Web開発者向けCreative Cloudプラットフォーム(Web SDK)の紹介
この記事は、2016/4/7 にポストされた Introducing the Creative Cloud Platform for Web Developers を翻訳したものです。
Creative Cloudと連携するためのWeb SDKコンポーネント(ベータ版)をリリース
クリエイティブテクノロジーの革新は、アドビに限ったことではなく業界全体で起きています。アドビのユーザーは、クリエイティブ作品の制作に多くの製品とサービスを利用しています。これらの革新的な製品とサービスをユーザーができるだけシームレスに利用できるようにするためには、グローバル開発者コミュニティとの協力が不可欠です。アドビは先日、これを実現すべく技術開発者向けの資料やツールを提供する統合ポータル Adobe I/O を発表しました。これにより開発者は3つの全てのクラウドソリューションにアクセスすることが可能になります。本日、アドビはAdobe Creative Cloud用の一連の新しいWebコンポーネントのベータ版をリリースしました。これらのベータ版コンポーネントを複数のパートナー企業に提供し、アドビとパートナー企業両社において共通のクリエイティブプロセスの効率化を図るために活用されます。
アドビのCreative Cloudプラットフォームの核であり、モバイルアプリを支えるエンジンであるCreative SDKは、アプリ間のファイル共有、アドビ独自のファイル形式(.PSDや.AIなど)との互換性、アドビの一部のクリエイティブツールへの直接アクセスを提供するとともに、制作における柔軟性を高めるアドビのデスクトップアプリケーションへのファイル送信のパスを実装しました。このようなアプリをまたぐワークフローを実現することで、ユーザーの選択肢を増やし、効率性向上を図り、クリエイティビティの可能性をさらに広げます。
他のクリエイティブアプリとの連携を可能に
Paper by 53をはじめ、Infltr、Bazaart、Marvel、Moleskine、Generate、ArtRage、Curator、Vintage Designなど、市場で高評価を受けているクリエイティブアプリとの連携により、毎日使用するモバイルアプリからお気に入りのクリエイティブコンテンツやワークフローにアクセスして、使い慣れたアドビツールと業界ツールを使ったシームレスな作業が可能になります。
Webコンポーネントが提供する機能
Adobe I/Oポータル開設の発表に続く、本日の新しいWebコンポーネントに関する発表は、真のクロスプラットフォーム、クロスアプリのワークフローをサポートするというアドビのコミットメントを示すものです。Web上にはクリエイティブ作品があふれているため、制作に使用するプラットフォームや製品に関らず、必要なものがすべて利用できる状態を目指しています。現在、Web開発者は、以下のWeb APIおよびコンポーネントを使用して、利用しているサービスとCreative Cloudを結び付けることができます。
- Image Editor:組み込み可能で柔軟にカスタマイズできる基本的な画像エディター
- Asset Browser(ベータ版):すべてのCreative Cloudファイルおよびライブラリへのアクセスと同期したLightroomの写真を最大限活用するための特別な写真用コンポーネント
- File Upload API(ベータ版):Creative Cloudへの直接アップロード
複数のパートナー企業はすでにこれらのベータ版コンポーネントの試用を始めています。Creative Cloudユーザーは、企業向けチャットツールおよびコラボレーションアプリとして人気のHipChat、新しいプロトタイピングツールのPrott、世界的に著名な企業にも活用されている最新のコラボレーションワークスペースのBluescapeのWebサービスにアクセスが可能となります。
前述の通り、Creative SDK for Webは、アドビの写真製品ユーザー固有のニーズに即したコンポーネントも提供します。新しいLightroom Photos Organizerは、デスクトップ版、モバイル版、Web版のLightroomクライアントアプリを使い慣れたユーザーが普段通り作業できるWebアプリ向けの写真閲覧やインポートのためのモジュールを提供します。AnimotoがLightroom Photos OrganizerをWeb サービスに統合する最初のパートナーとなったことを発表します。Lightroomの写真へアクセスしやすくなることで、Animotoユーザーのビデオ制作プロセスがどのように改善されるかを楽しみにしています。
今回の統合によるメリットを実感しているAnimotoユーザーの声を以下にご紹介します。
受賞経験のあるウェディング写真家のJerry Ghionis氏は次のように述べています。「私は10年以上アドビ製品を仕事で使用しています。数年前から、ソーシャルメディア投稿用やクライアントのビデオ制作でAnimotoも使用しています。今回のパートナーシップにより、プロ品質のマーケティングビデオやスライドショーの制作過程において、Lightroom CCに保存した画像を使うことで、作業が非常に簡単になります。」
今後提供予定のコンポーネント
アドビは、今後も引き続き、Creative Cloudのサービス間で、よりスムーズな連携を実現できるよう機能拡張を図ってまいります。これらの新しいWeb SDKコンポーネントは、現在ベータ版を提供していますので、開発者の皆様はこちらからぜひお申し込みください。以下に、ベータユーザーから寄せられたフィードバックに基づいて開発予定のコンポーネントの一部を紹介します。
- .PSDや.AIファイルのレンダリングや操作を実現するPhotoshopおよびIllustratorとの完全な互換性の提供
- 高品質のクリエイティブアセットをCreative Cloudのその他の製品上でも選択や使用できるAdobe Stockへのアクセス
- 進行中のプロジェクトや作品をBehanceコミュニティに公開できる機能
- Creative Cloudと同期する画像エディターを通じて利用可能なカスタムステッカー、フィルター、フレーム
- Creative Cloud内のファイルに変更があった場合に開発者およびユーザーに通知する機能
- 同期したLightroomコレクションから、より表現力のある制作物の作成を可能にするLightroom Photos Organizerを介したHinted Importing
ビジネスを加速させるためにCreative Cloudプラットフォームをどのように活用したいとお考えですか?ぜひみなさまのご意見をお寄せください。
また、お使いいただいた上でのフィードバックもお待ちしております。アドビは、生産性向上や制作のための革新的なアプリケーションの開発に最適なプラットフォームを作り出すことを目指しています。そのためにはみなさまの力が必要です。Twitterの@CreativeSDKまたはこちらまで、ご意見をお待ちしています。