#国際女性デー 女性アーティスト展示「Blossom Blast 2017」を振り返って #adobelife #AdobeforAll

こんにちは、アドビのCR担当 斉藤よう子 です。3月8日の国際女性デーに合わせて企画された「Blossom Blast(ブロッサム・ブラスト)」。日本在住の女性アーティストを紹介することを目的とした、この女性活躍促進のアートプロジェクトに、アドビジャパンは今年も協賛しました。

日本は、世界一クリエイティブと言われる国でありながら(出典「State of Create: 2016」)、女性アーティストを取り巻く環境は、決して良くはありません。プロのアーティストとして活動している人数は男性に比べて非常に少なく、作品の売買価格も低めに設定されてしまう傾向があるそうです。また、結婚・出産を通じてキャリアを継続できないという状況も男女格差を生む要因となっていて、これは日本だけでなく世界共有の問題として認識されています。

しかし、そんな状況を明るくガールズパワーで打破していくべく、アーティストのサイトウ・ミキさんとクリエイティブエージェンシーのTokyoDexによって「Blossom Blast 2017」は企画され、今年は3月1日から18日までの18日間開催されました。才能あふれる女性アーティストのパワフルな作品が集まり、すっかり華やかな雰囲気になった原宿にあるUltraSuperNew ギャラリー。作品の展示以外にも、Lean in Tokyo(リーンイン東京)による「Men Support Women 」などさまざまなテーマで4つの関連イベントが実施されました。

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アドビは、今月15日に「Adobe Night」と題して、アドビ社員とその家族や友人を招いたレセプションパーティーと、「Women In The Arts 〜女性クリエーターが直面する難題を知る〜」というトークセッションを行いました。「Blossom Blast 」主宰のサイトウ・ミキさん、SBIアートオークションで近現代美術部門キュレーターをつとめる塚田萌菜美さんをパネリストに迎え、TokyoDexのクリエィティブディレクターであるDaniel H. Rosenさんに進行役をお願いしました。サイトウ・ミキさんから日米で活動されている女性アーティストとしての体験談や、塚田さんからアートオークションの仕組みや売買される作品の傾向、女性アーティストを置かれている現状についてお話を伺い、アドビ社員とのディスカッションをしました。


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アートオークションの落札結果から分析すると、存命中の作家の落札価格の上位は圧倒的に男性で占められており、まだまだこれから女性アーティストの活躍の余地がある、と思う一方で、実は日本人アーティストのトップは断トツで草間彌生さんということが分かりました。草間さんの作品が億単位で落札されている状況を初めて知って、あらためて世界で評価されている草間彌生さんが日本人女性アーティストとして誇らしく感じました。

日本のアート市場に目を向けると、美大の卒業生の7割が女性ですが、コンぺの受賞者となると4割、そして芸術祭に参加する人数は3割まで減少します。また、画廊やギャラリーのオーナーなどのアートマーケットのプレーヤーも男性が多いということがわかります。ある美大のアートマネージメント学科の6割が女性でありながら、現在活躍中のギャラリーの経営者は15%、ディーラーは10%弱でとどまっています。これらは一つの側面にすぎないかもしれませんが、こうやって実際お話を伺うことによって、アーティストの皆さんがどういう状況にいるかを知ることは、女性アーティストの活躍促進を考えるヒントにはなりそうです。

また、Adobe Nightでは、業務に関係なく個人的に創作活動をしているアドビ社員の作品を募集し、社内から日本画、写真、ビジュアルアート、書道などの7点を会場に展示し、同僚の隠れた才能に気づき、嬉しい驚きを味わうことができた1日でした。

さて、「女性の権利」「フェミニズム」というと、どのような印象を受けるでしょうか。ファイティングポーズをとりながら、社会の壁(課題)に向かって突き進み、女性である権利を声高に主張する、といった強い女性たちをイメージするかもしれません。しかし、実際は、ジェンダーに関係なく、目指したいことを目指せばよい、その障害が性別であってはならない、ということなのです。女性の多い職業に挑戦する男性にもあてはまる考え方かと思います。「国際女性デー」をきっかけに、こうあるべき、と自分で無意識に制限をかけてしまっていることに気づいたり、周囲の人を応援することが始まれば、素晴らしい取り組みだと思いました。

アドビは、Diversity & Inclusionという取り組みを行っていて、グローバルで見た従業員の男女構成比をできるだけ半分にしようとしています。多種多様な仲間で仕事をすることでより付加価値の高い仕事ができると考えています。みなさんの職場や学校に、もし、1人だけ女性、1人だけ男性、という方がいたら彼らは先駆者です。ぜひ歓迎して応援しましょう。

また来年のこの時期、女性アーティストの作品を鑑賞して、さらに彼女たちが羽ばたけるようにより多くの人とこの取り組みを分かち合う時間ができたらいいな、と思っています。またこの活動を発展させていくためにも女性のアーティストを応援しているNPOのご担当者の方は、ぜひご連絡ください。