活躍する女性クリエイターたち #国際女性デー #IWD2017

by Ryusei Yoshimoto

Posted on 03-08-2017

連載

Adobe Stock ビジュアルトレンド

今月のAdobe Stockトレンドレポートは、3月8日の国際女性デーにちなんで、カメラレンズの向こう側とこちら側にいる女性たちにフォーカスをあててご紹介します。今世界は、米首都ワシントンで実施された「ウィメンズマーチ(女性の大行進)」の歴史的なデモの直後ということもあり、まさに重大な局面をむかえ、ひょっとすると劇的な変化がこれから起きようとしているかもしれない、そんな空気さえ感じられます。このムーブメントを念頭に、ストックフォトにおける女性のイメージはどのように変化しているのか、女性は写真業界にどのような変化をもたらしているのかを探っていきましょう。

ストックフォトの女性の画像の多くは多様性に欠けており、女性といえばすらりとした姿で、繊細、家庭的、威圧的ではない、といったイメージで撮影され、モデルの多くが白人です。このようなステレオタイプなジェンダー規範が強調されていることも現実にあります。しかし、それを変えていこうと奮闘するフォトグラファーがつぎつぎと登場しています。女性アーティストたちはこれまでにない新しい視点を提案し、人間としての経験をより豊かに表現する方法を確立しつつあります。
現在、こうした女性による新たな女性のイメージが、ストックフォトの重要なニッチ市場を開拓しています。デザイナーたちは、性差の既成概念をうちやぶって、女性購買者(全体の85 パーセントを占める非常に重要な購買層)に訴える優れた写真を探し、またジャーナリストたちは、社会的な変化や女性のリアルな生活を描いたストーリーに合ったストックフォトを求めています。

TARA O’BRIEN / ADOBE STOCK

「みんなジェンダーギャップ(男女の格差)を埋めたがっている。」Adobe Stock の動画コントリビューターで、女性を題材にすることが多いHelenFields に、自身のストックポートフォリオに対する反応をきいたところ、彼女はそう答えました。「みな、従来の性役割の通念にとらわれない女性の姿を見たがっています。もしあなたがコンテンツに女性を含めていないとしたら、自分のポートフォリオの可能性を狭めていることになります。」

女性目線で伝統に新風を

ストックフォトにおけるステレオタイプの女性観は、大きな枠組みの中のほんの一部分にすぎません。写真業界が歴史的に男性に支配されてきたため、私たちがよく目にするほとんどの作品が男性の目線で撮られたものです。今、女性たちはそのバランスを正そうと取り組んでいます。

たとえばCasey Meshbesher。彼女はストリートフォトに関心を寄せているアメリカ人フォトグラファーですが、女性の視点でとらえた作品が少ないことに気づき、Her Sideof the Street を立ち上げました。このコレクションは女性のストリートフォトグラファーの作品にスポットをあて、紹介しています。「こうしたプロジェクトはアートの世界で女性のムーブメントに火をつける重要な役割になっています。やがてこの火が、復活しつつあるフェミニズム運動という、より大きな炎の一部となっていくのです」と彼女はThe Guardian紙に語っています。

LINA ALICE / ADOBE STOCK

Girlgaze の創設者も同様の考えにもとづき、女性の目やレンズを通して見ると世界はどう映るかに興味を持ってもらおうと活動しています。そのプロジェクトでは、自分を女性と認識しているフォトグラファーと「少女のまなざしの力」を、常設のオンラインショーケース、実際の展示、補助金、半年に一度の出版物等を通してサポートしています。

もう一つの重要なプロジェクトで、Daniella Zalcman はフォトジャーナリズムにおける女性不足をどうにかしようとしています。彼女自身がフォトジャーナリストとして、女性のアーティストがいればむしろもっと女性を雇いたい、という編集者の声を数多く耳にしてきました。そこで、女性フォトジャーナリストの仕事を宣伝するためのWomen Photograph を開設し、約70か国の才能溢れる人材を取り上げています。彼女はWired誌にこう語っています。「女性、そして有色人種のフォトグラファ―を発掘するためにもっと努力しなければなりません。だって、彼女たちは存在するのですから。そこにいるのです。」

KRISTINAHADER / ADOBE STOCK

写真業界の女性をめぐる環境でさまざまなことが起こっている今こそ、女性が写真のキャリアをスタートさせる絶好の時期かもしれません。「一生懸命に頑張って、あなたに向けられる既成概念に身をゆだねないようにすること、あなたの可能性は無限であることに気づいてください。」Helen から将来のフォトグラファーたちへ向けたメッセージです。

常套表現を避ける

写真業界では女性にも男性にも、ストックを使ってよりリアルで、インクルーシブな写真(年齢、障害、人種、性差等に関係なく多様な人々をとらえた写真)で世の中を埋め尽くすチャンスが広がっています。そこでAdobe Stock のコントリビューターに、使い古された表現とは無縁のイメージを生み出すための独自のアプローチについてききました。

「私は強い女性の役割というものを常に考えていて、(人物設定の際に)状況に応じてそれらを割り当てています」と、Helen は言います。「題材について考えても、人気のあるメディアだったらそれをどう扱うかについては気にしません。年齢制限も階級の壁もとっぱらっています。私は、女性が洗い物をしたり、子供たちと家で過ごしたり、娘たちと朝のコーヒーパーティーに出席したりする姿ではなく、女性のリーダーを撮っています。それも数年前であれば場違いに感じられたかもしれない場所で何らかの役割を担う女性たちです。たとえば、石油プラットフォームの作業員、農民、ロボットエンジニア。スマートでタフ、それでいてどんな役割であろうと自分にゆとりがある女性たちです。」

ビンテージスタイルで知られるAdobe Stock のプレミアム・コントリビューター、Eve Saint-Ramon は言います。「女性を撮るときはその個性を強調するようにしています。モデルは必ずしもプロとは限りません。さまざまな外見の女性たちと仕事をしますが、彼女たちはみな、明白な知性溢れる自分自身の世界を持っており、私はそれに合う洗練された、あるいはグラマラスな繊細なポーズを提案します。ファッションアイコンであろうと無名のモデルであろうと、彼女たちの人間性や人生に対する素晴らしい情熱をクローズアップすることで、本当の一面をとらえようと心がけています。」

EVE SAINT RAMON / ADOBE STOCK

共感ギャップを埋める

写真を撮る側、撮られる側の双方に多様性を広げていくことこそが、写真業界の女性の発展につながります。それにより私たちは、自分の日常生活では知り得ないかもしれない物の見方にさまざまな角度からふれることができるようになります。Daniella がWired 誌で語っています。「共感ギャップ(他者との感情の差)は拡大しつつあります。アメリカではそれがとくに顕著です。自分と違う人たち、自分と異なる経験を持つ人たちを理解することがますます難しくなっている時代なのです。」フォトグラファーは、彼らのビジョンを世界全体で共有することで、ジェンダーギャップを埋め、相互理解を推し進める一助となることができます。「アーティストたちは、それぞれの文化や国から多様な方法で自らを表現しています。」Eve は言います。「彼らの視点は無限に広がっているのです。」

HAKASE420 / ADOBE STOCK

女性のクリエイティビティにフォーカスし、Adobe Stock のコントリビューターであるHelenとEve、そして、Adobe Stock の顧客でありデジタルアーティスト兼グラフィックデザイナーのJing Zhang Tina Touli を特集動画にまとめました。
さらなるインスピレーションを求めるなら、女性クリエイターの作品を集めたAdobe Stock female creators gallery をぜひご覧ください。

Topics: Stock, クリエイティブ, デザイン, フォト, UI/UX & Web, ビデオ

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