おすすめ桜スポット 西日本・中日本編 #AdobeStock

連載

PASHADELIC による風景写真の極意

2018年はAdobe Stockで自慢の作品を販売してみませんか?このブログでは、風景写真専門のオンラインフォトコミュニティPASHADELIC (パシャデリック)から、絶景風景の撮影スポットをご紹介いただきます。

日本で春の花、と言えばやはり桜。広告素材としてだけではなく、カレンダーや観光旅行のポスター・パンフレット向けなど商材の幅も広く、桜を被写体とした写真はとても人気が高いです。

日本らしい郷愁的な風景、妖艶さを感じさせるもの、パステル調の爽やかなイメージと、桜を主体として色々な表現が可能なところも魅力ですね。今回ご紹介するスポットも、桜をメインのモチーフとしながらもそれぞれが個性のある風景です。

いち早く桜が開花し始める南から日本列島を北上し、桜の様々な風景を追いかけて絶景ポイントをご紹介していきます。

草場川の桜並木(福岡県 筑前町)

福岡県の朝倉郡筑前町を流れる草場川両岸に1.5kmにも及ぶ桜並木があります。堤防には菜の花も咲き乱れ、うまく菜の花と桜の開花のピークが重なれば、日本の春のイメージの代表格とも言える景観が広がっています。


https://pashadelic.com/photo?id=319682

Aya / PASHADELIC

桜の開花時期にはライトアップも行なわれ、ライトに照らされた夜桜も大変美しい場所です。春らしい色合いを重視するなら夜桜よりも昼間の風景の方が適しているかもしれません。青空もヌケの良い深い青よりも、パステル調の淡い色合いの方が春らしさの演出には適しているでしょう。

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又兵衛桜(奈良県 宇陀市)

奈良県宇陀市にある戦国武将の屋敷跡に咲く、非常に見事なしだれ桜の大木が又兵衛桜です。NHKの大河ドラマにこの木の映像が使われたこともあり、開花時期には多くの人が訪れる人気スポットです。


https://pashadelic.com/photo?id=172785

山田 耕司 / PASHADELIC

石垣の上に咲くというロケーションの良さに加え、後ろには桃の木が植わっているため、開花時期のタイミングが合うとピンクの濃淡のコントラストがとても美しい構図を狙えます。しだれ桜はソメイヨシノよりもさくら色が濃い目のため、日本人が頭に思い描くさくら色のイメージを作りやすくなります。

見学は無料ですが、木や施設の維持管理協力金として100円の負担があります。

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琵琶湖疏水の桜並木(滋賀県 大津市)

琵琶湖疏水は明治時代に作られた京都に琵琶湖の水を流すための運河で、その両岸に約200本の桜が植えられています。どこかレトロな美しさをもつ疏水の水路と見事な咲きっぷりを見せる桜の組み合わせで、他にあまりない面白い春の景観が狙えるロケーションになっています。水と桜の花の組み合わせは春の写真の定番中の定番の一つと言えるでしょう。


https://pashadelic.com/photo?id=320507

Yasutomo Kato / PASHADELIC

作例写真では、やや黄色みを出し彩度を抑えめにした仕上げをすることで、レトロチックな景観を強調しています。

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彦根城の桜(滋賀県 彦根市)

滋賀県の彦根城にはお城周辺に約1,200本の桜があります。お堀のそばも見事な桜が並木のようになっており、開花のピークには壮観な眺めになります。開花の前後3週間ほどは桜祭りも行なわれていて、夜桜のライトアップも開催されます。


https://pashadelic.com/photo?id=239303

PASHADELIC

水鏡を写すには、風との勝負になります。微風でも水面が揺れてキレイな鏡にはなってくれません。じっくりと風の凪ぐタイミングを待ちましょう。さらに夜桜の撮影では桜の色合いはライトアップの照明の色に大きく左右されます。桜本来の色と言うよりも照明による演出の色合いを撮る、と考えた方が良いかもしれません。

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五条川沿いの桜並木(愛知県 岩倉市)

岩倉市の中心部を流れる五条川両岸に、約1,400本のソメイヨシノの桜並木があります。川の両岸は遊歩道もきれいに整備されていて、花が散る時期には遊歩道には桜の花びらの絨毯ができます。


https://pashadelic.com/photo?id=320283

Isamu Namose / PASHADELIC

作例写真はスローシャッターで水面を流れる花びらの動きを作って画面のアクセントにしています。風のない瞬間ならば桜の木々側は止まりますが、あえて少し風のある中で桜側にも動きを付ける狙いも面白いでしょう。

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中綱湖畔のオオヤマザクラ(長野県 大町市)

長野県大町市にある仁科三湖。その中で一番小さな湖である中綱湖の西側にはオオヤマザクラが群生していて、開花時期にはその桜としては濃いめのピンク色が湖面に映る姿が撮影できます。ソメイヨシノのほんのりさくら色、とは違い、ヤマザクラは種類によってはしっかりとしたさくら色を出してくれますので、色彩のコントロールは比較的楽となります。


https://pashadelic.com/photo?id=324200

hidehiro kawanabe / PASHADELIC

作例写真は早朝の撮影で、風が凪いだ瞬間を狙って水鏡状態になった湖面と合わせ、オオヤマザクラの濃いピンクを印象的なトーンでまとめています。色温度を高めにすることでその雰囲気をうまく出すことができます。

標高も少々高い場所の桜ですので、開花時期は遅めです。見頃は4月下旬から5月上旬のゴールデンウィーク頃。ソメイヨシノよりは見頃が長いはずですが、事前の開花情報チェックをお忘れなく。

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高遠城址公園のコヒガンザクラ(長野県 伊那市)

長野県伊那市にある高遠城を中心として整備された高遠城址公園にあるコヒガンザクラの風景です。コヒガンザクラはこの場所にしか咲かない種類のようで、ソメイヨシノに比べて花の色が濃く、約1,500本の木が山並にきれいなピンク色の一帯を作り出します。周囲の山の様子を借景することでまた一つ違った春の風景をものにすることもでき、夜には一帯がライトアップされるので昼とは異なった風景を見ることもできます。


https://pashadelic.com/photo?id=242080

PASHADELIC

こちらも地域の関係で桜の見頃は少し遅め。だいたい4月中頃になりますが、過去の高遠桜祭りの情報によると、見頃時期には10日以上のばらつきがあるようです。撮影計画の際には事前の開花情報チェックが必須ですね。

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千曲川堤防 一葉の桜並木(長野県 小布施町)

長野県の小布施町にある千曲川をまたぐ橋、小布施橋近くの堤防の上にヤエザクラの桜並木があります。堤防の上ではありますが、その部分は幅も広く平らで、かなり広い場所ですので「桜堤」と呼ばれているロケーションです。

そこに約600本の**「一葉」というヤエザクラ**が3列に植えられており、ヤエザクラ特有の豪奢な花の咲きっぷりが楽しめます。一般に八重桜の木はあまり大木にはなりませんので花のアップの撮影も狙えるでしょう。


https://pashadelic.com/photo?id=325304

PASHADELIC

場所は、長野電鉄長野線の小布施駅から1.4kmほど。小布施橋を目標に移動すると良いでしょう。一葉はヤエザクラの中では色合いが薄い種類で、半逆光の光の中で見ると独特の透明感のある花びらをしています。そういった雰囲気を活かす仕上がりを狙いたいところです。

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西平畑公園の河津桜(神奈川県 松田町)

こちらは東日本になりますが、2月中旬頃から桜の見ごろを迎えるため、一足先にお知らせさせて頂きます。

神奈川県松田町の松田山の南斜面に咲く約360本の河津桜。この種類はかなりの早咲きで、関東では恐らく一番最初に花を見ることが出来る種類でしょう。色合いもかなり濃いピンクで、一般的にイメージされるさくら色とはちょっと異なるかもしれません。ロケーション&時期的に、残雪どころかまだ冬真っ最中の真っ白な状態の富士山と組み合わせた写真が狙えるポイントになります。

Tetsuaki Karasawa / PASHADELIC

毎年開催される桜祭りではライトアップも行われ、作例写真のように足柄平野の街の明かりと夜桜を共に撮ることができるので、山里や並木とはひと味違ったショットになりそうです。

冒頭にも記した通り、見頃の時期は2月中頃から3月上旬と関東では桜と言うよりは梅の開花時期です。撮影を計画する方はタイミングを失わないよう注意しましょう。こちらも桜祭りのホームページなどで開花状況の案内がありますから事前の確認をお忘れなく。

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さくら色をうまく出すには

桜の写真を作る際に重視されるポイントの一つはやはり「さくら色」のイメージでしょう。イメージを通りの撮影をするには、さくらの種類を選択するのが一番手っ取り早くなります。例えば、ソメイヨシノは色がかなり淡く、特に満開になると光線の条件によってはほとんど真っ白に写ってしまいます。ソメイヨシノでさくら色を出すなら、7分~8分咲きぐらいのタイミングを狙う方が楽です。しだれ桜、作例写真にもあったオオヤマザクラ、ヒガンザクラやヤエザクラは色が濃いものが多く、ストレートに撮影してもさくら色のイメージの演出が簡単に行えます。

各地ごとの桜の種類も念頭に置きながら、それぞれの桜の風景を切り取ってみて下さい。

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