Adobe Summit 2016 現地レポート Vol.1
本日2016年3月21日(火)より、アメリカ合衆国ラスベガス Sans Expo and Convention Centerにて、Adobeが主催する世界最大級のデジタルマーケティングカンファレンス、Adobe Summit 2016を開催しています。世界から1万人近くが集結する、このデジタルマーケティング祭典の様子を本日より数日、現地ラスベガスからレポートして行きます。
初日General Session(基調講演)の様子
<<基調講演の様子は、下記のAdobe Summit 2016 Webサイトの録画からもご覧いただく事が出来ます。>>
http://summit.adobe.com/na/
アドビ システムズ CEO シャンタヌ・ナラヤンの挨拶で開幕
プロジェクションマッピングを駆使した、観客の印象に残るオープニング映像と共に登場をしたシャンタヌは、デジタルを通してアメリカで人気が広がったコミックキャラクターのDead Poolや昨今様々なIoTデバイスの導入により一変したテーマパークや店頭での顧客体験を元に、現代は「Experience Era」(顧客体験の時代)であると語りました。
誰の生活においても、デジタル ディスラプション(これまでの常識を覆すようなデジタル環境)は起きており、企業は自身のデジタル戦略を見直すべき時であるとシャンタヌは言います。このような変化を受けて、世の中には「エンターテイメント」と「リテール」を融合させた「エンターテーリング」や、「ションピング」と「エンターテイメント 」を融合させた「ショッパテイメント」と言った言葉流行するようになりました。
優れた顧客体験を生み出すのに重要なのは「コンテンツ」と「データ」です。「世界を動かすデジタル体験を」をミッションに持つアドビでは、Creative Cloud、Document Cloud、Marketing Cloudの3つのクラウドにより、Experience Eraにおける企業の成功をサポートする企業であると、彼は語りました。
EVP & GM Digital Marketing ブラッド・レンチャーが語る「Experience Business」(顧客体験中心のビジネス)
次に登場したEVP & GM Digital Marketing ブランド・レンチャーは、顧客体験が重要視される時代においては、「個」がこれまでに無い程に重要であると情熱を込めて語りました。包括的で、継続的で、魅力的な顧客体験を提供することが必要であると彼は言います。
IoT、モバイルの登場により世の中のエンタープライズビジネスは、第3のディスラプションの波を迎えてています。第1の波は在庫管理、会計ソフトなどによって生まれた「バックオフィス」によるディスラプション、第2の波はCRMシステムの顧客管理などよって生まれた「フロントオフィス」によるディスラプション、そして今は顧客体験でビジネスを構築する「Experience Business」によるディスラプションの波にあります。
過去にテクノロジーは18ヶ月に2倍に成長すると言う定説がありました。これからは、顧客体験がこのような早さで発展をして行く時代です。このような流れを受け、デルタのスマートフォンを活用し提供するシームレスな顧客体験や、アメリカの放送局HBOが開始したTV Everywhereのなどのサービスが出現していると、彼は語ります。
様々なゲストスピーカーが登場
デジタル ディスラプションを迎える世の中で自社のビジネスに変革をお越し、新たな顧客価値を提供することに成功をした企業のマーケティング及びデジタルの責任者が登場し自社の体験を語りました。
マクドナルド USA, CMO, Debra Wahl
マクドナルド USAがモバイルアプリとデジタル決済の導入によって一変させた顧客体験、今後取組もうと考えているAugmented reality(拡張現実)のサービスについて語りました。
Royal Bank of Scotland, デジタル アナリティクス 責任者, Giles Richardson
Royal Bank of Scotlandが実施した「Super Star DJ」と言うプログラムを通して、社内の誰もが分析と改善の施策を実施し、組織全体で顧客体験の改善に貢献できると言う自社の変革について語りました。
Comedy Central, CMO, Walter Levitt
長寿番組のベテラン司会の交番を受け、ミレニアム世代の世にまだ出ていないタレントをメイン司会に迎え、アナリティクスとソーシャルを活用して大成功をした施策について語りました。
Adobe Marketing Cloudの新機能を発表
Adobe Marketing Cloudの様々な新機能が、プロダクト担当者やエバンジェリストのデモを通して、発表をされました。
Analysis Workspace
インターネットWebブラウザベースを通して、高度な分析を可能にするAnalysis Workspaceの機能強化
Omni Search
Marketing Cloudのユーザインターフェースを通して、全てのアセット、アプリ、ドキュメントを検索できる機能
Subject Line Optimization
効果的なEメールの件名を提案する機能
Test Auto Allocation
ABテストの効果を自動的に最大化する機能
**Device Co-op
**会員企業のネットワークを活用して、個別のデバイスやアプリケーションに渡って個人を認識する機能
Adobe Primetime OTT
パソコン、モバイル、コネクテッドデバイスを通じて、消費者のパーソナライズされたテレビや広告の体験を提供する機能
Smart Tagging
画像などのアセットに自動的に適切な属性情報付与する機能
Asset Insights
画像などのアセットのアセット単位の効果を可視化する機能
Dynamic Creative Optimization
セグメントと分析データを元に自動的に最適な広告クリエイティブを作成する機能
comScoreとの提携を発表
大手インターネット視聴率会社comScoreのデジタルオーディエンスの、メディア視聴動向に対してインサイトを提供する、戦略的提携が発表されました。
近未来の顧客体験を表現したデモ
Adobe Marketing Cloudの機能を活用した、近い将来起こり得る顧客体験のデモが実施されました。
Smart Bagによる新たな買い物体験を表現
Smart Bagと言うコンセプトを元に店内で商品を袋に入れ、そのままお店をでるだけで決済と商品購入が完了をすると言う、新たな店舗での買い物体験が紹介されました。
スマートフォン、デジタルサイネージを活用した飲食店における新たな顧客体験を表現
アメリカ大手ドーナッツショップをモデルにスマートフォンとデジタルサイネージで個人に最適化された商品が提案され、購入できると言う顧客体験が紹介されました。また、最後にステージに車が登場し車載パネルからも同様の体験できることが紹介されました。
明日も二日目General Session、Adobeが現在開発をしている技術参加者の投票によって採用を決めるSneaksの模様とレポートして行きますので、ご期待ください。
前田 龍 アドビ システムズ株式会社 マーケティング本部 プロダクト マーケティング マネージャー
アジア最大級の観光産業国の政府観光局、大手インターネット セキュリティ ソフト メーカーでデジタル マーケティング担当、プロダクト マーケティング マネージャを経て、2013年よりアドビ システムズに入社。同社では、Adobe Marketing Cloud製品のプロダクト マーケティングを担当。