ビジュアルトレンド:日常からの逃避 – 行きたい旅先の変化 # Adobe Stock
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自然と言って思い浮かべるものは何でしょうか?自宅の裏庭でしょうか?それとも、エキゾチックな場所、たとえば鬱蒼とした熱帯雨林や遥か遠くの山々でしょうか?暮らしが都会的になるにつれ、私たちは自然とのつながりを思い出させてくれるような遠く離れたいつもとは全く違う場所に惹かれるようです。
最新のAdobe Digital Insights Reportによると、アメリカ人旅行客に人気のエコツーリズムの旅先は、コスタリカ、アイスランド、ガラパゴス諸島といった遠方の土地です。一方、ヨーロッパの人々はアイスランド、ノルウェー、ケニアなどを訪れています。
私たちと地球との関わり、更には地球を保護するために何ができるのかについて、これまでもお伝えしてきましたが、今回の記事では、遠方への旅のトレンドに注目し、遥か遠くの美しいタヒチへ飛んだプロの若手フォトグラファーのグループを追います。
DAN TOM / ADOBE STOCK
身軽に遠方へ赴くミレニアル世代はカメラで旅を記録
ミレニアル世代は様々な方面で著しい変化をもたらしています。旅もしかりで、Top Deck Travel のグローバル・ジェネラル・マネージャー、Sarah Clarkによると、彼らは古い世代に比べて23%ほど海外に行く傾向が強いとのこと。旅先はますます遠方になり、興味の赴くところにお金を費やすといいます。
その72%がモノより経験に予算をつぎ込むというミレニアル世代。では、彼らは旅でどのような経験をしたいのでしょうか。最新のForbes のリポートによると、彼らの旅の動機は、未知の文化に触れること(86%)、ローカルな食べ物を試すこと(69%)が上位を占めています。
SALTY WINGS / ADOBE STOCK
フォトグラファーたちはタヒチへ飛び立ち、ミッション実行
Adobe Stockは最近、旅とライフスタイルがテーマの雑誌Tiny Atlas Quarterlyとタッグを組み、プロの若手フォトグラファーのグループをタヒチへ派遣しました。これは現地の暮らしにどっぷりと浸ってまたとない撮影体験をしてもらおうというもの。彼らはタヒチの家庭に滞在し、その土地ならではの食べ物を食べ、波乗りを楽しみ、そのすべてをカメラに収めました。
この旅で、フォトグラファーたちはクリエイティブなインスピレーション以上のものを得ました。僻地の壊れやすい自然の中で過ごした彼らは、環境保護が急務であるという思いを胸に帰国し、どうすれば写真を通じて環境メッセージを伝えることができるのか、という問題を共有するようになりました。
「写真はストーリーテリングに通じるものがあります。」こう話すのはTinyAtlasのフォトグラファー兼創設者のEmily Nathanです。「人々は良い写真には耳を傾けます。写真が素晴らしければ、その分だけ多くの人がその内容に聞き入るのです。もしソーシャルメディアのような場で写真を披露し、注目を集めることができたなら、更に長いパラグラフを付け加えることも可能です。きっと人々はそれも読み取ってくれるでしょう。」
AllSwell Creativeの創設者であり、旅の企画担当でもあるLaura Rubin は次のように語っています。「写真を通じてどのように環境メッセージを共有するかについては様々な考え方がありますが、まずは、語るよりも見せる、だと思います。もし人々を教育し、力づけることができれば、それは最高の成果です。大規模な地球温暖化は、考えようとしてもとてつもなく大きな問題ですが、ある環状珊瑚やある地域の文化面、環境面への影響を取り上げるのであれば、共感できるレベルにまで問題を噛み砕いて伝えることができます。」
今回の旅に参加したフォトグラファーの1 人、Tasha Van Zandtにとって、遥か遠い土地の文化と風景に浸ることは、作品で表現したいストーリーを見つける手がかりになるとのこと。「別の暮らし方を体験し、人々と有意義な交流を持つために私は旅をします。それにより他者への思いやりや共感する心が育ち、相互の結びつきや地球とのつながりをより強く感じられるようになると思うんです。」
世界を旅し、環境について考える
ミレニアル世代はカメラを手に、ますます遠方へ旅をするようになっていることは確かです。アースデイを振り返ると、あちこちの旅先で撮られた膨大な数のすばらしい写真は、単に「いいね」や「シェア」を増やすためだけではないとわかります。多くのフォトグラファーが、それらの写真にこの地球をより良い場所にしようという思いを込めています。