連載
世界最大級のオンライン ポートフォリオ サービス、「Behance」。グラフィック、イラスト、3DCGなど、さまざまなジャンルのクリエイターが登録し、自身の作品をプレゼンテーション中。クリエイターもクライアントもワールドワイドなだけに、海外からのオファーがあることも。この連載では、日本で「Behance」を活用しているクリエイターをご紹介していきます!
本日ご紹介するのは、グラフィックデザイナーのNemury(ネムリー)こと黒澤智之さん(https://www.behance.net/kawaii)。キング・オブ・ポップ=マイケル・ジャクソンから、「セーラームーン」、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」まで、さまざまなモチーフをモバイルアプリでポップに描いた作品がBehanceで人気のクリエイターです。東京でアートディレクター、グラフィックデザイナーとして活動するNemuryさんにお話をお伺いしました。
**ーデザイナー/アートディレクターになったきっかけは何でしょうか?
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**Nemury:**幼少の頃から絵を描いたり、ものを作ったりするのが好きだったため、自然とデザイナーを志すようになりました。
**Nemury: **2014年11月に東京で行われた「Behance Japan Portfolio Reviews #6」の応募作品です。
この応募にあたり作品制作を本格的に再開したのですが、自分の新しい表現スタイルを確立できて、それが今の作風につながっています。
My Beloved Family (グリッドで作品を制作している。)
学生時代から世界に向けて作品を発表したいという思いがあり、2000年代にはSNSの先駆けであるMyspaceを作品発表の場としていました。Myspace自体の失速後、海外発表の場を見つけられない時期が何年か続きました。その後、本業のデザイン会社での仕事が多忙となってきたり、子供が生まれたりという中で、いつしか個人作品を作ることもほとんどしなくなっていました。
また何か作ろうという気持ちが芽生えてきた頃に、Behanceと出会い、海外へ向けて発表ができる場を得られたことで再び作品を作り始めました。
**Nemury:**シンプルでミニマルな幾何学形体によって構成するスタイルで、作品を作っています。よりシンプルであればあるほど、強い純度を持つ作品になると考えているので、最後はどこまで簡略化できるかの境界線上のせめぎ合いになります。細部を作り込み過ぎた場合は、シンプルに戻したり、逆にシンプル過ぎて特徴が伝わりづらくなる場合は、細部を足したりすることで、最適なバランスを見極めるのが難しいです。
普段の制作では、Photoshop、Illustrator、Bridge(いずれもCreative Cloud)を使用しています。
作品の見せ方では、 作品全体を見せた後に、細部のクローズアップを載せることで画面スクロールの中に緩急の流れを作り、作品をじっくり味わえるように誘導することを心がけています。
Behanceで作品をみられた方から、仕事の依頼をいただくことが出てきました。
ニューヨークからAmerican Expresの会員誌DEPARTURES magazineのイラストカットのお仕事をさせていただいたり、
The illustrations for the “DEPARTURES” magazine (published exclusively for american platinum card members). the Japan…
Posted by Nemury ネムリー on Saturday, December 3, 2016
そのほかに、イタリアからの制作依頼のプロジェクトが現在進行中です。
**Nemury:**本業はグッズメーカーのデザイナーとして働いているため、個人作品は、忘れた頃に時々発表するという、非常にマイペースな制作スタイルで行っています。なかなか新作をアップできていないのですが、気長に待っていただければと思います。
Nemuryさんの作品はBehanceにて。