働きがいのある会社とは…アドビ、Fortune「Best Workplaces In Technology 2017」の第9位に
https://blog.adobe.com/media_a93b46472e3da958755cf0af1d18ed90d795f4df.gifPhoto credit: Adam Freidin
この記事は、What Really Makes A Great Place To Work(原文執筆:Jeff Vijungco, Vice President, Global Talent)の抄訳です。
アドビは、第2回目となるFortune誌「Best Workplaces In Technology 2017」年間ランキングにおいて、従業員数1,000名以上の大企業の第9位に選ばれました。
この調査は、コミュニケーションの透明性、共同業務の割合、福利厚生制度の充実度、専門能力育成の機会、ワーク・ライフ・バランスのための支援についての設問に対し、ハイテク業界で働く42,000名を超える従業員から得られた匿名回答をもとにしています。
ハイテク企業と言えば、優秀な人材の獲得にユニークなベネフィットや福利厚生が話題になりますが、その競争も激化しています。働きがいのある会社に必要なことは何か?、グローバル人材部門バイスプレジデントのJeff Vijungcoに話を聞きました。
アドビが採用において、他社と比べて競争力を発揮できているのは、なぜでしょうか?
Jeff:私はアドビ社員であることを誇りに思っていますが、客観的に、シリコンバレーにはすばらしいリーダーシップを有するさまざまな企業の本拠地であることを認めなければなりません。アドビ本社の半径5マイル(約8キロ)以内には、世界で最も有名なブランド企業のオフィスがたくさんありますし、そのまわりには求人情報もあふれています。ですから、なぜアドビが「Best Workplaces In Technology」にランクインしたのかという質問があるのは当然です。
入社することは、単に会社に入ることを意味するのはなく、その会社のコミュニティに加わるということです。コミュニティ意識は、確実に従業員のモチベーションに影響します。ですから、さきほどの質問に対する答えは、「企業カルチャー」とお答えします。これこそが、アドビの重要な差別化要因であり、私たちがどのようにして共に働き、物事をやり遂げていくかということ、さらには、時代の流れに耐えうる企業カルチャーであるかということです。アドビは、頭と手と心の3つを兼ね備えた人材がいます。頭は知性、手は労働倫理、心は価値観を意味し、これらを重視して人材を雇い、育成しています。どのハイテク企業も各分野のリーダー的存在となっているシリコンバレーにおいて、私たちが他社と区別されるのは、この企業カルチャーです。
ここで、みなさんに就職活動のアドバイスを一つお伝えします。是非「受付チェック」をしてみて下さい。どこの企業でも、まずは朝か昼休みにその会社の受付エリアに座って、その会社の雰囲気を肌で感じてみるのです。従業員たちは互いに気持ちよく接しているか?やる気がが感じられるか?良し悪しはすぐにわかるはずです。
人事系のランキングはなぜ重要なのでしょうか?
Jeff:アドビが自らアピールするのではなく、従業員自らが会社を支持して投票していることが重要です。アドビという会社が、従業員自身が成長し、キャリアを形成できる会社だと確信しているからこそ投票してくれているのです。意義のある貢献ができ、それによって評価され、なおかつその過程を楽しんで仕事ができる環境だからです。
アドビは設立から30数年が経ちますが、私たちは常に次世代のことを考えています。会社にとってより重要なものは何か――人かアイデアか?――をテーマに継続的な議論がなされています。アイデアそのものの重要性はさておき、それは人だと、私たちは考えています。ビジネスモデルの移り変わりにともない、アイデアは変容、変化するものですが、適切な人材を獲得すれば、適切なアイデアは後からついてくるはずです。
グローバル企業として、各拠点で一貫した文化や環境を維持するのは容易ではありません。場所を問わず、職場を働きがいのある環境するための共通項は何であるとお考えですか?
Jeff:自己認識力と対人関係力の両方を含むグローバルなEQ(Emotional Quotient=こころの知能指数)が重要です。グローバル企業の場合、国ごとの文化の差が影響する場合があるので対人関係力の方がより重要です。アドビは、事業を50か国以上で展開し、タイムゾーンは15以上におよびます。その中で、上下関係が重視される国もあれば、個々の関係性が中心となっている国もある。例えば、会議に間に合うとは、開始数分前に着席していることだという国もあれば、会議は定刻よりやや遅れて始まるものと認識されている国もある。海外の社員がサンノゼの本社に出張してくると、実にさまざな特異性を持つ集団ができあがり、互いを考慮する必要性が生じます。要は、高いEQでもって相違点よりも共通点を多く作りだしていくということです。
「働きがいのある会社」に絶対必要なものは何でしょうか?
Jeff:オフィスを巡回するお菓子カート、ビーズチェア、無料のランチなど、企業のおもてなし合戦は増え続けていますが、それらは不可欠なのものではありません。すばらしい福利厚生を提供しつつ、従業員のニーズを吸い上げ、それに対してできる限りサポートを行うこと、それが理想の職場です。
先週、妻が風邪をひき、子供たちを学校に送っていけるかと彼女に訊かれました。いつもは妻が行っているんです。普段より30分ほどの遅刻ですが、当社の企業文化は柔軟なので問題にならないとわかっていましたから、ストレスは感じませんでした。こうした柔軟性は、テニスのスター選手を娘に持つ私の同僚にも影響を与えています。彼女は、午後は娘をサポートできるよう、毎朝6時に仕事を始めます。
従業員のやる気を引きだし、コミュニティ意識を有する会社、そして、成果を犠牲にせずに柔軟性を保ち、仕事の面でも人間的な面でも従業員が成長していく環境を作りたいのであれば本気でそれに取り組む、これこそが「働きがいのある会社」だと私は信じています。
本記事はAdobe Conversations Blogに投稿されたものです。アドビがなぜ理想の職場なのか、是非ご自身で確かめて、今すぐご応募ください。