ドキュメントソリューションによる顧客体験向上サポーターに聞く【第2回】「Adobe Sign」の電子サインは法的有効性を満たす #AdobeSign

連載

クラウドベースの電子サインソリューション「Adobe Sign」特集

契約処理の電子化を支援する弁護士


https://blogs.adobe.com/documentcloudjapan/adobe-sign-implementation-support-services-vol2/sat9379/

アドビ システムズ 株式会社
法務政府渉外本部長
弁護士
浅井 孝夫

昨年秋にアドビは電子サインサービス「Adobe Sign」を含む Adobe Document Cloud の導入支援サービス強化を発表しました。今回は Adobe Sign の法的対応について、法務政府渉外本部の本部長を務める浅井よりご説明します。

電子サインは法的有効性を満たしています

契約を締結するとき、これまでは紙の書類に押印や署名を行い、やりとりしてきました。

この慣習がビジネスの世界では深く根づいていることもあり、電子署名(Digital Signatures)や電子サイン(Electronic Signatures)に対して、心配や懸念を抱く人が少なくありませんでした。

しかし現在では、電子的な契約処理が日常のビジネスや生活にもすっかり入り込んでいます。たとえばパソコンやスマートフォンで新しいアプリやサービスを利用する際、「利用規約に同意しますか?」というメッセージに対して、チェックボックスへのクリックでご自分の意思を明確化していると思います。これも立派な契約行為の一種です。

実のところ、契約は紙で行っても、電子的に行っても、有効性にはまったく差がありません。そもそも契約は口頭でも成立します。肝心なのは、そこで取り決めた約束事を反故にされないように、証拠を残して担保することなのです。

具体的には、その契約が当事者自身によって交わされたことを示す「本人性」と、契約内容があとから改変されていないことを確認できる「非改ざん性」を確保することが必要です。すなわち、この 2 つの要件に対応していることこそ、Adobe Sign が法的有効性を満たすポイントになっています。

Adobe Sign はグローバルで何十億件に及ぶ取引にすでに利用されていますが、これまでにAdobe Sign の法的有効性が争われたケースは聞いたことがありません。むしろ遠隔地間の取引においては契約書類の紛失を防止でき、時間的なロスも省けるため、Adobe Sign で契約締結を進める方が安全かつ生産的です。


https://blogs.adobe.com/documentcloudjapan/adobe-sign-implementation-support-services-vol2/sat9289/

われわれの実務でも大幅な業務効率化を実現しました

もちろん私たち法務政府渉外本部の実務においても、Adobe Sign は標準的に活用されています。お客様の社内規程上、紙の書類でなければ困るとおっしゃられない限り、Adobe Sign を利用しており、利用比率は全契約処理の 80~90%を占めるまでになっています。

これによって私たちの業務効率は飛躍的に改善しました。肌感覚では 10%以上の工数削減に貢献できていると思います。

アドビが年間に取り交わす契約は数千通にもなり、その処理を紙で行うには書類に押印し、きちんと製本し、いつでもすぐに取り出せるように管理する必要があります。当然、その作業はアルバイトなどの部外者に任せられるものではなく、組織内の人員ですべて対応しなければなりません。

このような人手に頼らなければならない煩雑な作業を行う必要がなくなったおかげで、担当者は法務部門としての本来の仕事に専念できるようになりました。

Adobe Signの有効活用を通じて、多くのお客様に私たちと同じような業務効率化を実現していただけたらと思います。またデジタルトランスフォーメーションをより一層進めていくことで、競争力の強化にも繋げてもらいたいですね。