社会へ巣立つ子どもたちに職場体験を「Job Practice #ブリッジフォースマイル × #アドビ 2017」#CSR活動 #adobelife

アドビジャパンは、去る8月24日、NPO法人ブリッジフォースマイルの活動協力として、児童養護施設から巣立つ子ども達に実際のオフィスで就業体験を行ってもらう「ジョブプラクティス」を開催しました。今年で8回目となるこの活動では、中高生の参加者7人をアドビジャパンのオフィスに招き、参加者に「デザイナー/クリエイター体験」として、オリジナルフォントの作成、オリジナルブランドの構築とブランドバッジ作成などの作業と、最後にオフィスの見学を行いました。

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ストレッチをして緊張をほぐす参加者、植村さん、アドビ社員

最初の就業体験は、オリジナルフォントの作成。フォント作成講座では、アドビのシニアタイプフェイスデザイナー西塚 涼子 が講師となり、フォントとは何か、フォントはどのようにできているのかの解説を行いました。その後、参加者は好きな漢字を一文字選んで、オリジナルのフォントの作成に取り掛かりましたが、なかなか思うようにデザインできません。時間を大幅に超過しても創作をあきらめず、真剣に取り組んだ結果、個性的なこだわりのフォントが生み出され、最後にそれぞれが作ったフォントが額に入りました。

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アドビ シニアタイプフェイスデザイナー西塚 涼子によるフォント講座

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参加者が作ったフォント

ジョブプラクティス後半は、オリジナルブランドの構築とブランドバッジ作成。マーケティング部の名久井 舞子が、実際に企業のブランドがどのような流れで考えて作られているかを解説し、参加者に自分は何が好きなのか、どんなブランドをつくりたいのか、ターゲットは誰なのかを明確にする「ブランド構想シート」を配布しました。参加者はブランド構想シートに自分の作りたいブランドのアイディアを書き入れ、その構想に沿ったイラストを描き起こし、最後にそのイラストを缶バッジにすることで、オリジナルブランドバッジを作成しました。

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アドビのマーケティング部の名久井 舞子による「ブランドとは」講座

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ブランド構想シートと完成した缶バッジ

最後に行ったアドビのオフィス見学ツアーでは、アドビが入居しているビルの19階からの景色を眺めながら、オフィスを一周。参加者は著名なアーティストの作品の前で立ち止まったり、「なんでバランスボールがこんなにあるの?」と驚いたり、各部屋の名前が山の名前になっていることなどに興味を示したりしながら、実際に働く人がいる現場を見学し、2017年度のジョブプラクティスは終了しました。

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アドビと親交の深い書道家の武田早雲氏の作品の前で立ち止まる参加者

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会議中の部屋を横切る参加者

NPO法人ブリッジフォースマイル事務局の植村 百合香さんに、ブリッジフォースマイルの活動内容やアドビと協力することになった経緯などをうかがいました。

―ブリッジフォースマイルの設立目的と主な内容を教えていただけますでしょうか?

植村:NPO法人ブリッジフォースマイルは、児童養護施設から巣立つ子どもの自立支援を行っています。子ども達は18歳になると施設を出なければなりませんが、多くの児童養護施設は慢性的な人手不足が課題であったりと手一杯のところが多く、子どもが社会に巣立つための準備やトレーニングが行き届かない場合があります。私たちは外部団体として、その社会に出る準備や、進学支援、住宅支援、居場所支援など行っています。

―アドビジャパンが協力するきっかけとなった当時のことを教えてください。

植村:アドビ様には毎年このジョブプラクティスにご協力いただいており、今回で8回目となります。当時、アドビの社員さんが当団体のホームページをご覧になって、「何かご協力できませんか」かというお申し出をいただいたのがきっかけとなります。

―ジョブプラクティスが参加した子どもたちにどのような影響を与えているかを教えてください。

植村:ジョブプラクティスでは企業で働く人の話を聞き、仕事を体験して、自分の適性を知ってもらうことを目標にしています。児童養護施設の子ども達は、自立するために就労が必要なため、8割が高校を卒業した後すぐに就職します。しかし、せっかく就職できても長く続かないことが多いのが現実です。職場体験を通して、「イメージしていた仕事と違う」というミスマッチを事前に防ぐこともこの活動の重要な目的です。

―アドビでのジョブプラクティスを経験した子ども達から、今までどのような反応がありましたか?

植村:「楽しかった」「自分が知らない仕事を知れてよかった」「思いつかなかったような仕事に従事している人がいることを知ることができた」「進学先でも使えたらいいな」といった感想をもらっています。

―今後アドビとどのような活動を行っていきたいとお考えでしょうか?

植村: アドビ様はクリエイティブに携わる人を加速させる力をもっており、子ども達の「好き、楽しい」を見つける手がかりを得やすい会社だと思っています。

参加した子ども達が「好き、楽しい」と「仕事」を一緒に考えるひとつのきっかけとしてアドビ様にしかできないプログラムをご提供いただいておりますので、今後も続けていただけると嬉しく思います。

また、アドビジャパンでこのCR(Corporate Responsibility)活動をリードしている広報部の齊藤ようこにもアドビのCR活動について話を聞きました。

―アドビのCR活動に対する基本的なスタンスをお聞かせください。

齊藤:アドビは、社員がCR活動に積極的に参加することを応援するというスタンスを取っており、社員が何らかの形でCR活動に携わっていることが前提となっています。取り組みの姿勢を表す一例ですが、税引き前利益1%をCR活動予算に充てており、NPOのために10時間のボランティア活動ごとに250ドル、10人以上3時間のボランティア活動ごとに1,000ドルを社員に支給します。このお金は個人の消費目的で現金化することができませんが、イントラネットを通じて社員が選んだ団体に寄付することができます。

―今後どのようにこの活動を継続・向上していきたいとお考えですか?

齊藤:児童養護施設で暮らしているお子さんたちの数が減るまで是非支援を続けていきたいと思っています。ここ数年で、できる範囲ではありますが、働くことの楽しさとアドビの良さをわかってもらえるようなプログラムを組んできたと自負しています。参加した子ども達が大きくなった時にこの体験がどう活かされていくのかが楽しみです。

―ジョブプラクティスに参加された子ども達に一言お願いします。

リピーターは大歓迎ですので、また是非参加してください。今度はお友達も連れて遊びにきていただきたいですね。