情報サイトUNITEの人気記事:2016年7~9月

人気記事からトレンドを探る

デジタル時代の変革リーダーのための情報サイト「UNITE」として、アドビはオウンドメディアを展開しています。この「UNITE」の人気記事について、最初のランキングをご紹介してから約4ヵ月が経ちましたので、改めて前回以降の公開記事の中から人気ランキングをご紹介します。
よく読まれた記事のテーマから、また新たなトレンドが見えてくるのではないでしょうか。

今回は2016年7月1日~9月30日のサイトトラフィックから、該当期間中に公開された記事について、実訪問者数の多い順に集計します。

まずは10~6位

さっそく10~6位からご紹介します。

10位

“優れた顧客体験の提供”は誰が担う? デジタルマーケティングを成功に導くための組織作りとリーダーシップ

9位

B2B企業が手間とリソースを投下すべき「ABM」の可能性

8位

マーケティング戦略の今後を左右する3つの分析トレンド

7位

キャンペーン戦略に欠かせない、広告にまつわる6つのトレンド

6位

健康先進国の実現に向け製薬業界に期待される、消費者のセルフメディケーション促進策とは

企業活動のなかで発生する様々な課題には、個人や現場単位の発案や創意工夫で乗り越えられるものから、企業全体として意思決定し、組織一丸となって大きく舵を取る必要のあるものまで、多様な粒度があります。UNITEは主に後者寄りの課題を多く取り上げるメディアとして、記事を展開しています。

そのなかで、10位と9位は組織作り、6位は製薬業界における事業環境、8位と7位は分析と広告という個別領域に関する課題を取り扱ったものとなりました。

押さえておくべきキーワードをピックアップすると、「中央専門組織(Center of Excellence: CoE)」「アカウント ベースド マーケティング(Account Based Marketing: ABM)」「データサイエンス」「コンテクストベースのマーケティング」「マルチタスクメディア」「接触頻度」などでしょうか。

人気記事トップ5

それでは上位を詳しく見ていきます。

5位

モバイル戦略に成功している企業の秘訣

顧客と企業のデジタル接点としてモバイルが重要であるという事実は、もはや言うまでもありません。課題は、モバイルサイトやモバイルアプリを使いこなしている顧客と適切なコミュニケーションを行ううえで、企業がどのようなことに留意すべきなのか、というアプローチの在り方にあります。

特に、顧客がモバイルアプリに接触する時間的割合にまつわる企業間の競争は、目には見えないものの、熾烈なものがあります。利用者の関心をいかにしてつなぎとめるかが、顧客と企業との関係値と直結するからです。

この記事では、モバイル戦略を練るうえで見逃されがちな5つのアプローチが示されています。

4位

ANAのマーケティングキャンペーンに見る、データアナリティクスを意思決定に活かす方法(Data Driven Forum 2016 レポート)

デジタル時代に入る前のマーケティングは、「勘と経験」がものを言う世界でした。特定の商品やサービスを売り込むうえで、何らかの属性の組み合わせをもとに市場分割し(S:セグメント)、そのなかから標的となるセグメントに狙いを定め(T:ターゲット)、競合他社よりも魅力的であることを訴求する(P:ポジショニング)という活動が行われてきました。コトラーのSTPとして知られています。

デジタル時代に入ると、様々な仮説なり活動なりを直接計測することができるようになり、データドリブン型マーケティングとして知られるようになりました。STPが不要になったのではなく、データを使って仮説検証するよう進化した、と言えます。

この考え方は一見妥当ですが、実務に落とし込むことができるかどうかは、各社の風土や組織ダイナミクスに依存するところ大でしょう。他社の試みがそのまま自社でも通用するとは限りませんが、その理念、リーダーシップの在り方、取り組みの手順や組織の巻き込み方など、多くのヒントが含まれています。

データを活用した「おもてなし」を組織として実現した事例として、この記事はうってつけと言えます。

3位

顧客は誰の管轄か。フォレスターのアナリストに聞く、新技術領域「デジタルエクスペリエンス プラットフォーム(DXP)」とは?

新商品開発のための市場調査やフォーカスグループ。広告宣伝や広報、販促。店舗やECサイト、営業マン、卸売先の量販店、代理店など、業態によって多様な姿をとる販売時の顧客の応対。販売後のアフターフォローや加入者向けサービスの提供。企業と顧客とのやり取りは、企業の中の実に様々な部署や部門が関与していることでしょう。そうした職務領域ごとに、業務の効率性や組織体制の組みやすさなどの観点から、企業は部門を組織します。

一方で顧客の側から見ると、企業のどの組織がどんな職務を担っているかは、関心事ではありません。あるニーズ、ある時点で顧客が持った関心、抱えている課題に、企業が応えてくれること、欲しい対応なり情報なりが得られること。それだけが顧客にとっての関心事なのです。

「顧客中心の時代」にあって、この企業と顧客の期待との間に存在するギャップを埋めるのは容易なことではありませんが、部門横断の仕組みや組織再編など、多くの企業が取り組もうとしているのも事実でしょう。

そしてその取り組みをテクノロジー面で支える新技術領域が、カスタマージャーニーのあらゆる側面に対応して適切な顧客体験を提供するプラットフォーム、と言えます。IT業界では英語の三文字略語が多用されますが、この領域では「DXP」と呼ばれています。

この記事では、時代の要請によって生まれてきたこのDXPについて、その動向に詳しいフォレスターのアナリストから意義などを聞いたのがこの記事となっています。

2位

MR減少時代に、製薬企業と医師の関係を強化するマーケティング施策とは

デジタル化という市場環境の変化により、ビジネスの進め方に大きな変革がおきるという現象は、業種業態によってそのペースに差があるものの、どこでもみられることしょう。

製薬業界においても当然ながらデジタル化の波は業界全体を覆っており、製薬業界と医療機関との間のB2Bビジネスにおいても同様です。業界固有の事情は該当企業の当事者でなければ見えてこないことが多い反面、当事者だけでは大きくてつかみ切れないメガトレンドのようなものもあります。

この記事では、業界スペシャリストへのインタビューを通じて、製薬業界におけるB2Bビジネスについて掘り下げ、いま起きているデジタル化の波の中で業界に求められている変革とは何かを探っています。製薬業界や医療機器業界、医療関係者だけでなく、異業種のB2B業界の方々にとっても、デジタル化にともなうビジネス変革という命題に立ち向かううえで、参考になるのではないでしょうか。

1位

「もう価格勝負では生き残れない」小売業の差別化を導く顧客体験の創り方

日本には「三方よし」という近江商人の思想があります。売り手だけの都合で商売するのではなく、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」ができてこそ良い商売であるという理念です。
高度成長期、大量生産/大量消費時代を経て、今また「顧客中心」の時代を迎えた訳ですが、現代に特有な要素としてこれに「デジタル体験」が加わります。

奇しくもこのトレンドは洋の東西を問わず、グローバルで進行しています。この記事は北米における小売業界の事情を扱ったものですが、日本市場にも同様にあてはまる市場環境の動向、企業の課題、そして、差別化の機会や構想すべき経営戦略を見い出すことができます。消費者のし好や市場慣行の在り方など日本市場特有の要素ももちろんありますが、こと顧客体験という観点でビジネスを見ると、共通点も多く見いだせるのではないでしょうか。

この記事では、デジタル時代に求められる企業自身の変革にあたり、適切に構築すべき適切なプロセスとして4つの領域、また各社の成熟度によって4象限に分類する枠組みを示しています。かつての「三方よし」の理念をデジタル時代にも実現するには、自社の立ち位置をどのような領域に分解して理解し、変革に着手すべきかを整理するうえで、お役に立つのではないかと思います。

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デジタル時代のマーケティング変革リーダーのために 「UNITE」
https://www.adobe.com/jp/information/unite.html?promoid=YB1TGRKQ&mv=other

参考情報: