ビジュアルトレンド:デジタルイラストレーション

by Ryusei Yoshimoto

Posted on 04-14-2017

連載

Adobe Stock ビジュアルトレンド

テクノロジーの発展に伴う制作ツールは日々進化しています。このブログ記事はそうしたテクノロジーが、特にグラフィックデザインやイラストレショーンに対してどのような影響を与えているのかを、実際の作品とともにご紹介いたします。みなさんも是非最新のツール使って表現の幅を広げてみましょう。

多くのデザイン現場では、その制作の開始から完成まで、すっかりデジタル化が進みました。しかしつい最近まで、かなりのイラストレーターが、(少なくとも作品制作に着手するときは)普通のペンか鉛筆に頼っていました。手描きの絵をスキャンし、イラストソフトで開いて、最後のひと仕上げをデジタルで行うのです。スケッチをするのにマウスは扱いにくかったり、スタイラスペンは幅が一定でこれまでの筆記用具の感覚からは程遠かったり、タブレットには処理能力が足りなかったりして、デジタルイラストレーションの分野は遅れをとっていました。しかし、テクノロジーの普及やハードウエア、モバイルアプリの発展に伴い、より多くのプロのイラストレーター、アニメーター、グラフィックアーティストが、最初の一筆から仕上げまで、デジタルペンシルを使うようになり、彼らの仕事の仕方は変化しています。このデジタルプロセスは、細部へのこだわり、柔軟性、そしていつでも創作ができる環境を可能にしました。

RETROSTAR / ADOBE STOCK

自然な仕上がりの美しく精緻な線画

デジタルペンでの描画は、イラストが単純であれ複雑であれ、滑らかな美しい線画に仕上がります。また、圧力を調節するだけで極細線から太線までひと筆で描くことができ、昔のスタイラスとは異なり細身のため、鉛筆のような感覚です。自然な筆運びと角度も再現されているので、手で描くのと同じように思えます。

BLAUANANAS / ADOBE STOCK

ロンドンを拠点とするデジタルイラストレーター、Dan Mumford は、精緻に描き込まれたディテールと限定された色彩が特徴の叙事詩的な画像を制作しています。デジタル描画ツールを好む彼は、こう話しています。「筆圧のコントロールのみで、極小の点から大きな太い線まで、ひと筆で描けるんです。それに、筆圧や角度に対する微妙な変更や、描いた線のディスプレイ上での映り方などの細かな点をアプリで微調整することができるので、とても高性能なツールです」

自由に探求する

デジタルイラストレーションのもうひとつの魅力は柔軟性です。コミック作品の構図を練るためラフにレイアウトをする場合も、ディテールに凝ったイラストを制作する場合も、デジタルなら、新しいコンセプトを探求したり、自分の選択肢を確認したり、修正したりするのも、あっという間にわけなくできてしまいます。Dan はこれまでにデジタルツールを使ってかなり手の込んだ作品を作ってきました。「iPad だけで相当複雑なものを完成させることができたので本当に感動しました」

デジタルツールのおかげで柔軟性は広がりますが、中には、オリジナルの作品を際限なく出力できる機能は付けたくない、と考えるアーティストもいるでしょう。デジタルツールが作品の価値を下げることになるのか?確かに私たちは、手描きで創作された、オリジナルが一点しかない作品に価値を見いだします。Dan も次のように認めています。「実のところ、制作する際にはかなりの葛藤があります。ただ、デジタル制作はずるいかというと、そうではありません。作品を完成させるもう一つのツールというだけです」

PYLYCHUK25 / ADOBE STOCK

どこでもインスピレーションを大切に

アイディアはどこで浮かぶかわからないもの。デジタル描画ツールを使えば、どこにいようと手の中に無限の可能性が広がります。スタジオを離れるときや長い休暇の時でも、ツールキットならどこへでも持って行くことができます。すべてのファイルをオンラインに載せ、マウス代わりにデジタルペンを使い、パソコンのバッテリーを確保しておけば、今ではテクノロジーのおかげで移動中や出先で手軽に絵を描くことができます。

Dan にとって、テクノロジーを利用した創作プロセスの効率化とは、どこに行こうと仕事を続けられる環境を整えること。彼はこう語っています。「昔はスタジオにいないときに使える手段が全くなかったんです。2 週間旅に出れば、その間は基本的に一切スケッチをしない。敢えてそうしていた部分もありますが、ペンと紙での作業に逆戻りしたくないという思いもありました。デジタル描画なら、時間をかけてアイディアを吟味する必要がなく、どんどん進めることができますから、仕事は驚くほどはかどるようになりましたし、何より楽しいですね」

ZENINA / ADOBE STOCK

さらなるデジタルアートへの期待

根本的にアートとは、他者とコミュニケーションを取ることです。感情を表現した水彩画であれ、説明的な設計図であれ、適切なツールは創作プロセスを向上させ、作品をより良いものにしてくれます。アーティスト向けのデジタルツールキットは発展を続け、今後はますますオリジナリティ溢れる洗練されたデジタルアートに期待が高まります。 リアルな油絵を描くツールProjectWetBrushも登場しました。デジタル描画ツールはイラストレーターにクオリティ、柔軟性、利便性をもたらし、更には、作品を観る人たちとの対話をより促していくでしょう。

LUVCHIEVA / ADOBE STOCK

デジタル制作のイラストをさらにご覧になりたい方はこちらの特集ページ Adobe Stock Gallery をどうぞ。

Adobe Stockで作品を販売するには、コントリビュータープログラムをご確認ください。また、こちらの「Adobe Stockにコンテンツを投稿」より、Adobe Stockの始め方についてのチュートリアルも併せてご覧ください。みなさんからの素敵な作品をお待ちしております!(この記事は2017年2月8日に Adobe Stock Team により作成&公開された January Visual Trend Exploration: Digital Illustrationの抄訳です。)

Topics: Stock, クリエイティブ, デザイン, フォト, UI/UX & Web, ビデオ, イラストレーション

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