フォトレタッチの極意3:「色相・彩度」の基本と応用

連載

Photoshop フォトレタッチの極意

Photoshopの数ある色調補正機能の代表格である「色相・彩度」コマンド。色相・彩度・明度の3つのスライダーによるシンプルな操作で、写真の鮮やかさをコントロールすることができます。ここではその応用編として、特定の色だけをコントロールする方法について、フォトグラファー/レタッチャーの御園生大地さんが、サイトShuffleに投稿した解説から抜粋してご紹介します。

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Before

After-1 | 左側のレモンマカロンを抹茶色に

After-2 | 左から3列目のマカロンを鮮やかに

After-3 | 右から2列目のマカロンを紫からピンクに

1、レモンマカロンを抹茶マカロンに変換する

(1)メニューバーからイメージ→「色調補正」→「色相・彩度」とたどっていき、操作ウィンドウを表示。左下にある、右手のマークの部分をクリックする。写真の上にカーソルを運ぶと、カーソルがスポイト表示になる。
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(2)一番左の列の黄色いレモンマカロンをスポイト型カーソルでクリック。「色相」スライダーを右に動かすと、黄色のマカロンが緑に変わるが、同時に一番奥の列と真ん中の列のマカロンも色が変わってしまう。

(3)レモンマカロンだけの色が変わるように、色相・彩度の影響が及ぶ範囲を狭くする操作をする。まず、どこまで色相・彩度のかかる範囲を見やすくするため、「彩度」スライダーを右端一杯まで上げる。色相・彩度の影響が及んでいる範囲が、とても派手な色に変わる。

(4)操作ウインドウ一番下の、2本並んでいる虹色のバーの間の4つのツマミを広げたり、狭めたりして、「黄色には調整がかかるが、茶色には調整がかからない」ところを見つける。
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(5)下図のように調節が上手くいったら、彩度スライダーを一度ゼロに戻す。これで、下準備が完成。
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(6)各スライダーを動かして、黄色のマカロンのみ、色相スライダーを「+44」にして黄緑っぽく変換。さらに不自然になり過ぎないよう彩度を「-43」に落として、明度で「-19」と少し暗く調整して、色変換の不自然さが出ないように抑え気味の色味を狙う。納得のいった所で「OK」をクリックして完成。
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Before

After

2、ヒストリーブラシを使う方法

「色相・彩度」で、どうしても必要なところだけ上手く選択できず、余分なところの色変換が残ってしまったら…?なぞった部分を過去に戻す事ができる、魔法ツール「ヒストリーブラシ」を活用します。

(1)前項の(1)のやり方で、真ん中の列のマカロンだけ選択する。
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(2)周りに影響が及ぶのを気にせずに、「色相」スライダーを左に動かして色を変え、そのまま「OK」をクリック。ほとんどのマカロンが赤に染まってしまう。
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(3)ツールパネルから、「ヒストリーブラシ」を選択。
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(4)ヒストリーウインドウで、「色相・彩度」を使う前の工程の四角い欄をクリック。ヒストリーブラシのマークが付く。
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(5)ヒストリーブラシで画像をなぞると、なぞった部分だけ、ヒストリーパネルで指定された「過去」の状態に戻る。赤く色変換したくない部分をすべて塗りつぶしたら完成。
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After

3、作業効率化のためのテクニック

より素早く、特定の色だけをコントロールするには?さらに効率的に調整する方法があります。

(1)右から2列目、紫のマカロンをピンクに変える。調整したい画像を開いて「色相・彩度」を選択。現れた「色相・彩度ウインドウ」の左下の「右手のボタン」をクリックする。
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(2)紫色のマカロンの上にスポイト型カーソルを持ってきたら、その上でクリックしたままカーソルを右に移動。
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(3)すると、「彩度」スライダーが右に移動して彩度が上がる。
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(4)今度は、同じ操作を「⌘(Mac)」もしくは「Ctrl(Win)」を押しながら行う。
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(5)すると、「色相」スライダーが右に移動して、紫色のマカロンの色が変わる。この操作で、カーソルを左右に動かして微調整をすれば、簡単にピンクのマカロンが出来上がる。
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After

さらに詳しい解説は、Shuffle by COMMERCIAL PHOTO で連載中の「Photoshop 色調補正ゼミナール」(解説・写真:御園生大地)に掲載されています。サンプルファイルもダウンロードできますので、ぜひ挑戦してみてください!