Adidasのグローバルメディアディレクター、サイモン・ピール氏によるAdobe Advertising Cloud Q&Aセッション
質問1:Adidasはなぜ、DSPにTubeMogul(現Adobe Advertising Cloud)を選択されたのでしょうか。
回答1: 当社は数年をかけ、包括的な広告技術のフレームワーク構築に向けた取り組みを進めてきました。当社独自のDSPパートナーシップの確立は戦略的な選択です。また、プログラマティックメディアは、当社のメディア専門家も長年注目してきた市場領域になります。
DSPパートナーシップを確立するにあたり、12社前後の候補を検討しました。トレーディングの透明性やデータ所有権の柔軟性、デジタルの使用レベルやマーケティング効果の測定可用性を含む、数々の指標によって評価した結果、TubeMogul(現Adobe Advertising Cloud)の選択に至りました。動画領域を中心に、当社のデジタルメディアパフォーマンスを大きく向上できることが判明したからです。
質問2:アドビによるTubeMogulの買収は、御社との関係にどのような恩恵をもたらすでしょうか。
回答2: 当社はグローバルなブランドとして、大規模な展開を可能にしてくれるパートナーが必要です。今回の買収により、TubeMogulはアドビが保有するしっかりとしたエンタープライズソリューションの基盤に統合され、市場における堅牢性を高めると思います。
質問3: 今日の広告自動取引に関して、最も懸念される点は何でしょうか。
回答3: 透明性、データの所有権、広告詐欺は、当社が注目してきた課題です。DSPパートナーとは、データ所有権の明確化を含む契約の透明性を重視しています。しかし、プログラマティックサプライチェーン全体と、無数に存在するアドテックベンダーは、この領域が依然として不透明であることをグローバルに露呈しています。サプライチェーン全体を包括的に注視すれば、業界の透明性を担保する方法は見つかるはずです。
質問4:プログラマティックTVの可能性について、どのようにお考えでしょうか。期待する場合もそうでない場合も、理由を教えてください。
回答4: グローバルなスポーツカルチャーブランドとして、当社は自社のブランドを世界の競技場やコートに展開し、TV放送を通じて幅広くリーチしています。プログマティックTVは、今後数年間で着実に拡大すると思いますし、この領域における将来の可能性に期待しています。
質問5:広告自動取引を、より快適で有益かつ効率的なものにするために、アドテックプロバイダーやブランド、代理店にはどのような行動が取れるでしょうか。
回答5: 測定指標やブランドの安全性、可視性や透明性を担保する普遍的な基準が、あらゆるプロバイダーとブランド、代理店に採用されるべきです。ひとつのルールによって全体が運営されるようになれば、誰もがより快適になれるでしょう。
※本ブログは、2017年6月20日にヨーロッパで公開されたAdobe Blogの記事を抄訳、編集したものです。