アドビ調査、日本の企業webサイトがスマートフォン経由のコンバージョン率と訪問率で世界をリード

【2016年10月4日】

世界各国のブランド企業が展開しているwebサイトを調査したAdobe Digital Insights(ADI)調査「Best of the Best*」によると、日本の企業webサイトがスマートフォン経由からのコンバージョン率と訪問率で世界をリードしていることが判明しました。

今回のADI調査「Best of the Best」は、2015年の米国の1万以上のwebサイトに対する2,000億回の訪問データ、欧州の3千以上のwebサイトに対する1,000億回の訪問データ、アジアの3千以上のwebサイトに対する1,000億回の訪問データを集約し、分析を行いました。各国の平均的なwebサイトとトップレベルのwebサイト(Best of the Best)での取り組みを、6つの主要評価指標(スマートフォンとデスクトップPCによる訪問率、消費、エンゲージメントとオーサーシップ、トラフィック、スティック率、コンバージョン率)に基づいて調べています。

スマートフォン経由からのコンバージョン率

日本とインドの企業webサイトのスマートフォン経由からのコンバージョン率が世界で最も高く、いずれも平均1.5%というコンバージョン率を達成しました。日本の上位20%にあたるトップレベルのwebサイトのコンバージョン率は3%で、上位20%のwebサイトと平均webサイトとの差は縮小傾向にあります。これは、日本のマーケターのスマートフォン経由からのコンバージョン対策が進んでいることを示しています。

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スマートフォン経由からの訪問率

日本の企業webサイトではスマートフォン経由からの訪問率が前年比で着実に増え続けており、平均して約37.9%を占めました。上位20%の企業webサイトではスマートフォン経由のトラフィックが60%近くにまで達し、平均値を大きく上回っています。

日本の次は韓国で、スマートフォン経由からの訪問率の平均値が約31.6%でした。APAC(豪州・ニュージーランド、中国、香港、インド、日本、東南アジア、韓国)では、上位20%のwebサイトと平均webサイトとのギャップが縮小しており、2015年中にモバイルへの最適化が進んだことが分かります。

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国別および業界別

APACではすべての国でスマートフォン経由からのトラフィックが増加しましたが、調査対象となった業界でも同様に前年比増加が見られました。通信業界とメディア/エンターテインメント業界はスマートフォン経由での訪問数が突出して多く、それぞれ平均が44.3%と37%でした。****

ADIのマネージングアナリストであるベッキー タスカー(Becky Tasker)は次のように述べています。「多くの企業はAPAC内に本社を置いています。携帯電話のプロバイダーやメーカーはそれぞれ自国内のオーディエンスに注目し、最高の体験が得られるよう製品の最適化に取り組んでいます。」

一方で、金融サービス業界やテクノロジー業界は振るわず、スマートフォン経由からのトラフィックはそれぞれ22.4%と16.5%にとどまりました。

**https://blog.adobe.com/media_7434ed9b5033227e7201f063ff11eb5aa4767c8c.gif**タスカーは次のように述べています。「欧州と米国でも同様の傾向が見られます。これら2つの垂直市場では、数値は低かったものの、多少の増加がありました。スマートフォン経由からのトラフィックの増加傾向を把握し、スマートフォン向けに最適化した最高の顧客体験を提供することが大切です。」

提言

2015年には、全体としてスマートフォンとデスクトップへの偏りが軽減され、デバイスの種類にかかわらずエンゲージメント指標に影響があったことが分かります。

ADIでは、マーケターにとってひとつのガイダンスとなる分析結果を提供しています。ただそれだけでなく、マーケ―は自社の企業webサイトはどこが優れているのか、またそれはなぜなのか、多様なエンゲージメント指標やコンバージョン指標を用いて解き明かさなければなりません。また、優れた点を調べるだけではなく、webサイトのファネルを想定したうえで、なぜ一部の企業は下位にあるのかを分析することも大切です。特定ページでの大幅な消費者数の減少は、マーケターにとって大きなヒントになるでしょう。

マーケターは、これらのギャップを特定し、戦略的なテスト計画を立て、データに基づいてKPIを特定することで、オーディエンス全体を理解し、顧客体験の最適化に取り組むことが大切です。

Best of the Best調査概要

2015年の米国の1万以上のwebサイトに対する2,000億回の訪問データ、欧州の3千以上のwebサイトに対する1,000億回の訪問データ、アジアの3千以上のwebサイトに対する1,000億回の訪問データを集約、分析。各国の平均的なwebサイトとトップレベルのwebサイト(Best of the Best)での取り組みを、6つの主要評価指標(スマートフォンとデスクトップPCによる訪問率、消費、エンゲージメントとオーサーシップ、トラフィック、スティック率、コンバージョン率)に基づいて調査。調査対象の業界は、小売業、旅行&ホスピタリティ、メディア&エンターテインメント、金融サービス、IT、通信および自動車。

本調査に関する詳細は、以下のSlideshareおよびURLをご覧ください。

Adobe Digital Insights Best of the Best – Asia-Pacific(英語)

**Adobe Digital Insights Best of the Best – Asia-Pacific **from Adobe

CMO.com

Best Of The Best’ Brands Get Smart With Mobile Conversion(英語)

http://www.cmo.com/adobe-digital-insights/articles/2016/9/1/adi-apac-best-of-the-best-2016.html

CMO.com

ADI ‘Best Of The Best’ Shows Euro Brands Need To Work On Mobile(英語)

http://www.cmo.com/adobe-digital-insights/articles/2016/5/5/adi-emea-best-of-best-decreased-engagement.html

*本調査における「Best of the Best」とは、各主要評価指標において総合的に最も評価の高い上位20%のwebサイトを指しており、アドビではそれらを「Best of the Best」と定義しています。