旅行および観光業界のデジタルトレンド

旅行および観光業界は、デジタルテクノロジーをいち早く採用した分野の1つでした。技術に長け、ソーシャルメディア通である旅行者のニーズに確実に対応するためのテクノロジーです。「共有」経済(例としてウーバーやエアビーアンドビー)に伴って、オンラインの旅行代理店のようなデジタル形式のみの企業での混乱が見られます。これは、旅行会社が頻繁に起こる変化に対し継続して適応するために、デジタルの提供を進化させる必要があるということを示唆しています。

アドビのレポート「デジタル成熟度のための4つの不可欠な要素」(2016年)で、私は最近、小売業界に着目し、デジタル形式のみの業者と昔ながらの実店舗を営む業者との比較を行いました。旅行および観光業界において、オンラインとオフラインのビジネス間には、類似した大きな違いが見られます― 特に航空分野は、従来型で着手が遅かったかもしれないものの、今や有数のデジタルディスラプターである企業もいくつか存在します。

アドビのレポートでは、デジタル成熟度の基本となる4つの分野にスポットを当てています。データドリブンマーケティング、顧客経験、モバイルデバイス、そしてクロスチャネルマーケティングの4つです。また2015年12月に、アドビとエコンサルタンシーは、共同レポート「旅行および観光業界のデジタルトレンド」を発表し、業界の成熟を実証しました。

旅行および観光業界とデジタル成熟度の基本となる4つの分野の間には、多くの類似点が見られます。

カスタマー エクスペリエンス

旅行会社は、とりわけ物質的世界とデジタル的世界をブレンドすることにより、顧客体験を通じての差別化を追及しています。顧客体験で、顧客の獲得維持のために中核となる分野について企業に調査したところ、旅行者ならびに顧客の基盤強化が最優先事項でした。

モバイル

言うまでもなく、旅行者が、オンラインとオフラインでの体験を継ぎ目なくつなげるために、モバイルデバイスを幅広く使用しています。航空搭乗券として、モバイルデバイス上のQRコードを利用できるのがその一例です。このことから、旅行会社はモバイルの重要性を実に把握していて、他のどの業界よりもそこに大きく重点を置いていることが分かるでしょう。

データドリブンマーケティング、クロスチャネルマーケティング

旅行業、とりわけ航空業は、ごくわずかなマージンで商売をすることが多い業界です。そのため、顧客をさらによく理解する機会、あるいは、よりよいサービス、アップセル、クロスセル、付属的な製品を提供する機会はどんなものであれ、マージンを増やすチャンスだと言えます。

この業界には、強みとなるデータ分析の戦略が浸透しているので、顧客がデジタルの過程のどのあたりにいるのかをピンポイントで示すことができます。それによって、チャネルに関係なく、適切な状況でのちょうどよい時期に、的確な情報を提供することが可能となるのです。

旅行業界はデジタル成熟においてのリーダー的存在です。旅行&観光業界で上質のカスタマー エクスペリエンスを提供するために、アドビがどのようにビジネスサポートができるかをご覧ください。

※本ブログはアジア太平洋で公開されたAdobe Digital Dialogue記事の翻訳です。