Adobe Digital Insights: コンテンツ消費に変革をもたらしている4つのトレンド

本ブログのポイント

新しいテクノロジーがもたらしたコンテンツ消費行動における変化を、メディア&エンターテインメント(M&E)業界はいち早く経験しています。

仮想現実(VR)や音声認識など、デジタル、モバイル、ソーシャル、その他の新たなテクノロジーは、とりわけ35歳未満の消費者の行動に顕著な変化をもたらしました。Adobe Digital Insights(ADI)の最新レポートでは、メディア&エンターテインメント企業が知っておくべきコンテンツ消費に変革をもたらしている4つの重要なトレンドをまとめました。

1. コンテンツの消費には、スマートフォンが好まれる

ADIの調査によると、メディア&エンターテインメント企業では全体的にスマートフォンからのトラフィックが増加しています。業界内の全体の訪問は、前年比で5%減だったものの、スマートフォン経由の訪問は8%増となりました。モバイル端末にwebページを迅速に読み込ませられるオープンソースであるGoogleのAccelerated Mobile Pages(AMP)がモバイル経由の訪問率増加に寄与していると考えられます。主要なメディア&エンターテインメント企業サイトの84%がAMPを活用してトラフィックを増加させています。

特にメディア&エンターテインメント業界の企業サイト内の米国内ニュースはスマートフォン経由の訪問率が52%増加し、全体の訪問率も20%増加しました。ADIのディレクターであるテイラー シュレイナー(Taylor Schreiner)によると、それは今日の政治の混乱によるものであるとも考えられます。

シュレイナーは次のように述べています。「メディア&エンターテインメント業界の企業サイトでスマートフォンからのトラフィックが増加している背景には、消費者がオンデマンドでコンテンツを必要としているからだと言えるでしょう。それはつまり、外出時に自分のニーズに合った方法でコンテンツを視聴したいためです。もはや、モバイルファーストではなく、モバイルに支配された世界であると考えるべき時代になってきました。」

ADIの調査によると、さらに重要な点として、大多数の消費者がアプリケーション内ではなくメディア&エンターテインメント企業のサイトでメディアコンテンツを消費しているということがわかりました。実際に、(FlipboardやApple Newsなどの)アプリケーションを主要なエンターテインメントニュースの参照先にしている消費者は、わずか6%にすぎません。

2. 大型画面でのコンテンツ消費が減少

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メディアコンテンツを消費するデバイスとしてスマートフォンが好まれる一方、タブレットやデスクトップPCがその犠牲となる結果になりました。全体的には、メディア&エンターテインメント企業のサイトへのトラフィックは、タブレットでは前年比で20%減、デスクトップPCでは同14%減となっています。

シュレイナーは、この減少はメディア&エンターテインメント企業がそうしたチャネルから撤退すべきであることを示唆しているわけではなく、むしろ戦略の転換期が訪れたと捉えるべきだと指摘しています。

シュレイナーは次のように述べています。「web戦略において、もはやモバイル、タブレット、デスクトップPC単独ではとらえていないでしょう。つまり、タブレット独自の戦略を考えるべきではないということです。それは、メディアの消費が小型画面と大型画面の戦いになっており、大型画面での消費が減少しているからです。」

3. モバイル上では、参照元となるソーシャルプラットフォームとしてFacebookが最も人気

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全体では、スマートフォンでの参照元からのトラフィックの61%をGoogle経由が占めているのに対し、Facebook経由は16%となっています。その16%のうち、メディア&エンターテインメント企業サイト(45%)と米国内ニュースサイト(41%)は、他の業界と比較した場合、Facebook経由のトラフィックが占める割合が最も高くなっています。

シュレイナーは次のように述べています。「多くの人が、スマートフォンからソーシャルメディア経由でニュースやエンターテインメントのコンテンツを見つけ、エンゲージし、視聴しており、その件数はますます増加しています。Facebook上では、コンテンツが話題になり、ニュースが議論されることから、メディア&エンターテインメント企業はFacebookで自社コンテンツを配信する際、広告やオーガニックに関わらず、戦略的に行う必要があります。」

ADIの調査によると、人々がニュースを知るためにFacebookを利用している割合が高いにもかかわらず、すべての年齢層で80%を超える消費者が、ソーシャルメディア経由で閲覧するニュース(Facebookが現在テスト中:英語)には今後料金を支払いたくないと回答しています。

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一般的には、ソーシャルメディア上でニュースやエンターテインメントのコンテンツを視聴することは増加傾向にありますが、考慮すべき要素として年齢があげられます。35歳未満の消費者の半数以上が、ニュースの大半をテレビ、ニュースサイト、新聞ではなく、ソーシャルメディアで目にしていると回答しました。しかし、その傾向は、35歳以上の消費者では25%に達しませんでした。

また、35歳未満の35%が今後2年間にニュースのコンテンツを視聴するためにソーシャルメディアの使用が増えると思うと回答しました。

4. 35歳未満の消費者の3分の2がオンラインストリーミングでテレビ番組を視聴

ADIの調査によると、オンラインストリーミングなどのエンターテインメントに関心を寄せている消費者が増加しています。実際に、従来のテレビ放送は2014年以降伸び悩んでいます。最近では、35歳未満の消費者の3分の2が、定期的にオンラインストリーミングを契約してテレビ番組を視聴していると報告されています。

NetflixやHuluなどのオンデマンドサービスによってもたらされ、若い世代の消費者によって広まった「イッキ見(Binge-watching)」も、もう一つのトレンドになっています。13歳から22歳の消費者の50%超がテレビシリーズのイッキ見を好むと回答する一方、35歳以上の3分の1強の消費者は1週間に1話ずつの視聴を好むと回答しています。

メディア&エンターテインメント企業サイトへの小型画面からのトラフィックが増加する中、3分の1を超える消費者が、テレビ番組と映画の最大の差別化要素が画面サイズだと回答しています。さらに、75%を超える消費者が、テレビ番組または映画を自宅で視聴するには35インチ以上の画面を好むと回答しています。2016年から2017年にかけて、テレビ画面の平均的なサイズは43インチから45インチになりました(前年比でサイズが4.5%増)。さらに、46インチから85インチのテレビの売り上げは前年比で6%増、6インチから45インチのテレビの売り上げは同7%減となりました。

13歳から34歳の消費者の間で、エンターテインメントを自宅で視聴する際に最も人気があるデバイスは、ゲーム機、スマートテレビ、ケーブルボックスです。35歳以上の消費者は、ケーブルボックス、スマートテレビ、Blu-rayディスクプレイヤーを最も多く使用しています。

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シュレイナーは次のように述べています。「メディア&エンターテインメントを取り巻く状況が変化してきていることは明らかです。さらにテクノロジーの進化も、人々の消費行動に影響をもたらしています。最高の顧客体験を提供するために、そうしたトレンドを常に把握し、視聴者の好みを理解することが重要です。」

ADIの「Mobile Metric Refresh(モバイルメトリックス改訂版)」レポートの全文は、以下のSlideShareをご覧ください。

**Adobe Mobile Trends Refresh — Q2 2017 **from Adobe

「Media & Entertainment Generations(メディア&エンターテインメント世代調査)」レポートは以下SlideShareをご覧ください。

**ADI Media & Entertainment Generations Report — 2017 **from Adobe

※本ブログは、2017年9月8日に米国で公開されたCMO.comの記事を抄訳、編集したものです。