プリプレスワークフローの変化、共同印刷とDNPメディアアートはPDF/X-4運用へ

これまでPostScriptからPDFへと、プリプレスのワークフローは変化してきました。

ここ数年、印刷に最適なPDF形式であるPDF/X-4でのデータ運用やAdobe PDF Print Engine(APPE)での出力が推進されてきた一方で、デザインツールやRIPにPDF/X-4が対応しているにも関わらず、やはり慣れている従来のPostScritpベースの方を選択し、まだ完全に移行に踏み切れていない方も数多くいらっしゃるのも事実です。

今週、池袋サンシャインシティコンベンションセンターで開催された印刷関連総合イベント「page2017 」で、「もう逃げられない!安全なPDF/X-4 & APPE運用のススメ」と題し、株式会社SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズの松久剛氏より、改めて今後推奨されるPDFワークフローについて語られました。

SCREENグラフィックアンドプレシジョンソリューションズ GAソフトウエア開発部 松久剛氏によるセッション

印刷会社をはじめ、プリプレス業務にたずさわる業界関係者には必見の内容で、今後のワークフローの標準となる重要なこのセッションは、アーカイブ動画で内容を確認することができます。
フォーマットの変更から広がる印刷の表現「今までの感謝を込めて、PostScriptどうもありがとう!」また、詳細は今後「出力の手引きWeb」でも掲載される予定です。

松久氏のセッションでは、大手印刷会社二社がゲストスピーカーとして登壇し、生産の現場では、すでにPDF/X-4による運用が実行されていることが紹介されました。

まず、共同印刷株式会社 製造技術部 松永氏から、CPSI処理で抱えきれない(正しい印刷結果が得られない)事態が数多く発生し、APPE処理への切り替えたところ安定した運用がなされたという例。これまでの実績から、PDF/X-4入稿をする際の具体的なポイントやアドバイスをなど貴重な体験が語られました。https://blog.adobe.com/media_52b02d1d39346dd75746bb26a6227392708752d6.gif

また、株式会社DNPメディアアート 生産革新推進センター 車田氏からは、「何が問題なのか」を見つめ直した上で「今後どうあるべきか」という視点で、APPE運用の現状について発表されました。製版から刷版まで一貫した運用管理が可能であることのメリットをふまえ、DNPでは、今後より積極的に「APPE完結処理ルート」運用を推進していきたいという内容でした。

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アドビは、Creative Cloudのプリプレスに関する処理において、ネイティブファイル(.psd/.ai)による運用、RIPがAPPEの場合、PDF/X-4での運用が最適であると推奨しております。今後もマーケットにおける重要なパートナーであるSCREEN社と協業し、みなさまに必要な情報を提供してまいります。

SCREEN松久氏、共同印刷松永氏、DNPメディアアート車田氏、アドビ岩本

アドビの推奨する印刷物制作のためのワークフローを記載した、最新の「PDF&出力の手引き 2017」はこちらから入手できます。