Bracketsユーザー調査(2017年)の集計結果:デザインから開発まで行う「フルスタックWebクリエイター」が利用

Brackets開発チームブログに、先日実施した2017年度のBracketsユーザー調査の結果が公開されました。実施期間は短かったですが、世界中から2,500名を越えるBracketsユーザーの回答を得られましたので、その集計結果をお知らせします。

Geography

今回は130ヶ国のBracketsユーザーが調査に参加しました。日本は国別では4番目に多い参加者数です。ご協力ありがとうございました!

Age Group

回答者の64%が30歳未満でした。20歳未満のユーザーが最も多いのは、無償で誰でも使えるBracketsの特徴かもしれません。

Organization

フリーランスや個人事業主のユーザーが大多数と、全設問中で最も顕著な差が現れた結果となりました。

Role

Web開発者による利用が全体の62%を占めており、中でもFull Stack Web Developerが最も多い利用率でした。日本ではFull Stack Web Developerよりフルスタックエンジニアという名称の方をよく聞きますが、これは一部分野の開発者ではなく様々な分野の知識とスキルを持つ開発者のことを指します。ちなみに、アドビのSan Franciscoオフィスが募集しているFull Stack Web Developer(2017年2月27日現在)の募集要項を見ると、WebだけでなくiOS上でのアプリ開発スキルやオブジェクト指向設計、アジャイル開発など、幅広い知識や経験を持つ開発者が対象となっています。

人気のJavaScriptフレームワークは圧倒的にjQueryで、Angular、React、Vueなども見られます。こうやって見ると、jQuery需要はまだまだあり、Backboneを使っている人が減っているのがよく分かりますね。この勢力図も世の中のJSトレンドに合わせて、どんどん変わっていくでしょう。

Which Build system do they use?

JavaScriptフレームワークほどではありませんが、ビルドシステムもGrunt、Gulp、Webpackと主流が入れ替わる動きが見られます。全体の42%がなんらかのビルドシステムを導入。

Which CSS processing tool do they prefer?

CSSの面倒な部分を便利にしてくれるCSSプリプロセッサーは、全体の56%が使用しており、Sass/SCSSが圧倒的に多く使われています。Dreamweaverも2016年11月のアップデートでSass/SCSS/LESSに対応(保存するだけでCSSファイルにコンパイルしてくれます!)しました。

How many of them use Design Tools?

全体の60%がデザインツールを使用しています。

What are they using the design tools for ?

予想では、デザインカンプのデータ(PSDなど)を受け取り、そこから画像やフォント、サイズ情報などを抜き出してコーディングするユーザーが多数かと思いきや、デザインツールの利用目的で最も多いのは「Create designs from scratch」。つまり、自らデザインもこなすBracketsユーザーが多いようです。

Which Design Tools are they using (Top 10) ?

デザインツールとしてPhotoshopの利用が最も多く、Illustratorがこれに続きます。日本では他国と比べると圧倒的にIllustratorの人気が高いのですが、World Wideの調査でIllustratorがここまで数値を伸ばした結果はとても興味深いです。おそらく、昨今のディスプレイ高解像度化の流れでSVGなどのベクターを使ったデザインが注目されていることやデザインのミニマル化(フラットデザインやマテリアルデザインなど)の影響もあるかもしれません。

What are the services they pay for?

有償サービスの利用状況は、Creative Cloudの次にGithubが多いようです。

まとめ

Bracketsユーザーには、自らデザイン作業を行い、HTML/CSSコーディングからJavaScriptプログラミングまでをこなす「フルスタックWebクリエイター」(しかも若い)方が多いという、非常に興味深い結果が今回の調査で得られました。さて、みなさんはどんなBracketsユーザーでしょうか?