Adobe Digital Insights: アドビ、小売業者のモバイルサイトに関する調査結果を公開
小売業者がスマートフォンからのトラフィック増加による収益促進の機会を逸していることが明らかに
※当資料は、2016年10月27日に弊社米国本社から発表されたプレスリリースの抄訳です。
【2016年11月7日】
米国カリフォルニア州サンノゼ発:Adobe(Nasdaq: ADBE)(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、以下アドビ)は本日、小売業者のモバイルサイトに関する調査結果「2016 Digital Insights Mobile Retail」を発表しました。スマートフォンからのトラフィックと収益は前年から堅調な伸びを示しましたが、コンバージョン率はデスクトップとタブレットの利用率減少を補うには至りませんでした。アドビの調査結果によると、スマートフォンからショッピングサイトへのトラフィックは前年比で33%増加していますが全デバイスからの総トラフィックは前年と同水準で、デスクトップのトラフィックは6%、タブレットのトラフィックは10%低下しました。スマートフォンからの収益が前年比65%増加した一方で、オンライン総売上高はわずか10%増で、デスクトップとタブレットはそれぞれ2%低下しました。コンバージョン率は、スマートフォンと比べて、デスクトップが2.8倍、タブレットが2倍高いことが分かりました。
スマートフォンから訪問する利用者が多いため、小売業者は、モバイル利用者に魅力ある優れたショッピングエクスペリエンスを提供することによって、モバイルからのコンバージョンを高め、デスクトップからの売上高減少を補うことが期待できます。そうした体験が、ログインからチェックアウトにいたるまで、質とパーソナライゼーションにおける顧客の期待を満たせない場合、小売業者は重要な収益促進の機会を逸することになります。アドビの調査結果によると、現在のトラフィックと収益の傾向が続く場合、適切な対応を行っていない並の小売業者においては、今後14カ月間のうちに11%の収益機会を逃すことが予想されます。
Adobe Digital Insights (ADI) のプリンシパルアナリストであるタマラ ガフニー(Tamara Gaffney)は次のように述べています。「ショッピングカートは消費者に商品を購入してもらうための重要なページですが、モバイルではこの体験が最適化されていないため、多くのユーザーにとっては、最小限の商品を購入するか、すべての購入を断念するかの二者択一を強いるものになっています。小売業者はモバイルウォレットなどのテクノロジーを採用し、アプリやブラウザーでシームレスな体験を提供することで、顧客体験をパーソナライズし、ユーザーにスマートフォンからの購入を促していくことが重要です。」
アドビのモバイルショッピングに関する調査報告書は、この種の調査報告書としては業界で最も包括的かつ正確なものです。アドビは、集計した匿名データの分析に基づき、米国の小売業者上位100社によるオンラインの全取引の80%を測定しています。米国の小売業者上位500社からのオンライン購入額10ドルにつき7ドル50セントはAdobe Marketing Cloudを通じた購入によるものです。この調査報告書は、1万6,000のモバイルWebサイトからの、2,900億件を超える訪問と、850億を超えるアプリの分析に基づいています。補足調査の結果は、1,000人を超える米国の消費者からの聞き取りに基づいています。
その他の調査結果
- 収益面ではスマートフォンが後れを取る:デスクトップからの平均注文額(AOV)(155ドル)は、スマートフォンからの平均注文額(120ドル)を注文1件当たり35ドル上回っています。スマートフォンの訪問当たり収益(RPV)はデスクトップよりも3.6倍低いことが分かりました。デスクトップは依然として小売業者の収益源であり、総収益の75%、トラフィックの59%を占めています。また、スマートフォンは総収益のわずか16%、トラフィックの32%を占めているに過ぎないことが分かりました。今年のホリデーシーズンについて、アドビの予測では、オンラインショッピングのモバイル利用率は11月と12月に53%と、初めてデスクトップを上回る見込みですが、オンライン売上高への寄与はわずか34%と予測されています。
- スマートフォン利用者はカートからの購入率が低い:通常のショッピングシーズンに、カートに入れた商品が購入される割合は、デスクトップで26%、スマートフォンではわずか16%です。アドビは、今年のホリデーシーズンではこの割合が若干上昇し、デスクトップではカートの商品の30%、スマートフォンでは19%が購入に結び付くと予測しています。この調査結果は、ユーザーにとってモバイルサイトが障害となっていることを示唆しています。調査では、消費者の60%が、効率的に商品を検索するにはスマートフォンよりもデスクトップの方が便利であると回答しています。ショッピングにデスクトップを利用する主な理由としては、ページの操作しやすさ(30%)と大きなスクリーンでの画像の見やすさ(26%)が挙げられています。
- アプリをリリースするだけでは効果なし:使用されないアプリが増加の一途をたどっており、ショッピングアプリの60%は使用回数が10回未満となっています。小売業界のアプリユーザー離脱率は、医療(55%)、メディア/エンターテインメント(54%)、金融サービス(54%)などの他の業界と比べて最も高くなっています。調査結果によると、消費者の45%が平均で1~2回しかショッピングアプリを利用しておらず、アプリ市場への参入を難しくしています。今年のホリデーシーズンでは、消費者の60%が、ショッピングにはアプリの代わりにモバイルブラウザーを利用する予定であると回答しています。
https://blogs.adobe.com/adobemarketingcloudjapan/2016/11/07/mobile-retail-report/attachment/1/
* Internet Retailerによる「2016 Top 500 eGuide」(電子商取引テクノロジーの評価に関する独立した情報源)
** Internet Retailerによる「2016 Top 500 eGuide」に掲載の小売業者上位100社
参考URL (英語)