサイトの統合は2016年に開始予定です。
今回のアドビとDropboxとの協業により、ファイルに素早くアクセス、共有し、編集と共同作業をより簡単にし、どこでもPDFを同期できるようにすることで、双方の顧客の生産性を向上させることを目指しています。
Acrobat DCについても、PDFを利用した業務をより一層効率的かつ快適にできるよう注力しています。
Acrobatの最新アップデートで数々の新機能が追加されます。たとえば、普段利用するWebブラウザでのタブ表示機能、および画像を迅速に表示するカメラ画質向上機能などがあります。これらは新機能のほんの一部です。詳細は、Acrobatの革新により深く切り込んだ昨日掲載のジョン ペレラ(Jon Perera)のブログ(英語)をご覧ください。
今後のアップデートにもご期待ください。
私は今年3月のブログで、文書処理は破たんしており、これを解決する必要があると述べました。Adobe Document Cloudの発表、および今回の発表でアドビがこの問題に真剣に取り組んでいることをご理解いただければ幸いです。私たちの取り組みは始まったばかりです。今後の発表にもご期待ください。
1 “Brief: E-Signature Transactions Topped 210 Million In 2014″、Forrester Research, Inc.、2015年5月19日
アドビ ドキュメント サービス担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー
Kevin M. Lynch