エクスペリエンスデザインの基礎知識:最も優れた会話形式のUX in 2016

by akihiro kamijo

Posted on 01-31-2017

連載

エクスペリエンスデザインの基礎知識

2016年は、会話形式のインターフェースやチャットボットが興奮して語られる光景を何回も目にした年でした。幾つかのトレンドがこの傾向に関与しています。Business Insiderの記事によれば、私たちはソーシャルネットよりもメッセージアプリに多くの時間を費やしているとのこと。また、AIや自然言語処理技術の進歩も急速です。こうした要素が、多くの実験的で刺激的な幅広いインタラクションのアイデアとなりました。例えば、買い物や搭乗券の入手をスレッド形式の会話で行う、その際、会話は実際の会話ではなく模倣されたもの、という形式です。これは、ユーザー体験やインタラクションの考え方の興味深い移行を表しています。視覚的なインターフェースより、テキストベースの「会話」によりユーザーの目的達成を支援するという考え方です。会話形式のUXには、Siri, Cortana, Amazon Alexaといった音声ベースの会話も含まれますが、この記事ではテキストベースの会話を焦点に取り上げます。会話形式のUXは、目的達成のためにコンピュータやインターフェースと行う会話を対象とします。

特に優れたアプリ

このトレンドは、まだその進化のほんの始まりにあり、実際に決して優れているとは言えない会話形式の体験に対する強い批判も存在します。人間がコンピュータと会話することの複雑さや制限の中で、会話体験をデザインするのは本当に大きな挑戦です。では、2016年に目にした中に、真に語りかけてくれたアプリはあったでしょうか?

Quartz News App

Quartzニュースアプリ

Quartzアプリでは、絵文字とGIFにより最新ニュースの通知が魅力的な会話体験になる

2016年2月に公開されたQuartzのニュースアプリは、最初の成功者でした。このアプリはニュースの読まれ方を再考したもので、メッセージング形式のインターフェース導入により、ユーザが深掘りしたい話題、あるいは読み飛ばしたい話題を選択できます。ユーザーがより多くのニュースを求めれば、大事なポイントを要約したメッセージが続けて表示されます。会話形式のUXは、絵文字、GIF、そしてグラフなどのデータ視覚化により、ニュースをインタラクティブで楽しく新鮮なものにしています。元記事へのリンクを辿れば、ユーザはより多くの情報を得ることもできます。この会話におけるユーザー体験は非常にスムースであり、ユーザーが使い慣れているメッセージングインターフェースの形式に合致しています。更に、通勤途中やちょっとした待ち時間のような、実際の会話で起きる非同期なやり取りのアイデアを模倣しています。複数ソースのキュレーションもこのアプリの価値の一部で、会話をしながら多くの情報を得た気分を感じさせてくれます。

Insomnobot-3000

Insomnobot3000.comボットのデモ画面

Insomnobot3000.com – フレンドリーな深夜の会話の相手をするボットのデモ

ブランドとの「会話」は、会話形式のUXの一つの可能性です。Insomnobot-3000はその典型的な例でしょう。9月にマットレス会社のCasperにより公開されたInsomnobot-3000は、寝付けない夜のためにデザインされたSNSにより会話できる親しみやすい友人です。このボットはローテクで、機械学習を組み込む代わりに、カテゴリ分けされた有限の応答からなるデータベースが使用されています。会話の話題やテキストは、ユーザー調査の結果に基づくものです。これは、人を惹きつける会話形式のUX実現には、人の交流の仕方や感情の理解が重要であることを示しています。実際、ブランドへの親しみを感じさせるようデザインされたチャットボットとの、夜遅くに友人とメッセージ交換をしているかのような体験は大したものです。

Duolingo Bots

Duolingoボットで言語を学習

Duolingoボットとのテキスト交換により、学習者は提供される幅広いトピックの会話を試みる機会を与えられる

Duolingoは言語学習のプラットフォームで、ゲーム化とパーソナライズにより、新しい言語の学習を楽しく効果的なものにします。10月に公開されたDuolingoのボットは、フランス語、ドイツ語、スペイン語の学習者向けです。ユーザはボットにテキストを送信することで言語スキルの練習ができ、レストランへ行く、検問を受ける、動物園を訪れるなど異なるトピックやパーソナリティによる様々な会話が体験できます。これは非常に賢い会話形式のUXのアプリで、新しい言語を学習する際の最も困難な側面の一つである会話の体験を、プレッシャーのかからない状況で模倣できるのです。Duolingoにももちろん制限はありますが、ユーザー体験はスムースで、オプションにより回答の支援を受けたり、回答の正確性に応じて得られるポイントを変更できます。これは大きなポテンシャルを持った会話形式のUXです。Siriのようなアプリを使い、口頭で練習できたらと想像してみてください。

まとめ:会話を更に継続させる

Quartz news, Insomnobot-3000, そしてDuolingoボットは、会話型インターフェースが使える2016年の事例の中では特に優れた例です。こうした多様性(真面目なニュース、深夜の会話、新しい言語の練習)は興味深い点です。 また、これらすべてのアプリは、テキストベースの会話の力を活用し、メッセージアプリの頻繁な利用と重ねる試みです。会話形式のUXは、対話的な体験の構築を、コピー、ニュアンス、絵文字、GIF、SNSに大きく依存しています。2017年にはより多くの体験を期待しましょう!

そうそう、面白い話があります。会話形式のインターフェースでUXを学びたいですか?そのためのボットがあるんです。

この記事はThe Best of Conversational UX in 2016(著者:Linn Vizard)の抄訳です

Topics: クリエイティブ, UI/UX & Web, UI / Web デザイン

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