Adobe Marketing CloudにVRとARの機能を追加

※以下は、Adobe Primetime マーケティングディレクターであるキャンベル フォスター(Campbell Foster)によるブログ 「Adobe Announces VR and AR Capabilities in Marketing Cloud」の翻訳です。

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)は、テクノロジーに携わる者にとって有望な投資対象であり、昨今話題のトピックスです。VRとARは、顧客体験に新たな変革をもたらすと期待されていますが、その見解は調査でも証明されています。The Diffusion Groupによると、世界のVRのユーザー数は2025年までに約2億7,500万人に、対応デバイスの年間出荷台数は約7,000万台(2016年は500万台)に達すると予想されています。こうした傾向が今後も続いた場合、VRとARは瞬く間に目新しい技術から当たり前の技術になるでしょう。

コンテンツ視聴にも近頃大きな変化が見られます。テレビコンテンツの視聴は、テレビ画面からモバイルデバイスへと移行し始めました。業界関係者は、コンテンツの内容そのものだけでなく、多くの課題に頭を痛めています。広告の挿入やデジタル著作権管理(DRM)など、あらゆることに対応しなければなりません。新たなVR/AR市場の台頭が待ち望まれる一方で、そうした課題の多くにさまざまなかたちで悩まされることでしょう。

現状では、視聴されているVR映像コンテンツのほとんどが収益につながっていません。このままではユーザーに誤った期待を与え、長期的にはVR映像コンテンツの成長を妨げる可能性があります。現在は初期段階であり、コンテンツの量は限られていますが、ブランド企業は当初からVR映像コンテンツを広告に活用し、収益源になるよう検討することが重要です。ユーザーが無料で広告のないコンテンツに慣れてしまうと、ユーザーの高まった期待をリセットすることは難しくなります。

新しいスクリーン、新しい機能

アドビは、Adobe PrimetimeのVR/AR機能を拡張し、広告挿入、DRM機能、動画再生機能を新たに追加します。Adobe Marketing Cloudの機能と統合することで、ブランド企業はAdobe Analyticsを活用できるようになります。ブランド企業は、ユーザーアクティビティの詳細な測定や実用的なインサイトの獲得が可能になり、その結果として、ユーザーの期待に沿っているのか、好みに合わせてパーソナライズされた体験を提供できているのかを確認することができます。

また、先日Adobe Creative Cloudの最新情報として発表した通り、コンテンツの構想、制作、編集、配信、再生、コンテンツ保護、収益化、測定など、すべての段階でコンテンツプロバイダーをサポートします。さらに、Premiere Pro CCには、360度の映像を編集できる「フィールドオブビュー」モデルなどのVR映像のワークフローをサポートする強力な機能が新たに追加されます。

Adobe Primetimeの新機能は以下の通りです。

広告の収益化:アドビがVR/ARにおいて今後力を入れていく分野が2つあります。まず、従来の映像を視聴する仮想映画館のような環境です。この場合、コンテンツプロバイダーや放送/ケーブルネットワークが既存のテレビや映画のコンテンツを配信できます。次に、没入型映像です。ユーザーを取り囲むように映像が再生され、周囲を見回すと、まるでその場所にいるかのように感じられます。これは、ライブイベントのほか、ニュースやドキュメンタリーのコンテンツに適しています。

ブランド企業がVRとARから収益を得るために、アドビがサポートする多くの広告モデルを活用することができます。

**コンテンツ保護:**Adobe Primetimeは、仮想映画館や180度/360度の没入型VR映像のいずれにおいても、DRMで保護されたコンテンツの再生を(Adobe Accessを使用して)サポートします。アドビが誇る、業界標準となったコンテンツ保護および多様な権利表示によって、レンタルやサブスクリプションなどのさまざまなビジネスモデルが可能になるとともに、コンテンツオーナーのライセンス要件を満たすことができます。

対応デバイス:多くのVR対応デバイスが市販されていますが、Adobe Primetimeは、まずSamsung Gear VRとGoogle Cardboardに対応し、その後Oculus RiftとHTC Viveにも対応する予定です。

開発者の皆様に、お伝えしたい最新情報がもう一つあります。ARソフトウェア開発キットのリーダーであるWikitudeとの提携により、PhoneGap Developer Appのユーザーは、没入型の強力なARプロジェクトの制作が可能になりました。

新たな機能として、画像認識、画像トラッキング、位置情報を活用した拡張現実、3Dレンダリングおよびアニメーションがあります。