CMS/WCMベンダー評価2017年で、Forresterがアドビをリーダー評価

WCM市場のいまとこれから

特定の市場カテゴリーは、あるアイデアやイノベーション、ないしは課題やニーズから生まれ、顧客が増えることで存続、成長していきます。これは当然ながらテクノロジー領域にも当てはまります。企業のwebサイトを構築するためのシステムとして生まれたのが「webコンテンツ管理(WCM)」や「コンテンツ管理システム(CMS)」と呼ばれる市場カテゴリーです。

このWCM/CMSという市場には、アドビも2010年にDay Softwareというソフトウェアベンダーを買収したことにより参入しましたが、この前進となったDay Softwareは1993年の設立と、実に四半世紀近く前から粛々とイノベーションを続けてきました。

※ご案内: Forrester社は当初、当レポートを英語版のみで発表していますが、同社より日本語版がリリースされましたので、2017年3月7日から提供開始しました。日本語版レポートはこちらからご覧ください。

市場カテゴリーは顧客が増えるだけでなく、顧客のニーズの変化によって、時代とともに移り変わっていきます。よく「言葉は生き物」といわれるように、言葉の意味することは時代とともに変わっていきますが、ひとたび普及した言葉は、意味を変えつつそのまま使われ続けていくことがあります。WCM/CMSという言葉にも、それは当てはまるのではないでしょうか。

一定規模の市場カテゴリーが形成されると、そこに様々なプレーヤーが登場し、ときに入れ替わる、という様子が見られます。WCM/CMSベンダーについても同様です。そしてブランド企業がWCM/CMSの導入やリプレースを検討する際には、いまどのようなプレーヤーがいて、どのような特色があり、将来性はどうなのだろうか、というような検討が行われることでしょう。

2017年現在のWCM市場

こうした検討過程を支援するため、市場調査会社各社から特定市場に関するベンダー評価レポートを提供していることがあります。今回ご紹介するのはマーケティングテクノロジー領域に詳しい米調査会社Forrester Researchが新たに発表したWCM市場に関するレポートと、これにまつわる考察です。アドビのWCM市場参入を基準として見たとき、同社は2011年、2013年、2015年にレポートを発表しています。その最新版が、2017年第1四半期版としてリリースされたのです。

さて、このWCM/CMS市場という歴史が長くかつ大きな変革を遂げてきた市場カテゴリーについて、そしてアドビの立ち位置について、プロダクト&インダストリーマーケティングディレクターのロニ スターク (Loni Stark) が解説します。

※この記事は「Adobe Named A Leader in 2017 Forrester Web CMS Wave」の翻訳です。

連続4度のリーダー



https://offers.adobe.com/jp/ja/marketing/landings/_002936_guide_forrester_wave_wcm2016.html


2011年当時から比べると、webというもののあり方、あるいはデジタルエクスペリエンス(デジタル顧客体験)のあり方というものは、大きく変わりました。ビジネスの競争力に関わるだけでなく、一人ひとりの期待に応えるものになりました。
このWCM/CMS分野において米調査会社Forrester Research社は、同社の最新レポート「The Forrester Wave: webコンテンツ管理システム(2017年第1四半期)」の中で、アドビを市場のリーダーであると評価されました。

WCM/CMSはブランド企業にとって必然

優れたwebコンテンツ管理システムを自社のデジタル変革戦略の根幹に据えることは、今日のブランド企業にとって欠くことのできない要件となりました。 エンゲージメントを高め、ビジネスの成長に貢献するような、自社らしい魅力を備えた体験を提供していく取り組みにおける課題は変化が激しいにも関わらず、大変大きな期待をかけられています。

デジタル化のペース

書籍『The Second Machine Age: Work, Progress, and Prosperity in a Time of Brilliant Technologies(邦題:「ザ・セカンド・マシン・エイジ」)』の著者として広範な分析を行ったエリック ブリニョルフソン(Erik Brynjolfsson)とアンドリュー マカフィー(Andrew McAfee)は、デジタル化のペースは「これからも加速度的に速まるだろう」と指摘しています。いま企業が犯してしまうかもしれない過ちは、WCM/CMSを選択するときに「その時点では良さそう」に思えたとしても、時が経った後には「もはや不適当」だと気付くような場合です。ビジネス目標を満たせない、あるいは顧客の期待に応えられないからといってWCM/CMSを変えようとしても、そううまくいきません。

デジタル社会の進展

消費者は常にネットワーク接続した生活に慣れており、いわゆる「モノのインターネット」も64億にのぼると予測されています。そうした環境に対して企業が生き残っていくには、最善のコンテンツを用意し、すばやくかつブランドに即した形で管理し、消費者が求めているちょうどそのときに提供すること、さらには、その過程を持続的に最適化して他社との差別化を図ることが求められます。

消費者の期待が基準になる

こうした「破壊的な変革(ディスラプション)」は、業界を問いません。消費者の期待というものは、ECサイトやホテル予約などで体験したことが基準となり、あらゆる企業から得られる体験への期待として波及することになります。
みなさんもこういう経験があるのではないでしょうか:

「この間の旅行予約サイトではとても簡単に済んだことが、住宅ローンや自動車免許更新ではどうして面倒なんだろう?」

WCM/CMSのあるべき姿

「webコンテンツ管理システム(WCM/CMS)」のようなカテゴリー名称というものは、特定のニーズを指し示す言葉として便利ですが、一方では、あるべきものを覆い隠してしまう可能性もあります。WCM/CMSについて言えば、「優れたエクスペリエンスを提供する」という要件を考えたときに欠かせない構成要素が、一般に言われている用語の範囲に含まれているとは限らないのです。では、優れたWCM/CMSを使うことは基礎的なことでしかないとすれば、あとは何を考慮すべきなのでしょう?

「コンテンツはキング」は引き続き有効ながら、その意味合いも拡大している

WCM/CMS市場におけるアドビ

どのような業界、どのようなデバイスにおいても、エクスペリエンスを形作るのは唯一の要素、すばらしいコンテンツだけです。アドビはこの点を十分認識しています。Adobe Experience Managerにおける様々なイノベーションは、WCM/CMSによる「マネジメント」の部分、すなわち最善のコンテンツの提供を支援することに重きを置いています。

Adobe Experience Managerのイノベーション:標準化
例えばテンプレートエディターという機能は、企業内のより多くの人々がエクスペリエンスの組み立てを容易に行えるようにし、かつそれを自社内の他部門や他地域にも展開できるようにする、という目的のために設計されています。

Adobe Experience Managerのイノベーション:レスポンシブ対応
また、魅力的なweb、モバイル対応web、レスポンシブ対応webといったものを容易に実現できるようにするため、レスポンシブデザイン テンプレートやドラッグアンドドロップ型の操作性の実現に注力してきました。

Adobe Experience Managerのイノベーション:UGCの活用
2016年に買収したLivefyreは、いまではAdobe Experience Managerの一部として統合しましたが、ユーザー生成コンテンツ(UGC)を活用することで、コンテンツを通じた顧客との関係を強化したいというマーケターのニーズに応えるための取り組みでした。

事例:Craftsman
事例としてCraftsman(資料は英語)をご紹介しましょう。同社は多様な工作作業機械を製造販売していますが、DIY(do-it-yourselft)の取り組みの中で、ユーザーの作品というすばらしいUGCをあらゆるweb上から収集して活用することで、訪問者のサイト内滞在時間を6倍にも伸ばし、190%ものデジタル会員を獲得することができました。

Adobe Experience Managerのイノベーション:技術系コンテンツの活用

WCM/CMSが扱うのは、販売前を対象にしたマーケティングコンテンツに限りません。新たなマーケティングのニーズとして、他の顧客対応部門にも波及しています。
例えば、Adobe Experience Managerはこのたび、技術系コンテンツもサポートするようになりました。これも、製造業やハイテク業界をはじめとする様々な業種で重要な領域です。複雑な製品においては、販売後のサポートやナレッジの提供が不可欠だからです。

Adobe Experience Managerのイノベーション:対面チャネルの活用

アドビはまた、コンテンツを展開する先として、消費者だけでなく顧客対応を行う従業員にも広げています。例えばデジタルエージェンシーのMiramは、小売店の店員向けアプリにおいて、本社と店舗の従業員のコミュニケーションによってリアルタイムの商品トレーニングや販売情報の提供などを行い、オンラインと店舗内販売の体験の統一を図る、という取り組みを提案しています。

データの活用:ネットワーク効果はどのように顧客インサイトに役立つ?

魅力的なコンテンツを制作して提供することを重視しているのに加え、消費者とのやり取りの過程を通じて、何を消費者が求めているかを理解することも重視しています。
このコンテンツ閲覧状況を分析する機能は、Adobe Experience Managerの管理ユーザーインターフェイスから利用できます。これによりブランド企業のマーケターにとっては、反響を知り、パーソナライズに活用することが、より早く容易にできるようになったのです。また、より詳細なデータを見るスキルを持ったマーケター向けには、同じデータにもとづきながら、そのままAdobe Analytics分析ワークスペースAdobe Targetへと移行することもできます。

アドビは市場インサイトも提供

ただこれは、特定のブランド企業の持つデータからインサイトを描き出すだけに留まりません。Adobe Marketing Cloudはいま、年間あたり約51兆ものトランザクションを処理していますが、アドビはそうしたデータの総体から全体の傾向を導き出して、様々な業界で何が起きているのかをベンチマークしています。これは、ブランド企業が翌年度のデジタル変革の取り組みにおいてどの領域へ投資すべきかを定めるうえでの、情報源にもなるのです。

AIと優れたエクスペリエンスの融合を進めるアドビ

データそのもの以上にみなさんが関心を持つだろうと思われるのは、翌日に結果をレポートしているだけではなく、ホリデーシーズンに入る前に売上見込みを立てることのできる、極めて正確な予測モデルをアドビが持っている、ということでしょう。

コンテンツやデータの量が莫大になったことで、そこから最善のインサイトを導いて対策に結び付けるには、機械の手助けが不可欠になってきました。この機械学習の分野について、アドビはこれまで大々的な宣伝を行うことなく、粛々とイノベーションを重ねていました。
そして2016年11月、先進的な人工知能(AI)と機械学習であるAdobe Senseiを発表しました。これは、複雑なデジタルエクスペリエンスの課題に真っ向から取り組もうとするものです。クリエイティビティ、ドキュメント、マーケティングというアドビが築き上げてきた財産を活用しつつ、何兆ものコンテンツやデータという情報源を持つ強みも活かしています。
例えば、Adobe Experience Managerではすでに、smart tags(スマートタグ)という機能でAdobe Senseiが使われています。

始めるならまさに今

デジタル変革を推し進めるうえでは、デジタルという新天地に向かおうとする社員一人ひとりがきちんとビジョンと想像力を持ち、また忍耐力を備えておく必要があります。Adobe Experience Managerについて詳しく知る方法は様々ありますが、実際に優れたエクスペリエンスを提供している世界中のブランド企業が集うコミュニティに参加してみることも、大きな意義のある機会です。

情報収集に最適なアドビのイベント

その世界最大の場は、毎年米国(ラスベガス)と欧州(ロンドン)で開催されるAdobe Summitがあります。また各地域では、Symposiumが開催されています(訳注:日本でも例年秋に開催しています。2016年模様はこちら)。Adobe Experience Manager開発者向け年次カンファレンスとしては、今年二回目のIMMERCEが5月15~19日にわたって3つの時間帯で開催されます。

様々な情報源

また企業向けのトレーニングコースとして、アドビ デジタルラーニングサービス(訳注:日本語でコースをご提供中)やAll Access Learning Pass(訳注:英語)があります。もしすぐに何か考えてみたいとしたら、アドビのパートナーに相談してみるのもよいと思います(訳注:日本国内でのAdobe Marketing Cloudソリューションパートナー一覧はこちら、グローバルではこちら)。

たくさんのパートナーが、名だたるブランド企業のデジタル変革や最適化のために何年も携わってきました。そして、Adobe Experience Managerの実装と稼働に向けた、様々な知見を備えています。以下に、特定の領域で特に強みをもつグローバルパートナーをご紹介します。

最新WCM市場レポート

WCM/CMS市場の状況やアドビのポジションについて詳しくは、Forrester社提供のベンダー評価レポート「The Forrester Wave: webコンテンツ管理システム(2017年第1四半期)」をご覧ください(訳注:現在は英語版レポート、今後日本語版のご案内を予定しています)。

Loni Stark

参考情報: