サイトリターゲティングとサーチリターゲティングの違いを理解する
リターゲティングがwebで話題を集めています。確かに優れた手法であり、私たちは明らかにこのテクノロジーの大ファンですが、言葉が一般に広がるにつれ、異なるタイプのリターゲティングを混同してしまっている人もいます。
よくある誤解は次のようなものです。リターゲティングとは、消費者が何かを検索し、サイトを見つけ、何も買わなかった場合に、その検索キーワードにもとづいた広告を表示することだという認識です。
サイトを見つけたにもかかわらず、何も買わなかった消費者をリターゲティングする手法は、サイトリターゲティングと呼ばれます。
実は、リターゲティングには7種類あります。そのひとつがサーチリターゲティングです。SEOMoz(現Moz)のカスタマーアクイジション兼エンゲージメントディレクターであるJoanna Lord氏は、「自社サイトを訪れた人をターゲティングするのではなく、GoogleやYahoo!、Bingなどで検索した人をターゲティングします」と説明しています。
つまり、サーチリターゲティングは、自社サイトを1度も訪れたことがない新しい顧客を呼び込むのです。リターゲティングは、サーチエンジンに入力された検索キーワードにもとづいてのみ行われます。
サーチリターゲティングが独特の効果を持つ理由は、検索キーワードに貪欲な購買意欲が表れているという点です。つまり、消費者がオンラインで商品やサービスの検索に時間を掛けるということは、その目的に対してお金を払う強い意志があるということです。検索結果に広告を出すことが効果的なのは、そのためです。
以前は、自社サイトを1度も訪問したことがない顧客をターゲティングするための有効な手立てがなく、購買層に関連したサイトで膨大な数の広告を出し、顧客の目に留まるのを待つしかありませんでした。この手法には大きなコストが掛かるうえ、より多くの広告在庫を売ることだけが目的の、従来型の広告ネットワークに頼らなければなりません。
サーチリターゲティングベンダーは、広告主の利益のみを代弁する存在であり、検索を通して広告主のブランドにすでに潜在的な興味を示している人のみをターゲティングします。
その利点は明らかです。サイトリターゲティングが非常に有効な最適化ツールであるのに対し、サーチリターゲティングはまだ広告主のサイトにアクセスしたことのない、膨大な数の潜在顧客をターゲティングするのです。Changoが最近行ったブランドキャンペーンでは、広告主のwebサイトで多額の買い物をした顧客の80%以上が、サーチリターゲティングによって獲得した新規顧客だったことが判明しています。
以上のような理由から、サーチリターゲティングはサイトリターゲティングよりも有効だと言えますが、サイトリターゲティングよりもかなり多くのデータを必要とします。そのため、主要なサーチリターゲティング会社は、大手媒体と提携して、GoogleやYahoo!、Bingなどで実際に検索された数10億件もの検索キーワードを月ごとに収集しています。この豊富なデータにより、ブランドサイトによるキャンペーンをどのような角度からでも実施することができるのです。
リターゲティングは誤解を招きやすいため、主要なサーチリターゲティング会社は業界のベストプラクティスに従ってターゲットのプライバシーを保護しています。収集したいかなるデータも個人を特定する用途には使用できず、あらゆる広告がAbout Adsというアイコンとともに表示されることになっています。
また、大手の検索エンジンで検索を行う場合、入力された検索キーワードにもとづいた広告を検索エンジン自体がすでに表示していることも覚えておきましょう。
リターゲティングは便利な手法であり、情報メディアサイトのDigidayは、リターゲティングを「広告テクノロジーで最も熱いエリア」と称賛しています。 とても心地よい響きです。
※本ブログは米国で公開されたCMO.com記事の翻訳です。