アドビのDigital Price Index、7月のレポートで6カ月連続の消費財価格下落を示唆

7月は、オンラインにおける食品の購入数で過去最高を記録、ポケモン関連商品の販売急増の一方で価格が下落、英国のEU離脱決定が引き続き英国への旅行価格に影響

※以下は、2016年8 月11日に弊社米国本社から発表されたプレスリリースの抄訳です。

【2016年8月17日】

米国カリフォルニア州サンノゼ発:アドビは、7月のDigital Price Index(DPI)を発表しました。今回のレポートでは、食料品のオンライン購入における新たな傾向や、英国のEU離脱決定がロンドン行きの航空運賃とホテル料金に引き続き影響を及ぼしていることが明らかになりました。食料品のオンライン購入と店頭での受け取りが過去最高を記録し、ポケモンブランド商品の販売も大幅に増加しましたが、アドビが追跡しているその他カテゴリーの大部分の価格は、引き続き下落傾向にあります。

DPIはビッグデータの活用により、実際のトランザクションをリアルタイムで分析することでインフレ率を測定して消費者行動の変化を解明します。これにより、従来のサーベイ方式による経済レポートでは把握できなかったデータを提供します。

7月のDPIは、食料品のオンライン購入が前年比で66%の実質成長となったことを明らかにしています。オンラインで購入し店頭で受け取られる食料品の割合は、2015年1月の18%から2016年7月には過去最高の45%に増加し、その55%を宅配が占めています。食料品のオンライン購入は、便利さや時間短縮を求める消費者によって増加傾向にある一方、都市部以外では、配送コストやサービスの有無を理由に、店舗での受け取りが拡大しています。食料品のオンライン購入はテクノロジーの主要中心地域以外でも成長し、オレゴン州、ケンタッキー州、ワシントン州、コロラド州、インディアナ州では前年比で最大350%と最も高い増加率となりました。大部分の食料品のオンライン価格は引き続き下落傾向(前年比0.8%)にありますが、青果物の価格は上昇し、有機栽培品の価格は非有機栽培品に比べて2倍の上昇率となりました。

おもちゃと電子機器のカテゴリーでは、DPIのデータは価格の下落傾向を示しています。例えば、ポケモン関連商品の販売数は前年比で170%増加したものの、販売額は前月比2.9%の下落となりました。ポケモンのおもちゃと電子機器は、カテゴリー全般と比べて大幅な価格下落(おもちゃは1.2%下落、電子機器は1%下落)を示しています。また英国のEU離脱決定は、ロンドンへの旅行料金に引き続き影響を及ぼしました。ロンドン行きの航空運賃はEU離脱の是非を問う英国の国民投票以降13.3%と大幅に下落し、前年比では12.3%の下落となっています。ロンドンのホテル料金は前年比で15.2%の下落となりました。

アドビのマーケティングおよびカスタマーインサイト担当バイスプレジデントであるミッキー メリクル(Mickey Mericle)は、次のように述べています。「連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ率の上昇を期待していますが、当社のレポートでは、需要が大幅に伸びている食料品やポケモン商品といった人気の高い商品などのカテゴリーでさえも、さらなるデフレ傾向が見られます。」

スタンフォード大学経済学部の教授であるピート クレノー(Pete Klenow)氏は、次のように述べています。「ポケモンブランド商品は爆発的な人気で魅力的であるにもかかわらず価格が上昇していないことは、DPIにも反映されています。要因はさまざまですが、新しい購入者は価格により敏感な傾向があるため値上げが厳しい状況にあることや、単位原価を上げずに生産性の向上が可能であったことが考えられます。」

シカゴ大学ブースビジネススクールの経済学教授であり、オバマ大統領経済諮問委員会の元委員長であるオースタン グールズビー(Austan Goolsbee)氏は、次のように述べています。「米国経済の成長率は穏やかですが、国際的なリスクが多く、インフレの兆候は認められません。米国の長期的な見通しは好調ですが、今後12~18カ月間は引き続き重大な問題が生じる可能性があります。」

測定方法

DPIは、全米で上位500社の小売業者のWebサイトにおける購入につき、10ドル中7ドル50セント分を追跡しており**、何十億件ものデジタルトランザクションの分析が可能です。アドビは、実際に支払われた価格と実際に販売された数量のリアルタイムなデータを基に、他社に先駆けてデジタル中心の分析を行っています。DPIは、他の手法と異なり、インフレ率の測定に実際の購入数を使用するフィッシャーの理想算式を採用しており、著名な経済学者にもインフレ率算出の標準的な算式として認められています。一方、米国労働省労働統計局の消費者物価指数(CPI)は、消費者調査に基づき製品カテゴリー別に実際の売上高を概算しており、追跡する製品は8万7,000点にとどまっています。7月のDPI作成に当たり、アドビは150億回のWebサイト訪問回数と、220万以上のさまざまな製品やサービスに対するオンライントランザクションを分析しました。

カテゴリー別DPI

食料品や非処方医薬品 などの必需品は、おもちゃや電子機器などの非必需品に比べて、引き続き低い価格下落率を示しています。最新の分析結果は以下のとおりです。

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*出典:疾病対策予防センター「Obesity Prevalence Maps(肥満マップ)」(英語)

**出典:Internet Retailer’s 2015 Top 500 eGuide(英語)

調査の詳細は以下のURLおよびSlideshareをご覧ください。

Slideshare

Adobe Digital Economy Project June Report(英語)

**Adobe Digital Economy Project: July 2016 Update **from Adobe

Adobe Marketing Cloud Japan Blog

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