データドリブンな未来に備えるための準備 #ExperienceCloud

議論の余地がないほど、データには強大な力があります。特にマーケティングにおいて、データは企業の意思決定プロセスにとって不可欠です。しかし、多くの企業がデータを収集すればするほど、データを使ってどのようなアクションを起こし、ビジネスに最善の結果をもたらすためにデータをどのように活用すべきかという課題に直面します。

消火栓から水が噴き出すのと同じように、データは大量に溢れています。さらに拡張現実(AR)や人工知能(AI)などのテクノロジーが出現し、顧客に対するより深い洞察力を得られるようになりました。企業はこうしたデータの大洪水をどのように対処するかを学ばなければなりません。

データに勝るものなし

マーケティングの有効性を高めるには、データが欠かせません。顧客とブランドとの接点はほぼすべて測定可能であり、企業はデータを使用して、体験主導型のビジネスを構築しています。これは、私たちが目の当たりにしている最も重要な技術的変化です。

データを利用することで、組織は複数のチャネルで顧客を追跡し、その好みをより詳しく理解できるので、適切なタイミングで最適なオファーを提供できます。

モバイルアプリは特に効果的で、顧客が企業とどのように接しているかについて、デスクトップよりも多くの情報を提供します。その理由は、場所などの一般的な情報から、操作しているスマホ上の情報に基づいて、とある顧客の体験がこの先どうなるかの判断まで、多くの情報をスマホから入手できるためです。こうした可能性の開拓はまだ始まったばかりです。

最終的に、データは意思決定プロセスにおいて企業を支援し、マーケティング効果の向上とキャンペーンのROI改善のための効率化につながります。

データは多いほど有用ですが、データを適切に扱うシステムを適切に利用する必要があります。もちろん、膨大なデータを保管、保守および管理するには投資が必要になります。しかし、こうした支出は、データを顧客体験の最適化に使い始めればすぐに効果に表れます。Wyndham Hotels and ResortsやFranke Groupのような企業が提供している顧客体験を見れば、企業の価値に結びついていることが一目瞭然です。

企業は現在、かつてないほど多くのデータを利用できます。しかし、データを巧みに利用して顧客体験の向上に活かすことは、スプレッドシートに数字を並べるような簡単な作業ではありません。

新たなテクノロジーがデータドリブンマーケティングを改善

NetflixやAppleなどの企業は、AIなどの新しいテクノロジーを利用して、顧客とのエンゲージメントをさらに高めています。アドビもAIを利用して、顧客体験の向上を図っています。

AIは、マーケティング担当者がブランド企業と顧客の関わりを理解するためのデータの活用方法を変革しています。

アドビが投資するAI「Adobe Sensei」は、企業の事業運営および顧客のブランド企業との関係を改善します。

私たちは、Adobe Senseiとデータを活用して、顧客体験を最適化できることを非常に嬉しく思っています。アドビは顧客の活動に関する深い知識とディープラーニングの最新技術を融合させることで、より効果的にキャンペーンを実行できるアルゴリズムを作成することができます。

アナログな方法でカスタマージャーニーを追跡し理解することは困難ですが、AIによってこのプロセスを大幅に効率化できます。AIにより、すべてのデータを調べ、ブランド企業と顧客間のカスタマージャーニーのすべてのプロセスを網羅できるシステムが実現することで、どのような行動がビジネスに良い結果または悪い結果をもたらしたかを判別できます。こうした点において機械は優れています。

一部のブランド企業はすでに、AIを活用した実験で素晴らしい成果をあげています。。たとえば、Alexaの音声アシスト機能を搭載したBMWの車米国西海岸のホームセンター「Lowe’s」の店内で接客するロボット「LoweBots」、AmazonやAppleなどが提供するスマートホームデバイスです。

現時点では、AIほど主役ではないかもしれませんが、ARとVRも顧客とのエンゲージメントを高める素晴らしい可能性を創出します。

VRは、従来のデジタル体験をさらに拡張させます。たとえば、私は最近VRでバスケットボール観戦した同僚のTwitterをフォローしました。彼はVRでの体験を絶賛していました。このようなテクノロジーは、ブランド企業に独自の顧客体験を生み出す新たな方法を提供するだけでなく、今後の顧客との関係の向上に役立つデータを収集する新たなタッチポイントも提供します。

データドリブンな未来への準備

企業が顧客データを収集するタッチポイントを増やせば増やすだけ、データの活用してアクションを起こすことがこれまで以上に重要になります。データの成熟度は企業ごとに異なりますが、利用できるデータが多すぎるために苦労する企業は出てくるでしょう。

しかし、ある業界のリーダーは「より良いアルゴリズムよりも、より多くのデータを持っていることが重要」と述べています。データが一部の顧客体験の最適化に役立ち、ビジネスにおける基準となるのであれば、データを安全に保管し、それを元に展開するための最善の戦略を構築するまでの手間のかかるプロセスを耐えるだけの価値はあります。

真のデータドリブンな組織を構築しようとしている企業は、そのブランドおよびビジネス要件に適した方法でデータを利用することに注力する必要があります。実現したいことを1つ選び、それだけに集中してください。実現したいことを想像することは非常に簡単なことですが、そのすべてを実現できる手段と、利用できるデータを備えている組織はごくわずかです。

最終的に、データドリブンを実現できない企業は競争に勝てなくなります。今後数年のうちに、本当に優れた顧客体験を生み出すために企業が必要とするインサイトは今よりもさらに利用しやすくなり、膨大なデータがリアルタイムで収集され続けるでしょう。より多くのデータを利用できるほど、より良い結果になることは間違いありません。しかし、将来企業を成功に導くには、膨大なデータだけに依存するのではなく、顧客体験中心のビジネスの原動力として、データを機械学習およびAIと組み合わせて活用する必要があります。

アドビ35周年を記念したイノベーションに関するブログ連載はこちらからご覧いただけます。

この記事は、2017/12/11にポストされた_Get Ready for a Data-Driven Future_を翻訳したものです。